近年のIT需要や注目度の拡大からIT業界への転職を考えているものの、
- 「IT業界へ転職するには何からどう動けばいいかわからない」
- 「未経験からでもIT業界に転職ってできるの?」
などと、不安に思う方も多いでしょう。
今回の記事では、IT業界に転職するための方法や、転職しやすい職種、IT業界で求められるスキルなどをご紹介します。
- IT業界では、コミュニケーション能力や自走力が求められる。
- システムエンジニアやSESエンジニアは、未経験からでも目指しやすい。
- 未経験からIT業界に転職するには、資格取得やIITスクールがおすすめ。
- 事前準備として、IT業界への転職理由などを用意しておくことが大切。
IT業界は主に5つの業種に分類される
IT業界といっても、大きく5つに分類されます。
この章では、その5つの業種を見ていきましょう。
❶インターネット・Web業界
インターネット上で動くWebサイトやアプリといった、「Webサービス」を提供する業界です。
Webサービスといっても、
- フリマサイト(メルカリほか)
- SNS(TwitterやInstagramほか)
- スマホゲーム(パズドラやモンストほか)
など種類は多岐にわたります。
インターネット・Web業界は現在進行形で進化を遂げ、将来性の観点からもとくに人気が高い傾向です。
❷通信・インフラ業界
主にITサービス開発に必要な、インフラ環境の構築・運用・保守を行う業界です。
具体的には、
- サーバー
- ネットワーク
- データベース
などの機器の整備を幅広く担当します。
取り扱うのは「支障が出ると損失が大きい部分」。
責任が大きく失敗も許されないため、高度で専門的なスキルを要する職種です。
❸ソフトウェア業界
ソフトウェア業界は主に、ソフトウェア開発を行う業界です。
ソフトウェアとは、
- エクセル
- ワード
- イラストレーター
- フォトショップ
のような「ネット環境に依存しない、コンピューター上で動くソフト」を指します。
近年では、
- スマホで操作するソフトウェアの需要が法人・個人ともに増えた
- 新型コロナの影響で、リモート関連のソフトウェアの需要が拡大した
などの背景から、急激に仕事の幅が増えています。
❹ハードウェア業界
こちらはパソコン本体やハードディスクなどの「物理的な機器」の構築や整備を担当する業界です。
パソコンの内部機器のみならず、マウスやキーボードといった「周辺機器」もハードウェアに含まれます。
近年のIT需要の拡大、およびAIやIoTといった技術の進化に伴い、求められる仕事の幅がどんどん増えている業界です。
❺情報サービス業界
情報処理サービス業界は主に「顧客がITサービスをスムーズに使えるよう、運用まで一括して担当する業界」です。
具体的な内容としては、
- サーバー機器の選定
- システム動作環境の構築・運用
- システムおよびサービスの開発
- システムおよびサービスの運用・保守
といったものが挙げられます。
「業務効率化や人件費削減を図り、ITシステムを導入を検討する企業」は年々増加中です。
IT人材はどの企業にも必ずいるわけではないので、今後も仕事が増えていく職種といえます。
人気のIT業界や年収・将来性については、こちらで詳しく解説してるので参考にしてください!
IT業界への転職で求められる経験やスキル
この章では、IT業界への転職で必要とされる経験およびスキルを見ていきましょう。
何らかの言語を用いた開発経験
IT業界への転職でほぼ必ず求められるといっても過言ではないのが、「開発経験」です。
しかし現代ではIT業界未経験者でも、スキルの証明やポテンシャル、人柄などで採用する企業が増えている傾向です。
相手の立場に立ち円滑な関係が築けるコミュニケーション力
相手の立場に立って、相手と円滑な関係を築ける「コミュニケーション能力」は、IT業界で必ず必要になります。
IT業界と聞くと、黙々とPCと向き合うイメージがあるでしょう。
しかし現実はお客様はもちろん、社内のエンジニアとも仕事内容や進捗確認などでコミュニケーションをとる機会は多いです。
相手の立場を考え、うまく意思疎通できる能力は必須となります。
自ら率先してあらゆることを学んでいける自走力
IT業界への転職においては、「自分からすすんでいろんなことを学習できる自走力」も求められています。
研修がしっかりしている大手企業などでない限り、わからないことをつきっきりで教えてもらえることはほぼありません。
「まず自分で調べてやってみる」という積極的な姿勢をもち、面接でアピールできるのが理想です。
他のエンジニアに負担をかけない質問力
「周りのエンジニアの時間を奪わない質問力」も、IT業界への転職において求められるスキルのひとつです。
たとえばプログラミング業務でエラーが発生したとき、周りに「エラーが出ました。どうしたらいいですか?」と相談する人がいます。
しかしこの質問をされたエンジニアは「その人が困っている原因や状況の詳細」がわからないと、対処しようがありません。
質問の際は、
- 今なにを実装していて
- どういう結果を期待して
- どんな環境のもとで
- 何をしたらエラーが出たのか
のように、具体性をもたせることが大切です。
あらゆる困難も乗り越える忍耐力
IT業界に転職すると、
- 周りとのスキルレベルの差に劣等感を感じる
- 上司に大きな声で叱られたり、説教される
- ハードワークで残業や休日出勤が多い
のような、あらゆる困難もあるでしょう。
こういった困難を自分の中でうまく消化し、乗り越えるだけの忍耐力は必要になります。
IT業界の中でも実務未経験で転職しやすい職種は?
この章では「数あるIT業界の職種の中で、未経験者が目指しやすい職種」をご紹介します。
プログラマー
IT業界未経験者でも目指しやすい職種に「プログラマー」があります。
プログラマーは、仕様書に記載されている内容どおりにプログラミングを行い、機能を実装していくのが主な仕事です。
より確実かつスピーディーにプログラミングを行う必要があるため、論理的思考力や問題解決能力が求められます。
実際に未経験から目指す人も多く、はじめの一歩としておすすめの職種です。
システムエンジニア
システムエンジニアは、システム開発作業の一連の流れをひととおり担う職種です。
具体的には、主に以下のような業務を行います。
- お客様とのヒアリング
- 仕様書作成
- スケジュール考案
- プロジェクトメンバーの選定
- プログラミング
- プロジェクトの進捗確認
- テスト・修正などの最終確認
一連の業務を担当するため、IT人材として大きな経験とスキルを得られることから人気の職種です。
一般的に「未経験の状態から目指すのは難しい」というイメージをもたれがちですが、近年では未経験からの転職に成功する人も増えています。
システムエンジニアについては、こちらでも詳しくまとめていますので参考にしてみてください!
SESエンジニア
SESエンジニアは、わかりやすく言うと「派遣エンジニア」のことです。
一般的には何らかのSES企業の一員として、派遣先のIT企業で働く職種を指します。
プロジェクトごとに現場が変わるケースもあり、あらゆる環境や言語に触れられることから経験値が得られる点がメリットでしょう。
SES企業の求人には「未経験OK」の求人が多いものの、派遣先によっては労働環境が良くなかったりと「当たり外れが多い」点には注意が必要です。
この部分の見極めは難しいので、転職エージェントなどを活用するほうが失敗を避けられるでしょう。
なお転職エージェントなら、文系・未経験・PCスキルゼロの方を対象にした活学キャリアがおすすめです。
テストエンジニア
テストエンジニアは主にプログラマーが書いたコードに対し、テストやバグ修正を行う業種です。
IT業界未経験でも採用されるケースが多く、アルバイトの募集も豊富にあります。
テストエンジニアは、プロジェクトによってはテスト以外の仕事を任されることもゼロではありません。
そのためまずテストエンジニアになり、プログラマーやシステムエンジニアへのステップアップを図る方も多い傾向です。
ITサービス営業
ITサービス営業も、未経験から目指しやすい職種のひとつといえます。
専門的なスキルがなくても、
- 相手と円滑な関係が築けるコミュニケーション能力
- 営業職としてものを売った経験(必須ではない)
があれば、十分になれる職種であるためです。
ただ、ITサービスに関する営業なので、
- サービスに対する十分な理解
- 競合他社サービスの把握
- 類似サービスの知見
- 現状のITトレンドの理解
など、幅広い情報収集や現状把握が求められます。
実務未経験からIT業界に転職するための方法
この章では、実務未経験の状態でIT業界を目指す方法を紹介します。
独学でスキルをつけ成果物をつくる
独学でスキルを身に着け、何らかの成果物をつくる方法です。
いまや書籍やネットの情報が充実しているため、独学でも一定レベルのポートフォリオを作れます。
いかに挫折しないよう、モチベーションを維持できるかがポイントです。
IT業界で役立つ資格を取得する
IT関連の資格を取得する方法です。
資格を保有することで、「未経験でも知識とスキルを証明できる」というメリットが得られます。
未経験からのIT転職で役立つスキルは、以下が挙げられます。
- 基本情報技術者試験
- CCNA
なお活学ITスクールでは、最短1ヶ月でCCNAが取得可能。
CCNAはIT転職においてたいへん需要の高い資格なので、未経験ならぜひもっておきたい資格です。
転職保証付きのITスクールを活用する
「転職保証」のついたITスクールを利用することも、未経験からIT業界を目指すひとつの手段です。
注意点としてITスクールが提供する「転職保証」の大半は、好きな企業を選ぶことはできません。
しかし「ひとまず現場で実務経験を積みたい」と考える方にはうってつけでしょう。
理想の企業で活躍するには、ある程度「順序・手順」も大切です。
IT業界への転職に強い転職エージェント
この章では、IT業界への転職に向けたおすすめの転職エージェントを紹介します。
こちらも参考になりますので、ぜひご活用ください。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは、人材大手「リクルート」が運営する転職エージェントです。
他と比較して求人の母数が圧倒的に多く、もちろんIT業界に関しても例外ではありません。
利用者一人ひとりにキャリアアドバイザーがつき、希望の職種に向けた徹底的な面接サポートなどを受けることができます。
マイナビITエージェント
マイナビITエージェントはIT業界の求人数が豊富で、かつ各求人の質の高さが魅力です。
さらにマイナビITエージェントの利用者の転職後の定着率は、なんと97.5%と高い水準を誇ります。
doda
dodaは株式会社パーソルキャリアが運営する転職サイト兼エージェントです。
転職サイトと転職エージェント、両方の用途で利用できる点が大きな特徴となっています。
そのため
- 求人探しはマイペースに行う
- いい求人が見つかったらアドバイザーに相談
という使い方を希望する方におすすめです。
レバテックキャリア
レバテックキャリアは、レバテック株式会社が運営する転職エージェントです。
IT・Web業界の求人に特化し、利用者の内定率は90%と高い水準を誇ります。
またレバテックキャリアは、あらゆるIT企業へ定期的なヒアリングを実施。
求職者ひとりでは得られない、新鮮な情報や業界事情を把握していることもポイントです。
活学キャリア
活学キャリアは、最短2日で未経験からITエンジニアを目指せる転職エージェントです。
文系・PCスキルがゼロの人のような、未経験の状態でこれからIT業界へ転職する方には、おすすめのサービスとなります。
また受講者の転職成功率は98.7%と、高い水準を誇ります。
未経験からより確実にITエンジニアとして内定を勝ち取りたい方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
実務未経験でIT業界へ転職する際の準備と注意点
この章では、未経験者がIT業界を目指す際の準備と注意点を見ていきます。
最初からプログラミング業務に関われるとは限らない
実務未経験からIT業界に転職できても、最初から必ずプログラミングができるとは限りません。
最初のうちは、テスターや雑用といった作業を任されることもあります。
まずは与えられた業務を確実にミスなくこなし、信頼を積んでいくことが大切です。
「未経験OK」の求人はSES業界が多い
未経験OKのものや、未経験歓迎の求人には「SES業界」が多い傾向です。
SES業界は就業先や自身のスキルによっては、さまざまな企業で働けるため、大きな経験値が得られるでしょう。
しかし、いわゆる派遣労働なので、就業先によって少なからず当たり外れがあることは念頭に置いておきましょう。
傾向としてIT業界は残業や休日出勤が多い
IT業界は、残業や休日出勤が多い傾向です。
理由は以下のとおりです。
- IT業界は全体的に人手不足だから
- プロジェクトに変更やトラブルはつきものだから
需要に対し、供給の数が追いついていないのが、いまのIT業界の現状。
またプロジェクトには仕様変更やメンバーの離脱などイレギュラーがつきもので、ときに時間外労働を強いられます。
もちろん企業によるので一概には言えませんが、このような現実もあることは覚えておきましょう。
IT業界への転職理由を固める
未経験から転職する際の準備として、IT業界を目指した理由を固めておくことが大切です。
その企業への志望動機はもちろん「そもそもなぜIT業界を目指したのか」は、未経験であればなおさら必ず聞かれます。
- 日頃からITの恩恵を受けている
- インターネット・Webが幼い頃から好き
など、ITそのものに興味をもったきっかけをあらかじめ準備しておきましょう。
具体的にどのように志望動機を作成すれば良いかのポイントなど詳しい方法はこちらをチェックしてください!
やる気と自走力をハキハキ伝える
未経験からIT業界に転職する際は、「やる気」と「自走力」のアピールが大切です。
いくらスキルや経験が豊富でも、やる気がない人を採用する企業はありません。
またIT業界では受け身で他力本願な人より、まずは自分で調べて動く「自走力」がある人が求められます。
「やる気」「自走力」は、面接で必ずハキハキ伝えましょう。
まとめ:入念な準備でIT業界への転職を成功させよう!
IT業界に転職する際は、ある程度の経験やスキルが求められることは事実です。
とはいえ現代では、たとえ未経験でもやる気やポテンシャル、人柄を重視して採用を決めるIT企業が増えています。
IT業界の特色やポイントを押さえて入念な準備を行い、確実にIT業界への転職を成功させましょう。