ネットワークが普及している現在社会では、個人情報や企業の機密情報がサイバー攻撃によって情報漏洩する事件や事故が多発しています。
そのため、情報セキュリティの意識が年々高まっており、セキュリティエンジニアの需要が増えています。セキュリティ人材が不足していることもあり、セキュリティエンジニアは未経験からでも目指せる職業です。
本記事では未経験からセキュリティエンジニアへの転職を検討している方に向け、必要なスキルや資格を紹介します。セキュリティエンジニアになるために必要な情報をわかりやすくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
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未経験からセキュリティエンジニアになるには?
未経験からセキュリティエンジニアを目指したい方は、以下の3つのポイントを押さえましょう。
- システムエンジニアやインフラエンジニアを経験する
- セキュリティに関する資格を取得する
- 転職エージェントを活用する
経済産業省のデータによると、日本の中小企業の約9割はセキュリティ人材が不足していると感じており、過去10年以上改善がみられていません。
そのため、セキュリティエンジニアは需要が高く、未経験でも目指せる職業です。
セキュリティエンジニアを目指すポイントについて、詳しく説明していきます。
参照:経済産業省「第10回産業サイバーセキュリティ研究会」
システムエンジニアやインフラエンジニアを経験する
まずはシステムエンジニアやインフラエンジニアを経験することも一つの手段です。
システムエンジニアやインフラエンジニアに必要なプログラミング知識やネットワーク知識は、セキュリティエンジニアの業務でも活用できるITの基礎となる知識です。
実際に経験することで、プログラミングスキルが得られ、ネットワークやサーバーの構築・運用管理・トラブルシューティングなどの経験を積めます。
また、セキュリティエンジニアは、システムエンジニアやインフラエンジニアとチームを組んで仕事を進める場面も多いです。
システムエンジニアやインフラエンジニアを経験しておくと、相手の立場に立って意見を言えるため、セキュリティエンジニアとして仕事するうえでも役に立ちます。
セキュリティに関する資格を取得する
未経験からセキュリティエンジニアを目指すのであれば、セキュリティに関する資格を取得しましょう。
たとえば、CompTIA Security+や情報処理安全確保支援士などの資格は、セキュリティに関する基礎知識を網羅的に習得できます。
これらの資格は、セキュリティのプロフェッショナルとして求められるスキルや知識を証明でき、就職活動や転職活動でも有利になる可能性があります。
どのような資格を取っておくとよいのか気になる方は、以下の記事をご覧ください。
転職エージェントを活用する
IT業界未経験からセキュリティエンジニアを目指すならば、転職エージェントの活用がおすすめです。
未経験可の求人を効率よく見つけられ、自分のスキルや経験を活かせる転職先をキャリアアドバイザーに紹介してもらえます。
履歴書や面接のサポートも受けられるため、企業に自分の強みをアピールしやすくなります。
一人で転職活動を進めるのが不安な方は、転職エージェントの活用を検討してみましょう。
セキュリティエンジニアとは?
セキュリティエンジニアは、情報セキュリティに特化したエンジニアです。
これからセキュリティエンジニアを目指す方に向けて、仕事内容を以下の3つの観点で詳しく紹介します。
- 情報セキュリティに特化した職業
- 仕事の重要性が高くやりがいのある職業
- セキュリティだけでなく幅広いITスキルが求められる職種
情報セキュリティに特化した職業
現代社会では、個人情報や企業の重要情報をオンライン上でやり取りすることが当たり前となっています。
データを狙ったサイバー攻撃が多様化しており、企業や組織の信頼性を維持するためにも情報セキュリティの重要性は年々高まっている傾向です。
セキュリティエンジニアは情報漏洩やサイバー攻撃を未然に防止し、重大な損害から情報を守る職業です。
仕事の重要性が高くやりがいのある職業
IT企業だけでなく、金融や医療などさまざまな企業や組織において、情報セキュリティを担当するセキュリティエンジニアの存在が重要になっています。
情報が漏洩してしまうと、金銭面の損失だけでなく、信用問題に関わります。
セキュリティエンジニアは企業や組織の情報を守り、社会に貢献できるため、エンジニアの中でもやりがいのある職業です。
セキュリティだけでなく幅広いITスキルが求められる職種
セキュリティエンジニアは、セキュリティに関する知識だけでなく、IT技術全般も理解している必要があります。
とくに、サーバーやネットワーク、OS、IT関連法規に関する知識は、業務を行う上で不可欠なスキルです。
情報セキュリティ業務はITシステムの企画から保守運用まで、すべての工程で発生するため、各業務の知識や経験も必要になります。
インフラ知識が土台となるものが非常に多く、インフラエンジニアの業務とも関係が深いです。
インフラエンジニアの業務を詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
セキュリティエンジニアはやめとけと言われる理由
セキュリティエンジニアは需要のある仕事ですが、「やめとけ」と言われることもあります。
主な理由は以下の3つです。
- 責任が重い
- 夜勤や休日出勤がある
- 新しい知識を学び続ける必要がある
セキュリティエンジニアは個人情報や会社の機密情報をサイバー攻撃や不正アクセスから守る仕事です。
情報漏洩が起きると企業の信用問題になるため、細心の注意を払って業務を行わなければいけない責任の重い職業といえます。
突然のサイバー攻撃やシステムの脆弱性によるトラブルが発生した場合には、緊急の対応が必要です。
常にシステムのセキュリティを監視しなくてはいけないこともあり、職場によっては夜勤や休日出勤が発生します。
セキュリティ技術や攻撃手法は常に変化しており、最新の情報を知っておく必要があります。
多様なサイバー攻撃に対応するためにも、新しい知識を積極的に学び続けなくてはいけません。
このような理由でセキュリティエンジニアはやめとけと言われていますが、需要が高く将来性のある仕事です
個人情報や機密情報を脅威から守る仕事はやりがいもあるため、デメリットを理解したうえで転職を検討しましょう。
以下の記事では、セキュリティエンジニアはやめとけと言われる理由を詳しく解説しているので参考にしてください。
セキュリティエンジニアに向いている人の特徴
セキュリティエンジニアに向いている人の特徴は、以下の4つです。
- ロジカルシンキングが得意な人
- 強い責任感を持って仕事ができる人
- 周囲の環境を常に意識し、セキュリティリスクを見逃さない人
- 新しい技術や脅威に関心を持っている人
ロジカルシンキングが得意な人
セキュリティエンジニアはロジカルシンキングが得意な人に向いている職業です。
複雑なシステムやアプリケーションのセキュリティを維持するには、論理的な思考が必要になります。
システムの仕組みを論理的に理解することで、セキュリティの問題と原因を分析でき、正しい解決策を見つけられます。
周囲の環境を常に意識し、セキュリティリスクを見逃さない人
セキュリティエンジニアは、常に周囲の環境を意識する人に向いています。
システムの脆弱性やセキュリティリスクを見逃さないことで、ウイルスの感染や不正アクセスなどのセキュリティインシデントを未然に防止できます。
あらゆる範囲に対して、常にアンテナを張る意識をもつことが苦にならない人にとって適した職業です。
新しい技術や脅威に関心を持っている人
セキュリティエンジニアは、IT全般の最新技術にも常に目を向ける必要があるため、新しい技術や脅威に関心を持っている人に向いている職業です。
セキュリティ業界は、技術の発展が速く、常に最新の情報と知識を身につける必要があります。
サイバー犯罪の手口も多様化しているため、セキュリティエンジニアには変化に対応するための情報収集能力が求められます。
セキュリティエンジニアに向いている人をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
強い責任感を持って仕事ができる人
セキュリティエンジニアは、責任が重い仕事にやりがいを感じられる人に向いています。
セキュリティエンジニアは、個人情報や会社の機密情報など、重要な情報を守るのが仕事です。
そのため、被害が起きないよう強い責任感を持って仕事をする必要があります。
セキュリティに脆弱性が無いかを常に確認し、サイバー攻撃を防ぐための対策を考えなくてはいけません。
セキュリティエンジニアの需要と将来性
セキュリティエンジニアの需要と将来性を以下の3つの視点から解説していきます。
- 情報セキュリティの重要性が年々高まっている
- 人手不足なので需要が高い
- IT業界のさまざまな分野で活躍できる
情報セキュリティの重要性が年々高まっている
この先も市場規模の拡大が予測されるため、セキュリティエンジニアは将来性がある職業です。
現代社会では、個人情報や企業の機密情報をネットワーク上で扱うことが多くなっており、情報セキュリティの重要性が年々高まっています。
不正アクセスやサイバー攻撃により情報漏洩が起きると、企業や組織の信用問題に関り、重大な損害を被る可能性があります。
大事な情報を守るには、企業や組織の情報セキュリティを担当するセキュリティエンジニアが必要です。
総務省の令和6年度の情報通信白書によると、世界のサイバーセキュリティ市場規模は2019年度の485億ドルから年々増加しており、2023年は790億ドルにもなっています。
参照:総務省「令和6年版 情報通信白書」
人手不足なので需要が高い
さまざまな業界において、セキュリティエンジニアの需要は高い傾向にあります。
一方で、エンジニア全体と比較して、セキュリティエンジニアの人数は少ない傾向にあり、人手不足が深刻化しています。
アメリカのNPO団体であるISC2(国際情報システムセキュリティ認証コンソーシアム)の調査では、2023年の日本のセキュリティ人材は約48.1万人でした。
セキュリティ人材の需要は約59.1万人であり、需要に対して約11万人も不足しています。
人材不足の状況は悪化しており、セキュリティエンジニアの需要はさらに高まると推測できます。
参照:東洋経済オンライン「日本は11万人不足「セキュリティ人材」確保の難題」
IT業界のさまざまな分野で活躍できる
IT業界に限らず、金融や医療、自動車などさまざまな分野においても、セキュリティエンジニアの需要は高まっています。
また、AIやIoT、ブロックチェーン、メタバースなどの新しい技術の運用にもセキュリティは必要です。
技術の発展により、セキュリティエンジニアの仕事は今後もさらに拡大すると予想されています。
セキュリティエンジニアの将来性やキャリアパスを詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。
セキュリティエンジニアの年収
セキュリティエンジニアは、セキュリティだけでなくIT全般に関する高度な知識が求められるため、年収は高くなりやすいです。
求人ボックスによると、2024年8月時点のセキュリティエンジニアの平均年収は473万円であり、日本の平均年収よりも高い傾向にあります。
年齢やスキルによって年収に差はありますが、着実に経験を積むことで年収が大きくアップする傾向です。
また、難易度の高い資格を持っているとスキルや知識を証明でき、より高い年収を目指せます。
参照:求人ボックス「セキュリティエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」
年収が高い理由を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
セキュリティエンジニアに必要なスキル
セキュリティエンジニアとして仕事をするうえで、とくに必要になる以下の4つのスキルを紹介します。
- セキュリティの知識
- ネットワークの知識
- コミュニケーション能力
- 法律や経営に関する知識
セキュリティの知識
セキュリティに特化した業務を行うため、一般的なエンジニアよりもセキュリティに関する深い知識が必要です。
ネットワーク機器やアプリケーションなど、ハードウェアとソフトウェアの両方に関係するセキュリティ知識が求められます。
ネットワークの知識
サイバー攻撃はネットワークを介するものが多いため、ネットワークに関する深い知識も必要です。
サーバーやネットワークなどのインフラを深く理解しておくと、脆弱性を見つけやすくなり、セキュリティインシデントの防止につながります。
コミュニケーション能力
仕事を進める際には、社内のチームメンバーや社外のクライアントなど、多くの人と定期的にコミュニケーションを取る必要があります。
セキュリティ対策を効率的に進めるには、クライアントや他のエンジニアと情報連携することが重要です。
また、セキュリティに関する専門的な内容を、セキュリティに詳しくない人にもわかりやすく説明できる能力も必要になります。
法律や経営に関する知識
セキュリティエンジニアは、セキュリティに関する法律の知識も知っておく必要があります。
情報漏洩や不正アクセスなどの事件が発生した場合には、法的な対応をしなくてはいけません。
また、企業の機密データを安全に保護するためには、経営者と同じレベルの考え方が必要です。
セキュリティエンジニアを目指すうえでおすすめの資格4選
セキュリティエンジニアを目指すうえでおすすめの資格は以下の4つです。
- 情報セキュリティマネジメント試験
- 情報処理安全確保支援士
- Cisco Security認定
- CompTIA Security+
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、独立行政法人の情報処理推進機構(IPA)が実施しています。
試験内容は情報セキュリティの法律や規制、リスクマネジメントなど、セキュリティエンジニアに必要な幅広い知識を網羅しています。
資格の難易度は初心者レベルのため、未経験からセキュリティエンジニアを目指している方におすすめの資格です。
情報処理安全確保支援士
情報処理安全確保支援士は、独立行政法人の情報処理推進機構(IPA)が実施している国家資格であり、日本で有名な情報セキュリティ資格の一つです。
資格取得の難易度は高く、未経験から合格するには長期間学習する必要があります。
情報セキュリティの高度な知識・技能を持っていると証明できるため、セキュリティエンジニアとしてスキルアップをしたい方は、取得を目指してみましょう。
Cisco Security認定
Cisco Security認定は、ネットワーク機器を提供しているシスコシステムズが実施しているベンダーの資格になります。
情報セキュリティの知識や技能を習得でき、ネットワークセキュリティのスペシャリストを認定する資格として有名です。
初心者向けのCCNA Securityや上級者向けのCCIE Security、セキュリティ技術に特化したCCNP Securityなど、さまざまな資格があります。
Cisco製品を導入している企業や組織では、Cisco Security認定をもつエンジニアの需要が高いため、就職や転職に有利です。
CompTIA Security+
CompTIA Security+は、ネットワークやコンピュータのセキュリティに関する知識を証明できる国際的な資格です。
コンピュータのセキュリティに興味がある初心者から経験豊富なセキュリティエンジニアまで、幅広い層の人々に向けて作られています。
ネットワークセキュリティやコンピュータの脆弱性、ハッキング技術、暗号化技術、認証技術など、幅広いセキュリティに関する知識を習得できます。
CompTIA Security+は、世界中で広く認知されている資格であり、グローバルなセキュリティエンジニアとして活躍するために必要な資格です。
紹介した4つの資格以外のIT資格も知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
まとめ:スキルや資格を活かして、未経験からセキュリティエンジニアを目指そう
セキュリティエンジニアは、未経験からでも目指せる職業です。
個人情報や会社の重要な情報を脅威から守る仕事で、IT全般の知識とセキュリティの専門的な知識が必要になります。
資格を取得すると、セキュリティの知識やスキルを証明でき、就職活動や転職活動を有利に進められます。
需要が高く将来性もある仕事のため、IT業界に興味がある方はセキュリティエンジニアを検討してみましょう。
活学ITスクールではセキュリティエンジニアに必要なネットワークの知識を学習できる「CCNA資格取得コース」をご用意しています。
アニメーション動画で学習でき、実機も使った実務に役立つ技術も習得可能です。CCNA資格取得は転職活動にも役立つため、ぜひカリキュラムの受講をご検討ください。