SESがなくならない10の理由と将来性をエンジニア視点で徹底解説!

「SESの仕事って、今後も需要があるのかな…」  

「SESで働いているけど、このまま続けていけるか心配」

そんな疑問を抱く方も多いでしょう。
本記事では、SESの基本的な仕組みや、なぜ今後も必要とされ続けるのか、その理由を詳しく解説します。

合わせて読みたい⇒SESに将来性はあるの?将来性のある企業の見分け方とは?

目次

SESとは?派遣や請負との違いを徹底解説  

SESは、IT業界で広く利用されている契約形態です。
しかし、その特徴や他の契約形態との違いを正確に理解している方は意外と少ないかもしれません。

この章では、SESの基本的な役割や特徴について詳しく説明します。

SESの基本定義  

SESは、エンジニアが顧客の現場で業務を行う形態の契約です。
この形式では、「成果物の納品」ではなく「業務そのもの」を提供します。

・作業はクライアントの指示に基づいて実行される
・報酬の対象は業務内容であり、成果物ではない
・プロジェクトごとに契約期間が設定される

SESは、顧客が柔軟に必要な人材を確保できる仕組みとして重宝されています。

派遣との違いと特徴  

SESと派遣契約の違いは、主に管理責任と指揮命令権の所在にあります。

・派遣では、派遣先企業が直接指示を行う
・SESでは、指示命令はSES企業を通じて行われる
・派遣は「人材提供」、SESは「業務提供」が主な目的

SESでは、エンジニアの管理はSES企業が行うため、派遣とは適用されるルールが異なります。

請負や委任契約との違い  

請負契約や委任契約は、成果物に責任を持つ形式ですが、SESとは以下の点で異なります。

・請負契約:完成した成果物を納品し、それに対して報酬を受ける
・委任契約:特定の業務を遂行する義務を負う
・SES:業務内容に責任を持ち、成果物への直接的な責任は負わない

SESは、プロジェクト全体の進行を管理する役割ではなく、特定の作業をサポートする形式です。

SESがエンジニアに与えるメリットと可能性 

SESには、多くの現場での経験を積める点や、柔軟にキャリアを築ける可能性がある点など、さまざまなメリットがあります。
この章では、SESがエンジニアにどのような価値を提供するかを解説します。

多様な現場で経験を積める  

SESの特徴は、異なる業界や環境で働く経験が得られる点です。
同じ職場に固定されるのではなく、さまざまなプロジェクトに携わることで、多岐にわたるスキルを習得できます。

短期間で多くの経験を積みたい方に適した契約形態です。

未経験でも採用されやすい  

SES企業は未経験者に門戸を広げており、IT業界への第一歩として選ばれることが多いです。

研修や教育プログラムが整備されている企業も多く、実務を通じてスキルを磨ける環境が整っています。
経験がない方でもチャレンジしやすいです。

残業が少ない環境の実態

SESでは、契約内容に基づき労働時間が管理されるため、残業が比較的少ない現場も多いです。
すべての現場が残業なしとは限りませんが、事前に契約内容を確認することで、自分に合った働き方が選べます。

家庭との両立やプライベートを重視したい人に適した環境です。

スキルアップできる

SESは、現場での経験を通じてスキルアップを図れることが大きな魅力です。

SESの仕事を通じて得られるスキルは、業界内での市場価値を高める要素となります。
特に資格取得支援や研修制度を活用することで、短期間で技術力を高めることが可能です。

責任が少ない

SESでは、成果物ではなく業務提供に基づく契約形態のため、エンジニア個人が成果に対して大きな責任を負うことは少ないです。

責任が軽いことで、初心者でも挑戦しやすい環境が整っています。
まずは基礎的な経験を積みたい人にとって、SESは魅力的な選択肢です。

SESで働くデメリットと注意点  

SESにはメリットが多い一方で、デメリットもいくつか存在します。
この章では、SESで働く際に注意すべきポイントを詳しく説明します。

市場価値が上がりにくい理由  

SESの業務は、幅広い経験を得られる反面、専門性を高めにくい場合があります。

・長期的に特定分野のスキルを磨く機会が少ない
・プロジェクトが短期間で終了することが多い
・専門知識よりも汎用的なスキルが重視される

これらの課題を克服するには、資格取得や専門的なトレーニングが有効です。

給与が少ない・労働環境の不安定 

SES業界では、固定給が低い、または労働環境が不安定な場合もあるため、注意が必要です。

・待機期間中の給与が減額される場合がある  
・残業代が支払われないブラック企業も存在  
・現場に依存した働き方となるため、収入の安定性に欠ける  

信頼できるSES企業を選ぶためには、事前に企業の評判や口コミを調べることが重要です。
また、契約内容をしっかり確認し、不利な条件を避けるようにしましょう。

キャリアプランが描きにくい

SES業務は多様な現場を経験する一方で、自分のキャリアプランを描きにくいことがあります。

キャリアプランを明確にするには、SES企業の営業担当と定期的に相談し、自分が望むスキルや経験が得られる現場を希望することが重要です。

プロジェクトの最後まで関われない可能性

SESでは、契約期間がプロジェクトの途中で終了することがあり、最後まで関われない場合があります。

プロジェクト全体を経験したい場合は、SES企業に希望を伝え、長期案件を優先的にアサインしてもらうよう交渉することがポイントです。

SESがグレーと言われる理由と対策  

SES業界には、その柔軟な契約形態ゆえに、法的リスクや曖昧さが指摘されることがあります。
このセクションでは、SESがグレーとされる背景と、そのリスクを回避するための方法を解説します。

偽装請負や多重派遣の問題  

SES業界でよく挙げられる問題が、偽装請負や多重派遣です。
これらは法律に違反する可能性があり、エンジニアにとってもリスクとなります。

・偽装請負:実際には指揮命令を受けているにも関わらず、請負契約として装う行為  
・多重派遣:複数の企業を経由してエンジニアが派遣されるケース  
・適切な契約が行われていないと、労働者の権利が守られない可能性がある  

これらの問題を避けるには、契約書の内容をしっかり確認し、指揮命令系統が適切であることを確認することが重要です。

法律的なリスクと対応策  

SESには、契約内容が不明確な場合や、クライアント先での労働条件が適切でない場合に法律的なリスクが生じることがあります。

・契約時に責任範囲や指揮命令権について明確にしておく
・SES企業が労働基準法や派遣法を遵守しているか事前に確認する
・問題が発生した場合は、SES企業や労働基準監督署に相談する

法律を遵守する企業を選びましょう。

実態がグレーになりやすい要因 

SES業界がグレーと言われる背景には、業界の構造や運営方法に起因する課題があります。

・多重下請け構造により、エンジニアの労働環境が不透明になる
・SES企業間で情報共有が不十分で、管理体制が曖昧になる
・現場のエンジニアが孤立しやすく、問題が表面化しにくい

こうした課題に対処するためには、SES企業がエンジニアとのコミュニケーションを定期的に行い、現場の状況を把握することが求められます。

また、エンジニア自身も働く環境に積極的に関心を持ち、問題を早期に共有する姿勢が重要です。

エンジニアの市場価値が上がらない

SESエンジニアは、単調な作業や短期案件にアサインされることが多く、市場で求められるスキルが身につきにくい傾向があります。

また、技術の専門性を磨く機会が少ない現場では、キャリアの幅が狭まり、結果的に市場価値が上がらないまま停滞してしまう可能性があります。

ブラック企業が多い

SES業界には、労働環境や待遇に課題を抱える企業も少なからず存在します。
このため、「ブラック企業」のイメージを持たれることがあります。

・長時間労働や残業代未払いといった問題が発生する場合がある
・待機期間中の給与が支払われない、もしくは減額されるケースがある
・経営者の意識が低い企業が一部存在し、社員への配慮が不足

こうした問題を避けるためには、企業の口コミや評判をしっかり調べることが重要です。
また、面接時に契約条件や労働環境について具体的に質問し、不安点を解消してから入社を決めるべきです。

なぜSESはなくならない?企業側のメリットを解説  

SESは、課題を抱える側面もありますが、企業に多大なメリットを提供しています。
そのため、SESの需要は現在も高く、今後もその存在意義を失うことはないと考えられます。

採用や教育コストが削減できる  

SESを利用することで、企業は採用や教育にかかる時間と費用を大幅に削減できます。

正社員の育成には多大なリソースが必要ですが、SESを活用することで、即戦力となる人材を短期間で確保可能です。
これにより、プロジェクトのスタートが迅速化し、運用の効率が向上します。

正社員は容易に解雇できない

日本の法律では正社員の解雇が厳しく制限されているため、企業にとって正社員の人件費は大きな負担となります。
一方、SES契約ではプロジェクトごとに人員を配置し、期間が終了すれば解約が可能です。

この柔軟性が、多くの企業にとってSESを選択する重要な理由の一つです。

エンジニア不足で頼らざるを得ない 

IT分野全体でエンジニア不足が深刻化する中、SESはプロジェクトを支える重要なリソースとなっています。

短期間で必要なスキルを持つ人材を確保する手段として、SESは欠かせない存在です。
この背景が、企業がSESに依存する理由となっています。

人員の入れ替えがしやすい

SESは、プロジェクトの進捗や内容に応じて柔軟に人員を調整できる仕組みです。
これにより、企業は必要なタイミングで適切なスキルを持つエンジニアを確保し、効率的なプロジェクト運営を実現できます。

この柔軟な特性は、SESの大きな魅力といえます。

定期的な売上が見込める

SES企業にとって、エンジニアを派遣することで得られる報酬は安定した収益源となります。
一方、クライアント企業側でも、SES契約によりプロジェクト単位でコスト管理が可能となり、予算計画が立てやすいという利点があります。

こうした相互の利益がSESの需要を支えています。

参入障壁が低い

SES業界は、初期投資が少なくても事業を開始できるため、比較的参入しやすい市場です。

その結果、多くの企業がSES事業に参加しています。
ただし、新規参入が容易な分、企業間の競争が激しくなり、サービスの質に差が出ることもあります。
信頼性の高い企業を選ぶことが重要です。

リモートワークの普及

近年、リモートワークの普及がSES契約にも変化をもたらしています。

エンジニアがリモートで働くことで、物理的な制約が減少し、企業は全国から優れた人材を確保できるようになりました。
この柔軟な働き方がSESのさらなる普及を後押ししています。

優良企業が増えてきている

SES業界はかつて劣悪な労働環境が問題視されていましたが、最近ではホワイトSES企業の台頭が進んでいます。

こうした企業は、労働条件の改善やスキルアップ支援を積極的に行い、エンジニアが安心して働ける環境を提供しています。
この変化により、SESの働き方も見直されつつあります。

エンジニアのキャリアにおけるSESの将来性  

エンジニアとして、SESとしてキャリアを形成していくうえで、

SES業界の将来性って大丈夫なのかな?

と気になる方も少なくないと思います。

結論から言えば、SESの将来性は非常に明るいと考えられています

その要因は大きく分けて2つ挙げられます。

デジタル化(DX)の加速
IT業界の人材不足

以下の記事では、SESの将来性に関して詳しく解説しているので、「SESでキャリアを歩んでいこうと考えている方」や「SESの将来性に不安が有る方」はぜひ一緒に読んでみてください。

【体験談】SESで働くエンジニアの声  

SESで働くエンジニアたちは、多様な経験を通じてスキルを磨き、キャリアアップを実現しています。
一方で、ブラック企業の問題や、成功するための工夫も体験談から学ぶことができます。

ここでは、実際の体験を基に、SESの現場でのリアルな声を紹介します。

様々なプロジェクトで得たスキル  

「SESとして3年働いていますが、これまでに金融、物流、医療といった異なる業界のプロジェクトに参加しました。その中で、JavaやPythonを活用したシステム開発を経験し、業界特有の業務知識も学べました。一つの現場に留まらないことで、多角的なスキルが身につき、エンジニアとしての幅が広がったと感じています。」

ブラック企業の実態と回避方法  

「SESとして最初に就職した企業は、待機期間中の給与が減額され、契約内容も曖昧でした。劣悪な環境に悩み、転職を決意。その際、転職サイトでホワイトSES企業の情報を集め、面接時には給与体制や労働条件を詳細に確認しました。結果、現在は待機期間中も安定した収入が得られる企業で働いています。」

ブラック企業を避けるためには、事前の情報収集が鍵です。口コミや評判を確認し、面接時に契約条件をしっかり確認しましょう。

実際にSESを通じて成功した事例  

「SESとしてクラウドインフラ構築の現場に配属され、AWSのスキルを集中的に学びました。その成果が評価され、クライアント先から正社員のオファーを受け、現在はリードエンジニアとしてプロジェクト全体を管理しています。SESでの経験が、キャリアアップのきっかけとなりました。」

特定の分野で専門性を高め、信頼を築くことでキャリアアップの道が開けます。

まとめ:SESは今後も需要が増えていくためなくならない

SESは、エンジニア不足の解消やDX推進といった企業のニーズに応える形で、今後も需要が増えていくことが予想されます。
また、ホワイトSES企業の増加やリモートワークの普及により、働きやすい環境が整いつつあります。

SESで得られる経験は、エンジニアとしての成長や次のキャリアステップに繋がる可能性が十分にあります。

SESでのキャリアに迷ったり、次のステップに進むためのアドバイスが欲しい方は、ぜひ「活学キャリア」をご利用ください。
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