SESの契約期間に関する疑問を徹底解消！契約時の注意点についても解説

こんな疑問や不安を感じたことはありませんか？

SES契約の特徴の一つである契約期間について、正確な知識を持つことはとても重要です。

本記事では、SES契約の基礎知識や注意点、メリット・デメリットを徹底解説します。
また、契約期間中に注意すべき点やトラブル事例もご紹介します。

SESからの転職を検討されている方は以下の記事も合わせてお読みください。

SES契約の前に知っておきたい3年ルールと5年ルールについて

「3年ルール」と「5年ルール」は、派遣契約において適用されるルールです。

SES契約そのものには直接適用されませんが、混同しやすいため注意が必要です。

3年ルールは同一部署への派遣を最大3年に制限する制度

労働者派遣法に基づく「3年ルール」は、派遣社員が同一の部署で働ける期間を最長3年に制限する制度です。

このルールの目的は、派遣社員が企業に長期間固定化されるのを防ぎ、正社員の雇用機会を確保することです。

同一部署で3年以上派遣社員を受け入れる場合、派遣元は労働者を正社員として雇用するか、部署を異動させる必要があります。

ただし、このルールはあくまで「派遣契約」に適用されるものであり、SES契約には直接関係ありません。

5年ルールは派遣元との契約が5年超で無期転換を申し込める制度

「5年ルール」とは、改正労働契約法に基づき、同じ派遣元での有期雇用契約が通算5年を超えた場合に、労働者が無期雇用契約への転換を申し込む権利を得られる制度です。

この制度は、労働者が安定した雇用を得られるようにすることを目的としています。

しかし、このルールも3年ルールと同様に「派遣契約」に適用されるものであり、SES契約には適用されません。

SES契約期間にまつわる基礎知識

ここでは、SES契約における報酬の決定方法や契約の性質について解説します。

SESの契約における報酬の決定方法

一般的に稼働時間や単価に基づいて決定されます。

具体的には、1時間あたり、あるいは1日あたりの単価を基準とし、実際に稼働した時間に応じて報酬が支払われる「タイムチャージ制」が主流です。

また、契約時に定めた月額固定報酬制を採用するケースもあります。

報酬はエンジニアのスキルや経験、担当プロジェクトの内容が大きく影響します。

そのため、SES契約を結ぶ際には、自分のスキルを把握したうえで、納得のいく報酬条件を交渉することが重要です。

SESの契約は短期契約を前提とした準委任契約

SES契約の多くは準委任契約に基づいています。

この契約形態では、特定の成果物を納品する義務があるわけではなく、エンジニアが業務を遂行するプロセスに対して報酬が支払われます。

したがって、プロジェクトごとの短期契約が一般的であり、契約期間は数か月から1年程度で設定されることが多いです。

また、準委任契約では、SES企業とエンジニアが直接的な雇用関係にあるため、クライアント企業の指揮命令を受けることは契約上禁止されています。

SESの契約に3年ルールや5年ルールは適用されない

前述の3年ルールや5年ルールは、労働者派遣契約に適用される制度であり、SES契約には適用されません。

SES契約は基本的に準委任契約として締結されるため、これらのルールに縛られることなく契約期間を自由に設定することが可能です。

ただし、クライアントやプロジェクトの都合によって契約期間が短縮されるケースもあるため、注意が必要です。

以上のように、SES契約には独自のルールが存在するため、それらを理解した上でキャリアプランを設計していきましょう。

SES契約とその他の契約形態との違い

SES契約と派遣契約、委任契約、請負契約との違いについて簡単に解説します。

より詳しく違いを知りたい方は以下の記事もチェックしてみてください。

派遣契約との違い

SES契約と派遣契約の違いは、指揮命令系統と雇用形態です。

派遣契約の場合、派遣先企業が労働者に直接指揮命令を出します。

派遣社員は派遣元企業に雇用されつつ、派遣先企業で業務を遂行する形態です。

また、派遣契約には派遣法が適用され、派遣期間や条件が法律で厳しく規定されています。

委任契約との違い

SES契約と委任契約の違いは、契約の目的や成果物の有無です。

委任契約は、特定の業務を遂行することを目的とする契約形態であり、業務の遂行そのものが契約の対象となります。

成果物の完成は求められず、契約者が業務を遂行したかどうかが重視されます。

請負契約との違い

SES契約と請負契約の違いは、成果物の有無と責任の範囲にあります。

請負契約では、特定の成果物を完成させることが契約の目的です。

例えば、システム開発の請負契約では、完成したシステムを納品することが求められ、請負業者は成果物の品質や納期に対して責任を負います。

また、請負契約の場合、作業方法や業務遂行の具体的な指示は原則として請負業者に委ねられます。

SES契約のメリット6選

ネガティブな情報も多いSESですが、メリットもたくさんあります。

ここでは6つのメリットについて解説しますが、その他のメリットについて知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

幅広い経験を積める

SES契約の場合、さまざまな業界やプロジェクトを経験できるため、幅広い経験を積めます。

異なるシステムや開発環境に触れることになるため、対応力や問題解決能力が養われます。

就業先を柔軟に変えられる

プロジェクトごとに就業先が変わることが一般的であり、1つの会社やプロジェクトに縛られることなく働けます。

仕事の幅を広げたい人や特定の業界に偏りたくない人にとってはメリットです。

案件によっては高収入が期待できる

高いスキルを持っていれば、高単価の案件に携われる可能性もあります。

特に、クラウド技術やAI関連の専門知識を持つエンジニアは市場価値が高いため、高収入が期待できます。

人脈が広がる

複数の企業やプロジェクトに携わるため、新たな出会いが多いです。

これにより、業界内の人脈を築きやすくなります。

プライベートの時間を確保しやすい

案件ごとに就業時間や勤務条件が異なりますが、場合によっては残業が少ないプロジェクトに配属されることもあります。

柔軟な働き方により、プライベートの時間を確保しやすく、趣味や家族との時間を大切にできる点はメリットです。

IT業界未経験でも挑戦しやすい

SES企業の中には、未経験者を積極的に採用し、キャリアアップの機会を提供している企業もあります。

そのため、IT業界未経験者でも比較的挑戦しやすいです。

SES契約のデメリット5選

多くのメリットがある一方、デメリットもあります。
ここでは5つのデメリットについて解説します。

あわせて以下の記事も参考にしてください。

基本的に契約期間が短い

プロジェクト単位での契約が基本となっており、契約期間が短いことが多いです。

一般的には数か月から1年程度の契約となっており、プロジェクト終了後に次の案件がすぐに見つからない場合、収入が途切れるリスクがあります。

スキルに合わない現場に配属される可能性がある

自分のスキルや希望に完全にマッチしない案件に配属される場合があります。

自分の得意分野とは異なる業務や、未経験の技術を求められる現場で働くことも少なくありません。

教育環境が整っていない場合がある

教育や研修が十分に整っていない企業もあります。

充実した研修制度のある企業で働きたい場合は、事前によくリサーチをしておきましょう。

正社員のような福利厚生は期待できない

正社員に比べて福利厚生が限定的である場合が多いです。

例えば、有給休暇や健康保険、退職金制度が十分に整備されていない企業もあります。

裁量範囲が限定される

プロジェクトごとに役割やタスクが明確に決められているため、裁量範囲が限定されることがあります。

自分の意見や提案が受け入れられにくい場面もあり、やりがいを感じにくい場合があります。

SES契約以外で3年以上同一企業で働けるおすすめの職種

長期的に同一企業で働きたい場合におすすめの職種を3つ紹介します。

SIer

SIer（システムインテグレーター）は、クライアントの要望に応じてシステムの設計・開発・運用を行う職種です。

SIerは、主に自社内でチームを組み、プロジェクトを進めます。

SESとは異なり、クライアント先に常駐することは少なく、長期間にわたり同一企業で働くことが一般的です。

また、要件定義や設計などの上流工程に携わる機会が多く、マネジメントスキルや顧客との折衝能力も高められます。

以下の記事でも詳しく解説しています。

自社開発

自社サービスの開発・運用に携わるエンジニアです。

企画段階からリリース、運用・保守まで一貫して携わることができ、職場にマッチしていれば3年以上就業できます。
SESに比べると、入社ハードルが高い傾向にありますが、市場価値は高くなる傾向です。

SESよりも、改善や新機能の提案などに主体的に取り組むことが求められます。

社内SE

社内SEは、自社のシステム構築・運用・保守を担当する仕事です。

具体的には、社内ネットワークの管理、業務システムの導入・カスタマイズ、社員からのITサポートなど、多岐にわたる業務を行います。

社内SEとして働くことで、企業の業務フローやニーズを深く理解し、ITを活用した業務効率化や問題解決に貢献できます。

この職種も、長期間にわたり同一企業で勤務することが一般的です。

SES契約期間内に切られるパターン3選と対策

契約期間内は基本的に切られることはありませんが、ここで紹介する次の3つに当てはまる場合は切られる可能性があります。

1. スキルが不足している
2. コミュニケーションに難がある
3. 業績悪化や経営方針の転換による予算縮小

以下で詳しく解説します。

スキルが不足している

クライアントの求める技術や知識に対応できない場合、プロジェクトの進行に支障をきたしてしまい、切られる可能性があります。

対策としては、契約時点でご自身のスキルレベルを正しく伝えることです。

また、常に最新の技術動向を追い、必要なスキルを継続的に習得しておくことです。

コミュニケーションに難がある

技術力が高くても、コミュニケーションに問題があると、業務に支障をきたすような場合は切られることがあります。

例えば、報告・連絡・相談が適切に行われない、意見の食い違いを解決できないなどのパターンです。

無駄に仲良くする必要はありませんが、業務を円滑に進められるよう、日頃から常駐先のメンバーと積極的にコミュニケーションをとっておきましょう。

業績悪化や経営方針の転換による予算縮小

クライアント企業の業績悪化や経営方針の変更により、プロジェクト予算が縮小され、契約が途中で終了するケースもあります。

このような外的要因は、エンジニア個人の努力では避けられない部分もありますが、リスクを最小限に抑えるためには日頃の準備が大切です。

具体的には、所属するSES企業に状況を共有し、新しい案件へのアサインを相談したり、幅広い案件に対応できるようスキルアップしておくことです。

SES契約におけるトラブル事例3選

SES契約で生じるトラブル事例を3つ紹介しますので、ぜひ未然にトラブルを防ぐための参考にしてください。

契約内容の曖昧さによるトラブル

業務範囲や責任の所在が明確に定義されていない場合、クライアントとの間で認識のズレが生じ、トラブルに発展する事例があります。

例えば、エンジニアが想定外の業務を要求されたり、責任の範囲を超える対応を求められるケースです。

これを防ぐためには、契約書を確認し、不明瞭な点は契約前に明確化しておくことが大切です。

また、業務内容が変更された場合は必ず書面で確認を取りつつ、自社の営業担当者にも相談してください。

契約終了後の対応不足による収入断絶

SES契約はプロジェクトごとに期間が定められており、契約終了後の対応が不十分だと収入が途絶えるリスクがあります。

このリスクを回避するためには、契約終了の数ヶ月前から次の案件を探し始めるのがおすすめです。

所属する会社からも時期を見て連絡が来るかと思いますが、自分でもしっかりとリスク管理をしておきましょう。

報酬の未払い・遅延トラブル

報酬が契約書に明記されていても、クライアントや所属企業の事情により支払いが遅延したり、最悪の場合未払いとなることがあります。

このようなトラブルを防ぐには、信頼できるSES企業を選ぶことです。

以下の記事で、SES優良企業ランキングを紹介しています。

ぜひ参考にしてください。

SES契約を結ぶ際の4つの注意点

SES契約を結ぶ際に気をつけたい、4つの注意点について解説します。

契約内容と責任範囲を明確にする

業務内容や責任範囲が明確に記載されているかを確認してください。

曖昧な表現があると、後々トラブルの原因になる可能性があります。

例えば「その他関連業務」といった表現がある場合は、具体的にどのような業務なのかを確認し、必要に応じて契約書に記載してもらうようにしてください。

契約期間と更新条件を確認する

契約期間はプロジェクトの進行に応じて定められるため、契約書には契約期間や更新条件を明記する必要があります。

契約終了後の更新条件が明確でない場合、今後の計画が立てづらくなるだけでなく、突然の契約終了に対応できなくなる可能性もあります。

安定的に就業するためにも、条件をしっかり確認しておきましょう。

報酬体系と支払い条件を把握する

報酬体系が不明瞭な場合、想定していた金額を受け取れない可能性があります。

契約書に報酬額や支払い期日、支払い方法が明記されているかを確認しましょう。

あわせて、業績による報酬変動があることなどもきちんと記載がされているかを確認してください。

偽装請負について理解しておく

SES契約では、偽装請負のリスクにも注意が必要です。

偽装請負とは、業務委託として契約しているにもかかわらず、実際には指揮命令系統がクライアント企業に属している状態を指します。

これは法律違反に該当し、発覚するとエンジニア自身にも影響を及ぼす可能性があります。

以下の記事でより詳しく解説していますので、あわせてお読みください。

SES契約においてよくある質問

SES契約をされている方からよく寄せられる、3つの質問を紹介します。

SES契約期間内でも解約は可能か？

契約期間中であっても、双方の合意があれば解約は可能です。

解約の申し出は原則1ヶ月前までに行ってください。

ただし、契約条件によってはトラブルに発展する可能性もありますので、基本的に契約期間中の解約はしないようにしましょう。

SES契約において再委託してもらうことは可能か？

再委託が可能か否かは契約内容次第ではあるものの、原則禁止です。

請負契約であれば、再委託は原則問題ありません。

理由としては、請負契約の場合、ITベンダーなどの受託者は業務の結果に対して責任を負うのに対し、SES契約（準委任契約）では業務の結果に責任を負わないためです。

いずれにしても法的な決まりがあるわけではないため、契約内容次第といえます。

SES契約の契約期間の平均は？

プロジェクトの内容や規模、クライアントの要件によってさまざまです。

一般的には、3ヶ月から6ヶ月程度の契約期間が多いです。

ただし、プロジェクトの進捗状況や要件の変動に応じて、契約期間が延長されることも珍しくありません。

SESから転職する際におすすめの転職エージェント

転職を検討されている方におすすめの転職エージェントを3社紹介します。

他におすすめの転職エージェントを知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

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まとめ

SESは、IT業界未経験でも挑戦できるという大きなメリットがある一方、契約面や収入面においては、不安な点も挙げられます。

契約前には契約内容をしっかりと確認し、トラブルを未然に防ぐ姿勢が大切です。

SESからの転職を考える際には、信頼できるエージェントを活用しましょう。

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