社内インフラ基盤に「クラウド」を導入する企業は年々増加しており、クラウドエンジニアの需要も高まっています。
そのため、未経験からクラウドエンジニアに転職するか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事ではそのような方へ向け、クラウドエンジニアに向いている人や未経験からクラウドエンジニアを目指すためのロードマップを紹介します。
必要なスキルや面接での具体的なアピールポイントなど、これからクラウドエンジニアを目指す方にとって、重要な情報が網羅されていますので、ぜひご一読ください。
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未経験からでもクラウドエンジニアになるのは可能?
クラウドエンジニアの求人では、条件に「実務経験者」があるのが大半で、未経験では難しいと諦めてしまう人が少なくありません。
しかし、結論として、未経験からでもクラウドエンジニアになるのは可能です。
IT業界は人材不足であり、経済産業省のデータによると2030年までに40万〜80万人ものIT人材が不足すると見込まれています。
そのため、IT人材の需要が高まっており、未経験からでも転職・就職するチャンスが増えているのです。
未経験からクラウドエンジニアを目指す場合、インフラエンジニアを経験しているか、IT業界未経験かで難易度が変わってくるため、以下の3つに分けて説明します。
- インフラエンジニアからクラウドエンジニアを目指す
- 20代でIT業界未経験からクラウドエンジニアを目指す
- 30代でIT業界未経験からクラウドエンジニアを目指す
それぞれ詳しく見ていきましょう。
参照:経済産業省「IT人材育成等の状況について」
インフラエンジニアからクラウドエンジニアを目指す
インフラエンジニアとは、企業のITインフラの構築・運用・管理を担当する職種です。
クラウドエンジニアの仕事は、このインフラエンジニアの延長でもあります。
クラウド関連のサーバーやネットワーク機器を扱うのが「クラウドエンジニア」なので、共通している部分も多い傾向です。
そのため、インフラエンジニアの経験があれば、クラウドエンジニアに求められる実践的なスキルや知識も備えているため、転職するハードルは低いといえます。
未経験からクラウドエンジニアを目指すのが不安な方は、まずインフラエンジニアを経験してから転職するのも選択肢の一つです。
インフラエンジニアの仕事は以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
20代でIT業界未経験からクラウドエンジニアを目指す
IT人材の不足や、クラウドの普及によりクラウドエンジニアの需要は高まっており、IT業界未経験でも20代であれば十分に転職・就職が可能です。
ただし、未経験だとIT関連の知識やスキルが乏しいので、仕事をするにあたっては覚えなければならないことが山ほどあります。
そのため、20代でIT業界未経験からクラウドエンジニアを目指すには、書籍やネット教材でプログラミングスキルや専門知識を学び、資格を取得するのがおすすめです。
意欲をもって継続的に学習しているとアピールできれば、面接での評価につながります。
30代でIT業界未経験からクラウドエンジニアを目指す
IT業界未経験であれば30代でクラウドエンジニアに転職するのは20代よりも難易度は高く、資格の取得や専門知識の学習など、よりいっそう努力しなくてはいけません。
また、クラウドエンジニアは多くのクライアントと関わりながら案件をこなしていくため、コミュニケーション能力やタスク管理能力などのビジネススキルも必要になります。
前職で培った経験やスキルをしっかりとアピールできると企業に評価してもらえるため、クラウドエンジニアの仕事に活かせる能力がないかを考えてみましょう。
クラウドエンジニアはやめとけと言われる理由
需要が高まっているクラウドエンジニアですが、「クラウドエンジニアになるのはやめとけ」のような意見もあります。主な理由は以下の3つです。
- 責任が重い
- 緊急の障害対応で夜勤や休日出勤がある
- 必要なスキルが幅広い
クラウドエンジニアはクラウドサービスを利用したITインフラが安定的に動くよう管理しなくてはならないため、責任が重い職種です。
クラウドサービス上のサーバーやネットワークなどのインフラを管理するには幅広いスキルや知識が必要になります。
サーバーやネットワークが停止すると、企業へ大きな影響を与えてしまうため、緊急の障害やトラブルが起きた際には、夜勤や休日出勤をして対応しなければなりません。
このようにクラウドエンジニアはやめとけと言われる理由がありますが、需要が高く将来性のある仕事です。ITインフラを支えられるやりがいのある仕事のため、デメリットも考慮したうえで転職を検討しましょう。
以下の記事で、クラウドエンジニアはやめとけと言われる理由を詳しく解説しているので参考にしてください。
クラウドエンジニアが担当する仕事内容
クラウドエンジニアが担当する仕事内容は、一般的に以下の4つです。
- 社内クラウド系インフラの設計・運用・保守作業
- 各種クラウドサービスのカスタマイズ・設定
- オンプレミスサーバーからクラウドサーバーへの移行
- 緊急トラブル時の復旧対応
主にクラウド系インフラシステムの総合的な管理業務となり、環境構築から保守、クラウドサーバーへの移行、復旧対応などを行います。
傾向としては、開発エンジニアやSEのような「クリエイティブな作業」ではなく、「維持管理」がメインです。
似たような職種にインフラエンジニアがありますが、クラウドエンジニアはクラウドに特化しています。
インフラエンジニアはインフラ環境全般を担当するのに対し、クラウドエンジニアはクラウド化やクラウド上のインフラ環境を担当しています。
クラウドエンジニアの仕事を詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
クラウドエンジニアの年収
2024年6月の求人ボックスでの統計データによると、クラウドエンジニアの平均年収は約447万円です。
地域別で比較すると、東京都のクラウドエンジニアの平均年収は546万円と日本の平均年収を大きく上回っています。
社会にとって重要なクラウドサービス上のインフラの管理を担っており、重い責任が伴うことが、クラウドエンジニアの年収が高い要因の一つです。
全体の給与幅は329万円〜966万円と幅広いため、年齢や経験、スキルによって年収に大きな差があると見受けられます。
参照:求人ボックス給料ナビ「クラウドエンジニアの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」
クラウドエンジニアの需要と将来性
近年、クラウドの知名度と需要が高まっているため、クラウドエンジニアは将来性の高い職業とされています。
以下は総務省が2023年に集計した、「企業におけるクラウドサービスの利用状況」のグラフです。
引用:総務省「企業におけるクラウドサービスの利用状況」
グラフから、年々クラウドの普及が進んでいるとわかります。
クラウドを全社的に利用している企業が増加しており、反対にクラウドを知らない企業は年々減少している傾向です。
この傾向からクラウドエンジニアの需要はさらに増えていくと予想されるため、将来性は高いといえます。
クラウドエンジニアに向いている人は?
クラウドエンジニアに向いている人の特徴は以下の5つです。
- 地道な作業が得意な人
- コミュニケーションが好きな人
- 社内環境の変化に適応できる人
- トレンドを追うのが好きな人
- 自発的に問題を解決できる人
それぞれ詳しく説明しますので、あなたに当てはまるか確かめてみてください。
地道な作業が得意な人
クラウドエンジニアは地道な作業が苦にならない人に向いています。
クラウドの設計や構築は、ミスが無いよう細かく確認しながらの地道な作業が多いです。
設計内容を何度も見直しながら、エラーが起きないかテストを繰り返す必要があります。
そのため、地道な作業が得意な人に向いている職種です。
コミュニケーションが好きな人
一人で黙々と作業するイメージをもたれがちですが、コミュニケーションが好きな人はクラウドエンジニアに向いています。
なぜなら、クラウドエンジニアはクライアントや社内のメンバーと協力しながらプロジェクトを進めていくからです。
コミュニケーション能力が高い人は、クライアントとのやりとりを円滑に進められるため、活躍が期待できます。
社内環境の変化に適応できる人
クラウドエンジニアは社内の環境に適応できる人にも向いています。
プロジェクトごとにクライアントやチームのメンバーが変わるため、環境に順応できるスキルが必要です。
クラウドを構築する際には、クライアントの社内事情にも合わせる必要があります。
そのため、案件ごとの社内環境の変化に柔軟に対応できる人はクラウドエンジニアに向いています。
トレンドを追うのが好きな人
クラウドエンジニアは、日々変化するITのトレンドを追うのが好きな人に向いています。
クラウドサービスは時代とともにアップデートされていくため、最新情報を把握しなくてはいけません。
現状に満足せず、新しい知識を学ぶ向上心がクラウドエンジニアには必要です。
自発的に問題を解決できる人
クラウドエンジニアは自発的に問題を解決できる人に向いています。
クラウドの設計や構築中に課題が発生した際には、自分で考え試行錯誤する必要があります。
また、クラウドサービスのシステムに問題が発生した際には、早急に対応しなくてはいけません。
クラウドエンジニアには冷静に判断を下し、問題解決に向かう行動力が必要です。
未経験からクラウドエンジニアになるまでのロードマップ
未経験からクラウドエンジニアを目指す具体的なロードマップは以下の5ステップです。
- 目的やゴールを明確にする
- ネット教材や書籍で勉強し、スキルを身につける
- クラウド関連の資格を取得する
- 習得した知識をもとにポートフォリオを作成する
- 面接で数を打つ
それぞれ詳しく説明しますので、未経験からの転職を成功させるための参考にしてください。
1.目的やゴールを明確にする
まずは、クラウドエンジニアになる目的や、先々のゴールを定めましょう。
目的やゴールを決めると、やるべきことが明確になり、効率的に行動できます。
具体的には以下のような目的を定めるとよいでしょう。
- クラウドエンジニアになって年収500万円稼ぐ
- 付加価値をつけて、フリーランスとして独立する
- 海外移住のために、世界的に通用する資格と実務経験を積む
クラウドエンジニアになることがゴールではありません。「なってその後どうしたいか」まで言語化することが大切です。
2.ネット教材や書籍で勉強し、スキルを身につける
次にネット教材や書籍で独学して、知識とスキルを身につけましょう。「まず自分でわかろうとする」ことが大切です。
ただ書籍や教材を手にとっても、何を書いているかまったくわからず拒否反応を起こしてしまう方も少なくありません。
独学が難しい方は、「活学ITスクール」の受講をご検討ください。
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3.クラウド関連の資格を取得する
独学やスクールで知識を習得した後は、資格取得に挑戦しましょう。
資格を取得すると、未経験でもスキルと知識を証明できます。
資格によって企業からの評価も上がり、面接において有利になる可能性が高いです。
おすすめの資格については、記事後半で紹介しています。
4.習得した知識をもとにポートフォリオを制作する
独学で学習した内容と資格取得で得た知識をもとにスキルの証明としてポートフォリオを制作しましょう。
ポートフォリオを作って提出すると企業にどれだけ努力して、どのようなスキルをもっているのかをアピールできます。
企業に採用するメリットを伝えられるよう、できるだけオリジナリティのあるものを制作するよう心がけてください。
5.面接で数を打つ
資格とポートフォリオが用意できたら、積極的に企業に応募して面接に挑みましょう。
重要なのは「数を打つ」ことです。いくら資格やポートフォリオがあっても、未経験ゆえ不採用になるケースがあります。
それを覚悟のうえ、あまり高望みせず積極的にさまざまな企業へ応募することが大切です。
どのような企業を選べばよいか迷っている方は、転職エージェントの活用をおすすめします。
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クラウドエンジニアになるために必要なスキル
クラウドエンジニアには、主に以下の4つのスキルが必要です。
- クラウドに関する幅広い知識
- 各種クラウドサービスをひと通り扱えるスキル
- オンプレミスを含むサーバー・ネットワークの知識
- プログラミングの専門知識
それぞれ詳しく見ていきましょう。
クラウドに関する幅広い知識
クラウドエンジニアには設計や構築をするにあたって、クラウドに関する幅広い知識が必要です。
以下のようなクラウドに関する項目は、積極的にインプットしましょう。
- クラウドコンピューティングの基礎的な概念
- クラウドサーバーにおける主流のOSやその知識
- オンプレミスからクラウドへの移行の手順や注意点
- クラウドサーバーやネットワークにおけるセキュリティ対策
- その他、企業ごとに必要なクラウド知識
各種クラウドサービスをひと通り扱えるスキル
クラウドに関する知識の他にも、各種クラウドサービスを扱うスキルも必要です。
企業によってAWSやGoogle Cloud、Azureなど利用しているクラウドサービスは多岐にわたります。
案件によってクライアントが変わるため、さまざまなクラウドサービスを広く浅く扱えるほうが好ましいです。
あらゆる企業の環境に柔軟に対応できれば、付加価値の高いエンジニアになれます。
オンプレミスを含むサーバー・ネットワークの知識
サーバーやネットワークの知識も、クラウドエンジニアがもっておくべきスキルです。
クラウドエンジニアは、インフラエンジニアの延長のような職種であり、サーバーやネットワークの知識は欠かせません。
オンプレミスからクラウドへの移行の案件が多いため、従来の据え置きの「オンプレミス型サーバー」の知識も必要になります。
クラウドだけでなく、幅広いインフラ知識を身につける姿勢が大切です。
プログラミングの専門知識
クラウドエンジニアの必要スキルとして、プログラミングの知識も挙げられます。
SEや開発エンジニアと比較すると、クラウドエンジニアがコードを書く機会は少ないです。
しかし、プログラミングができると、以下のようなメリットがあります。
- 業務効率化を図れる
- 付加価値になる
たとえば、プログラミングによって、ログの集計のような単純作業を自動化できます。
また、各種クラウドサービスの仮想化やコンテナ化にも、一定のプログラミングスキルが必要です。
幅広い言語を使えれば、自分自身の付加価値にもなります。
クラウドエンジニア面接でアピールすべきポイント
クラウドエンジニアになるために、面接でアピールしたい以下の3つのポイントを紹介します。
- 成果物や資格で培った知識やスキル
- 円滑なコミュニケーション能力
- 自ら率先して学ぶ自走力
成果物や資格で培った知識やスキル
ポートフォリオの作成や資格の取得によって得た知識・スキルをアピールしましょう。
クラウドエンジニアには実力が求められ、多くの企業が実務経験者を募集しています。
そのため、未経験者の場合は努力して得た知識やスキルなどの実力を、自信をもってアピールする必要があります。
円滑なコミュニケーション能力
クラウドエンジニアは基本的にチームで仕事をするため、コミュニケーション能力もアピールすべきポイントとなります。
社内のエンジニアやクライアントとのコミュニケーションは案件をスムーズに進めるために重要です。
面接官と円滑にコミュニケーションがとれれば、採用率アップにもつながります。
自ら率先して学ぶ自走力
自分から学ぶ「自走力」も、ぜひ面接でアピールしたいポイントです。
エンジニアは日々、あらゆるタスクに追われていて、急なトラブルにも対応しなくてはいけません。
そのため、自発的に学んで行動する必要があります。
わからないことや最新の技術も、自ら進んでインプットできる姿勢を見せましょう。
クラウドエンジニアになる際に有利な資格
クラウドエンジニアを目指す際に、有利になる以下の3つの資格を紹介します。
- Google Cloud認定資格
- AWS認定ソリューションアーキテクト
- CCNA Cloud
どのような資格なのか詳しく見ていきましょう。
Google Cloud認定資格
Googleが提供するクラウドサービス「Google Cloud」に関する知識や技術力がアピールできる資格です。
Google Cloud認定資格は3種類のカテゴリに分かれ、全部で11種類あります。
これからクラウドエンジニアを目指すなら、「Cloud Digital Leader」がおすすめです。
取得によって専用のバッジと証明書が付与され、より実践的なスキルをアピールできます。
AWS認定ソリューションアーキテクト
Amazonが提供するクラウドサービス「AWS」に関する資格です。
全部で11種類あり、受験者層はIT初級者から上級者まで幅広くなっています。
インフラ基盤にAWSを採用している企業を目指す際には、大きなアピール材料になります。
AWSは世界的に高いシェアを占めており、日本国内でも多くの企業で利用されているクラウドサービスです。
CCNA Cloud
CCNA Cloudは、「シスコシステムズ」が運営するIT資格です。
「CCNA」には8項目の資格があり、その中の一つとして「CCNA Cloud」があります。
クラウドに特化した内容で、クラウドエンジニアに必要な知識やスキルが証明できる資格です。
「活学ITスクール」では、CCNA取得を目指すカリキュラムを提供しております。
合格率は92%と非常に高く、文系・PCスキルゼロの方でも効率的に学べるので、ぜひご検討ください。
クラウドエンジニアにおすすめのIT資格やそれぞれの難易度などは、以下の記事でより詳しく解説しているので参考にしてください。
まとめ:ポイントを押さえ、未経験からクラウドエンジニアを目指そう!
未経験からクラウドエンジニアを目指すのは、簡単ではありません。
しかし、クラウドの需要拡大やIT人材の不足により、クラウドエンジニアの需要は年々増加しています。
企業が求めるポイントを押さえ、やる気をアピールできれば、未経験でもクラウドエンジニアを目指せます。
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