「クラウドエンジニアはやめとけといわれる理由はなんだろう?」
「クラウドエンジニアに興味があるけどどんな人が向いているの?」
「未経験からでもクラウドエンジニアは始められる?」
クラウドエンジニアに興味があり、このような疑問や悩みを抱えている方も多いでしょう。
この記事では、クラウドエンジニアはやめとけといわれる理由と適性、未経験からの始め方を紹介します。
そもそもクラウドエンジニアとは?という方は以下の記事でわかりやすく解説しているので参考にしてください。
クラウドエンジニアはやめとけといわれる8つの理由
「クラウドエンジニアはやめとけ」といわれる理由を8つ紹介します。
理由をひとつずつ解説します。
1.責任が重い
クラウドエンジニアは、ITインフラを支えなければならないため、責任が重い職種です。
クラウドエンジニアの主な仕事は、クラウドサービスを利用したインフラの構築やその運用・保守です。
クラウドサービス上に、サーバーやネットワークを構築することが多く、クラウドエンジニアはそれらが安定的に動くための管理をしなければなりません。
例えば、障害などでサーバーやネットワークが停止すると、以下のような企業損失が発生します。
- サーバーが障害で停止し、ショッピングサイトが利用できず売上が発生しない
- 社内ネットワークが障害で接続できなくなり、重要なデータが取り出せず取引不成立となる
サーバーやネットワークは企業活動において重要な役割を担っているため、復旧が長引けば企業へ大きな影響を与えます。
そのため、管理するクラウドエンジニアの責任は大きく、重いといえるでしょう。
2.緊急の障害対応が大変
クラウドエンジニアは、緊急の障害やトラブルに対応しなければなりません。
予期せぬエラーが発生した場合、クラウドエンジニアとして早期に解決しなければ企業活動に影響を与えてしまいます。
夜間や休日でも、障害解決のために駆け付けなくてはならないため、突発的な障害対応がストレスに感じる方もいます。
3.コミュニケーション能力やビジネススキルが求められる
クラウドエンジニアは、企業の要望をクラウドサービス上で実現するため、担当者から要件を聞き出す必要があります。
ヒアリング内容からクラウドサービスの提案を行う際、ITスキルが高くない相手に対しても専門用語を使わずに説明するビジネススキルが求められます。
また、ITエンジニアは技術職のイメージが強くありますが、調整事項などで多くの部署との関わりが発生するため、コミュニケーションスキルを求められることが多いです。
4.必要なスキルが幅広い
クラウドエンジニアは、幅広いスキルが必要です。
なぜなら、クラウドサービス上のサーバーやネットワーク、データベースといったインフラをクラウドエンジニアが担当しなければいけないからです。
従来のインフラ系エンジニアのスキルに加えて、最新のクラウド知識が必要です。
5.資格の取得が難しい
クラウドサービス資格の取得難易度は高い傾向にあります。クラウド資格の中でも主な3つを紹介します。
- AWS認定(amazon社)
- Google Cloud認定(Google社)
- Azure認定(Microsoft社)
各資格はレベルや分野によって細分化されているため、ひとつ取得したら終わりではありません。
資格によっては、有効期限が定められているため、再受検や更新が必要です。そのためにも継続的な学習が必要です。
そんな難易度の高いクラウドエンジニアの資格でも、取得できるとかなり市場価値が上がります。
クラウドエンジニアにおすすめの資格は以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
6.長期案件がある
クラウドエンジニアを含むITエンジニア全般にいえますが、システムの構築や移行などの案件は、検討から始まって完了までに年単位の案件が多くあります。
そのため、メンバー間で意見の対立や相性により、まれに衝突が起こります。
自分が当事者でなくとも、チームの雰囲気が悪くなると、チーム内のモチベーション低下や些細なミスにもつながってしまいます。
職場環境が悪いと、出社する気が失せてしまうこともあるでしょう。
7.最新情報の勉強が必要
クラウドサービスは日常的にアップデートされるため、クラウドエンジニアとして最新情報を把握しておく必要があります。
最新情報は以下から収集することをおすすめします。
- クラウドサービスの公式文書
- ITニュースサイト
- ITエンジニア向けブログ
最新情報を活用し、コスト削減やセキュリティ見直しなどを行える市場価値の高いクラウドエンジニアになりましょう。
8.休日出勤がある
クラウドエンジニアのようなITインフラを支えるITエンジニアは、休日出勤が多くあります。
その理由を2つ紹介します。
・メンテナンス作業
エンドユーザーがシステムを使用している時間はメンテナンス作業ができないため、夜間や休日に作業を実施します。
ここでは「クラウドエンジニアはやめとけ」といわれる具体的な体験談を5つ紹介します。
1.需要拡大で忙しい
経済産業省によるDX推進やIoTの台頭でITシステムの需要はさらに高まっています。
加えて、クラウドサービスは物理的なIT機器が不要になるためコストを抑えられ、手軽に始められるため、近年導入する企業が多いです。
そのため、クラウドエンジニアの需要がさらに高まり、忙しい日々を送っています。
平日は遅くまで働き、休日もうまく休めないという声もあります。
2.プログラミング技術だけでは難しい
クラウドエンジニアは、クラウドサービスを活用しながらITインフラの構築や運用・保守を行います。
構築時や運用・保守時にプログラムを組むことはありますが、プログラミング技術以上にITインフラ知識やコミュニケーションスキルを求められるという声が多いです。
3.必要なスキルのレベルが高い
クラウドエンジニアは、ITインフラのクラウド化を検討する知識が必要であるため、サーバーやネットワークなどの特定分野に深い知識が必要になります。
未経験から目指すよりも、サーバーエンジニアやネットワークエンジニアで経験を積んだのちに、クラウドエンジニアへ移行する人が多いです。
また、クラウドエンジニアは、幅広い知識を一度身につければ十分という職種ではありません。クラウドサービスは日々進化しているため、業務中以外にも最新技術に目を光らせ、習得に励んでいます。
4.フルスタックを求められる
クラウドエンジニアはフルスタックを求められる、という声を多く聞きます。
フルスタックエンジニアとは、システム開発ですべての分野をひとりで担当できるエンジニアのことを指します。マルチエンジニアと呼ばれることもあります。
クラウドエンジニアは、クラウドサービス上で稼働するコンポーネント(部位)すべてが担当範囲であるため、担当範囲が広く、フルスタックを求められることがあります。
5.シフト管理が大変
担当するシステムによっては、24時間365日監視を行う必要があります。そのためクラウドエンジニア内でチームを組み、シフト管理で監視を行います。
そのため、休暇はチーム内でやりくりが必要です。
年末年始や大型連休の時には休暇希望が被ってしまい、シフトを組むのが大変という声も多いです。
クラウドエンジニアはやめとけ?実はメリットが大きい理由
クラウドエンジニアについて、ネガティブな情報が続きましたが、では他のITエンジニア職を目指すべきでしょうか。
実は、クラウドエンジニアは他のITエンジニアよりも得られるメリットが大きいといわれています。
ここでは、クラウドエンジニアのメリットを4つ紹介します。
クラウドエンジニアは将来性がある
現在、クラウドエンジニアの需要は高く、今後も増加していくことが予想されます。
企業としても、クラウド化はさまざまなメリットがあり、実機があるオンプレミス環境からクラウド環境への移行に積極的です。
エンジニア全般のITスキルが身に付く
クラウドエンジニアは、サーバーやネットワークなどの設計や構築をはじめ、アプリケーションについての知識も必要です。
前述したとおり、フルスタックを求められることもあるため、エンジニア全般のITスキルが身につけられやすいでしょう。
IT全般の知識を有している、経験のあるITエンジニアであれば、関連するITエンジニア職への転職も可能になります。
クラウドエンジニアは年収が高い
クラウドエンジニアは、他のITエンジニアと比較すると年収が高い傾向にあります。
厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると、平均年収は733.6万円でした。
マイナビAGENTによるとIT・インターネット・通信の平均年収は427万円であるため、200万円多くなります。
クラウドエンジニアは在宅などで柔軟に働けることが多い
ITインフラ系を担当するクラウドエンジニアですが、他のITインフラ系エンジニアよりも在宅などで柔軟な働き方が可能です。
クラウドサービスは、インターネットの画面上で設定作業や運用・保守が可能であるため、出社せずに在宅でも業務を行うことができます。
クラウドエンジニアに向いている人の5つの特徴
職業を選択する際には、少なからず仕事の特性がその人に適しているか気になります。
では、どのような人がクラウドエンジニアに向いているのでしょうか。
ここでは、クラウドエンジニアに向いている人の5つの特徴を紹介します。
1.地道な作業が得意な人
クラウドエンジニアは、多くのことを考慮しながら設計、構築、リリースを行うため、細かく地道な作業が得意な人が向いているといえます。
クラウドサービスと聞くと、IT最先端の技術で華やかなイメージを持たれる方も多いです。
実際、クラウドエンジニアは構築のために、細かい値まで緻密に計算しながら各サービスの設計をします。
何度も設計内容を見直した後に、設定内容に間違いがないように複数人で何度もテストを行う必要があります。
短絡的で地道な作業が不得意な人には向かない職種でしょう。
2.自発的に解決する能力がある人
クラウドエンジニアに向いている人の2つ目の特徴は、自発的に問題を解決する能力がある人です。
クラウドサービスを設計中に課題が発生した場合、自分で調べたり試行錯誤する必要があります。
クラウドエンジニアに関わらず、物事を他人任せにしないで、自分で調べる行動力と解決まで粘り強く考える力があるITエンジニアは重宝されます。
3.仕事の環境に適応できる人
クラウドエンジニアは技術職ですが、想像よりも多くの人とコミュニケーションを取ります。そのため、社内の環境に適応できるスキルが重要です。
案件は期限が区切られているため、新しい案件が立ち上がればクラウド化したい別の部署の人たちと仕事をすることになります。
クラウドエンジニアは、環境に馴染むことが案件を円滑に推進する鍵といえます。
4.ITトレンドのチェックが好きな人
ITトレンドのチェックが好きな人も、クラウドエンジニアに向いている人の特徴のひとつです。
クラウドサービスは日常的にアップデートされるため、クラウドエンジニアとして最新情報を把握しておく必要があります。
最新情報を把握するだけでなく、クラウドサービスのセキュリティを高めたり、コスト削減に貢献できるクラウドエンジニアは重宝されます。
5.チームワークが得意な人
クラウドエンジニアは企業の要望をくみ取り、クラウドサービス上で実現させる仕事です。そのため、多くの人とコミュニケーションを取る必要があります。
チームワークが元々得意な人は、案件に参画した際にコミュニケーションスキルを発揮することで、円滑に案件を推進できるでしょう。
クラウドエンジニアに向いていない人の4つの特徴
クラウドエンジニアに向いてる人の特徴を紹介しました。
では、どのような人が向いていないのでしょうか。
以下が当てはまる人は、業務にあたり改善を心がけましょう。
1.プログラミングだけを追求したい人
クラウドエンジニアは、ITインフラを設定する上でプログラミングを行いますが、高度なプログラミング技術は要求されません。
プログラミング技術は、スキルとして保有していると円滑に業務を進められます。
しかし、独自のプログラムを実装したい人やプログラミング技術を向上させたい人には向いていないといえるでしょう。
2.急なトラブル対応に抵抗がある人
クラウドエンジニアは、クラウドサービス上で障害が発生した際には、緊急対応を行う必要があります。そのため、急なトラブル対応に抵抗がある人には向かない職種です。
特に、休日出勤や夜間対応に抵抗がある人は難しいでしょう。
3.チームワークが苦手な人
クラウドエンジニアは、チームで仕事をする機会が多いため、チームワークが苦手な人は向かないといえます。
チーム内でコミュニケーションを図り、協力しながら同じ目標に向かいます。
なにか問題が起きたときに他責傾向がある人も向かないでしょう。
4.細かい作業や地道な作業が苦手な人
クラウドエンジニアは、短絡的で地道な作業が苦手な人には向かないでしょう。
なぜなら、細かい作業を繰り返しながら何度も再考してクラウドサービス上にサーバーやネットワークを展開させるからです。
クラウドエンジニアは、構築後の運用・保守でも、改善できる点はないかを考える必要があるため、地道な作業が得意な人に向いているといえます。
クラウドエンジニアを未経験から目指す4つの方法
クラウドエンジニアの需要が高い一方、クラウドエンジニアは不足しがちです。
そのため、クラウドエンジニアの求人には「未経験可」の案件があります。
ここではクラウドエンジニアを未経験から目指す4つの方法を紹介します。
1.クラウドサービストレーニングを利用する
クラウドエンジニアを目指すのであれば、クラウドサービス公式のトレーニングは必須といえます。公式のクラウドサービストレーニングであれば、常に最新の情報が掲載されているので参考にするとよいでしょう。
クラウドサービスでシェアの高いものを3つ紹介します。
業務のイメージがつきやすくなるので、少しずつ勉強しましょう。
2.実際に手を動かしてみる
書籍やインターネットでクラウドサービスの知識を身に着けることも大事ですが、より理解を深めるために実際に手を動かしてみましょう。
クラウドサービスは安価で手軽に始められるため、実際にサーバー構築などに挑戦することをおすすめします。
3.独学に困ったらスクールを利用する
未経験でクラウドエンジニアを目指す場合、勉強する範囲が広すぎて独学では達成できない可能性があります。
ラストデータ社会人大学では、世界共通基準であるネットワーク資格「CCNA」を取得できるカリキュラムを提供しています。他のスクールでは30万円近くする講座が、ラストデータ社会人大学では条件を満たすと無料で受講できます。
ネットワーク資格「CCNA」の勉強を通してネットワーク知識を習得しましょう。
4.転職エージェントに登録する
未経験者からクラウドエンジニアへの就職・転職を目指す場合、転職エージェントに登録することをおすすめします。
転職エージェントでは、専門スタッフによるサポートが得られます。
転職エージェントによってサポート内容が異なるので、自分に合った転職エージェントに登録しましょう。
ここでは2社を紹介します。
ITエンジニアに特化した転職エージェントサービスです。専門スタッフの多くがIT・エンジニア業界に精通し、企業別面接対策も行っています。
ITエンジニアであれば、登録して損はない転職サイトです。大手企業〜スタートアップまで幅広い求人を網羅しています。
まとめ
クラウドエンジニアはやめとけといわれる理由や適性をご紹介しました。クラウドエンジニアは、実機を使用するオンプレミス環境からのクラウド移行により、高い需要があります。
クラウドエンジニアとして働くことは、エンジニア全般のITスキルが習得できるため、将来的にはさまざまなITエンジニア職のキャリアパスが望めるでしょう。
安定して高い年収を望めるため、未経験から始めたいと考えている方はできることから始めてみましょう。
クラウドエンジニアを目指したいと思った方は、以下の記事でロードマップなど詳しく解説しているので参考にしてください。