セキュリティエンジニアの仕事内容とは?業務内容を徹底解説!

セキュリティエンジニアは、サイバー攻撃や不正アクセスから企業や社会の情報資産を守る重要な存在です。

具体的な仕事内容がイメージできず、「どんな業務をしているの?」「どんなスキルが必要?」と疑問を持つ方も多いでしょう。

この記事では、セキュリティエンジニアの主な業務内容から一日の流れ、担当領域ごとの役割や求められるスキルまでをわかりやすく解説します。転職やキャリアを考えている方が、自分の将来像を描けるようになるはずです。

本記事を読んでわかること
  • セキュリティエンジニアの具体的な仕事内容と一日の流れとは?
  • 働く分野によって仕事内容がどう違うのかがわかる
  • 必要なスキルが見えてキャリアプランや転職準備に活かせる
目次

セキュリティエンジニアはどんな仕事?

セキュリティエンジニアの業務は大きく以下の4分野に分かれます(ただし企業によって兼務あり)

●監視・運用:システムやネットワークの安全性を維持
検知・対応:不正アクセスやサイバー攻撃へのリアルタイム対応
診断・脆弱性テスト:システムの弱点を洗い出す
ポリシー策定・教育:規定整備と人材育成

以降各業務の内容と実際の現場での動きを、未経験者でもわかりやすく具体例を交えて解説します。

システムやネットワークの監視・運用

セキュリティエンジニアの一日は「異常が起きていないか見守る」ところから始まります。

イメージしやすいのはマンションの管理人さん。
住人(=社員)が安心して暮らせるよう、監視カメラ(=ログ)をチェックし、照明や設備(=ネットワークやサーバー)が正常に動いているかを点検します。

もし不審な動きがあれば「ちょっと怪しいぞ」とアラートが出るので、すぐに確認して対処するのが仕事です。

主な内容/やること例
・ネットワーク機器(ファイアウォール、IDS/IPS、ルーター等)の稼働状況監視
・ログ収集・ログ解析:システムログ、アクセスログ、不正ログなどを定期的に確認
・アラート対応:基準を超える異常検知通知に対する初期対応
・定期メンテナンス:パッチ適用、ソフトウェア更新、構成変更

24時間体制の組織では、この監視体制を夜間・休日も含めて回すことがあります。

不正アクセスや攻撃の検知・対応

これは言わば会社を狙う“泥棒退治”の役割。

例えば夜中に大量の不審なアクセスが来た場合、セキュリティエンジニアは「このアクセスは本当に社員のもの?それとも攻撃?」を素早く見分けます。

怪しいと分かれば、侵入をブロックして被害が広がらないよう隔離します。

主な内容/やること例
・再発防止策の検討:原因の根本を洗い出し、仕組みに落とし込む
・アラートの調査:アラートの根拠をログや通信パケットから探る
・フォレンジック解析:感染端末や改ざん箇所の証拠保全、侵入経路の特定
・緊急対応(隔離・遮断):当該システムの遮断、感染拡大防止策の実施
・インシデント報告と関係者調整:経営層、法務、広報と連携する

実際、日本では毎年数千件のインシデント報告があり(JPCERT/CC統計 )、「攻撃はいつか来るもの」と考えて常に備えるのが当たり前になっています。

セキュリティ診断や脆弱性テスト

これは「泥棒に入られる前に、家の鍵を点検する」仕事です。
・ドアが壊れていないか?(脆弱性スキャン)
・窓が閉まっているか?(ソースコードの確認)
・実際に泥棒役を演じて、鍵を開けられないか試す(ペネトレーションテスト)

こんな風に、事前に“穴”を見つけてふさぐことで、大きなトラブルを未然に防ぎます。

主な内容/やること例
・脆弱性スキャン:既知の脆弱性(CVEs)に対する自動スキャン
・ペネトレーションテスト(侵入テスト):攻撃者視点で実際に侵入を試みる
・ソースコードレビュー:アプリケーションのコードをセキュリティ視点でレビュー
・セキュリティ設計レビュー:新規システムや導入予定設計の安全性チェック
・レポート作成と優先度付け:発見事項に対して影響度・対応優先度を付けて報告

セキュリティポリシー策定や社員教育

どんなに厳重な鍵をかけても、社員が無意識にドアを開けっぱなしにしていたら意味がありません。

そこでセキュリティエンジニアは「安全ルールの先生」として、社内ルールを作り、みんなに守ってもらう仕組みを整えます。

例えば「パスワードを使い回さない」「怪しいメールは開かない」といったルールを教育します。
実際、IPA(情報処理推進機構)も基本方針やガイドラインを公開しており、これをもとに多くの企業が社内ルールを作っています。

主な内容/やること例
・情報セキュリティポリシーの作成:アクセス制御、暗号化、運用ルールなどの規定
・標準手順書(SOP)や運用ガイドライン整備
・研修・啓発活動:社員向けセキュリティ教育、フィッシング訓練など
・内部監査/遵守チェック:ルール違反・運用ミスがないかモニタリング
・改訂・更新:技術変化や脅威変化に追随してポリシーを改定

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担当領域ごとの仕事内容の違い

セキュリティエンジニアと一口に言っても、働く部署やチームによって役割は大きく変わります。

ここでは代表的な3つの領域(SOC・CSIRT・クラウド担当)を取り上げて、それぞれどんな仕事をしているのかをイメージしやすく解説します。

担当領域ごとの仕事内容の違い
  • SOC(セキュリティオペレーションセンター)の役割
  • CSIRT(インシデント対応チーム)の役割
  • クラウドセキュリティ担当の役割

SOC(セキュリティオペレーションセンター)の役割

SOCは、会社や組織を守る「セキュリティの監視センター」です。
イメージしやすいのは、街を24時間見守る交番や警備室。

・サーバーやネットワークを常に監視
・不審な動き(例:深夜に大量のログイン試行)を検知
・必要に応じて初期対応(遮断・隔離)を行う

SOCは24時間365日体制でシフトを組むことが多く、「何か起きたらすぐに対応」が求められる最前線の仕事です。

CSIRT(インシデント対応チーム)の役割

CSIRTは、サイバー攻撃や不正アクセスが起きたときに出動する「セキュリティの消防隊」のようなチームです。

・インシデント発生時に調査・原因分析
・関係部署と連携し、被害を最小化
・報告書をまとめ、再発防止策を提案

たとえば、取引先から「御社のメールから怪しい添付ファイルが届いた」と連絡が入ったとします。
そこでCSIRTが中心となり、感染端末を特定して隔離、さらに再発防止の仕組みを整える、といった流れです。

日本ではJPCERT/CCが有名なインシデント対応組織で、公式サイトでも活動内容が紹介されています
JPCERT/CC インシデント対応

クラウドセキュリティ担当の役割

最近は企業の多くがAWSやAzure、Google Cloudなどのクラウドを利用しています。
そのため、クラウドセキュリティ担当は「クラウド環境の安全を守る専門家」です。

・アクセス権限の設定(誰がどこまで操作できるか)
・データ暗号化やバックアップの仕組みづくり
・クラウド特有の脆弱性(設定ミス、公開範囲の誤りなど)の監視

クラウドは便利な反面、設定を間違えると誰でもデータを見られる状態になる危険もあります。
担当者はその“うっかり”を防ぎ、企業の大切な情報を守るのです。

セキュリティエンジニアの一日のスケジュール例

セキュリティエンジニアの働き方は、勤務形態によって大きく変わります。

ここでは、代表的な「日勤」と「夜勤シフト制」の2パターンを紹介します。どちらも実際に働く姿をイメージできるように、時間ごとの流れを具体的に見ていきましょう。

日勤勤務の流れ

オフィスワーク中心のケースでは、朝から夕方までの勤務が一般的です。
イメージは「普通の会社員+セキュリティの見張り番」。

一日の例(9:00〜18:00)

9:00 出社/監視ログの確認
 まずは「昨夜不審な動きがなかったか」をチェック。監視カメラを見返す警備員のような作業。

10:00 定例ミーティング
 チームで昨日の対応状況を共有。新しい脆弱性情報(IPAやJPCERTの公開情報)を確認することも。
 → IPA 脆弱性対策情報データベース

11:00 セキュリティ診断・調査
 Webシステムや社内端末に“穴”がないかをテスト。

13:00 ランチ休憩

14:00 インシデント対応や改善業務
 アラートがあれば対応、なければセキュリティポリシーの見直しや教育資料づくり。

17:00 報告書・引き継ぎ
 一日の対応内容をまとめてチームや上司に共有。

18:00 退勤

攻撃がなければ穏やかな一日ですが、突発的なアラートが鳴れば、探偵のように調査に追われることもあります。

夜勤・シフト勤務の場合

SOCなど24時間体制の部署では、夜勤やシフト制が一般的です。イメージは「深夜の交番で街を守る警察官」。

【夜勤の例(22:00〜翌7:00)】

22:00 出勤/システム状態の引き継ぎ
 日勤チームから「今日の異常有無」を共有。

23:00〜3:00 監視業務中心
 深夜は外部からの攻撃が増える時間帯。アラートを注視しつつ、静かな時間は定期チェックをこなす。

3:00 休憩/仮眠

4:00〜6:00 インシデント対応やレポート
 もし攻撃が発生すれば、この時間でも緊急対応。

6:30 日勤チームへ引き継ぎ

7:00 退勤/帰宅

夜勤は大変ですが、その分シフト手当がついたり、平日日中に自由な時間を持てるメリットもあります。

仕事内容から見える必要スキル

ここまで仕事内容を見てきて、「実際にやるならどんな力が必要なんだろう?」と感じた方も多いでしょう。

資格の話やキャリアステップではなく、日々の業務から自然に求められる力に絞って整理します。

セキュリテイエンジニアの資格やロードマップについて、詳しくは以下記事をご覧ください。
▶︎セキュリティエンジニアになるなら取っておきたい資格7選!難易度や勉強法も紹介
▶︎セキュリティエンジニアになるには?未経験から最短で目指す完全ロードマップ

仕事内容から見える必要スキル
  • ネットワーク・OS・セキュリティの知識
  • 分析力と問題解決力
  • チームでの協調性

ネットワーク・OS・セキュリティの知識

セキュリティエンジニアは、攻撃を見つけるにも対策を打つにも「システムの仕組み」を知っていることが前提です。

ネットワーク:通信の流れ(IPアドレス、ポート、ファイアウォールの仕組みなど)
・OS:WindowsやLinuxでのログの見方や権限管理
・セキュリティ基礎:暗号化、認証、脆弱性の考え方

仕組みの理解が“攻撃を見抜く目”になるのです。

セキュリティエンジニアを目指す方の中には「早く環境を変えたい」「もっと成長できる会社に行きたい」と思う人も多いでしょう。
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分析力と問題解決力

セキュリティの仕事は、「なぜ起きたか」を突き止める探偵のようなものです。

アラートやログを読み解き、原因を推理
・証拠をもとに「ここから侵入された」と仮説を立てる
・被害を抑えるために最適な手を選ぶ

調査すると「海外からの不正アクセス」なのか「社員の操作ミス」なのかで、対応は大きく変わります。
この判断力と解決力が、組織全体を守るカギとなります。

チームでの協調性

セキュリティ対応は一人では完結しません。

・SOCでは監視要員同士の連携
・CSIRTでは法務や広報と一緒に動く
・クラウドでは開発チームと調整して設定を直

つまり、「技術に強いけど人と話せない」では通用しないのが現場です。
むしろ「非エンジニアにわかりやすく説明できる力」が評価されます。

ここで紹介したスキルは、実務を通して少しずつ身につけられるものです。
大切なのは「そもそも自分に向いているかどうか」。
興味がある方は 「セキュリティエンジニアに向いている人の特徴」 をチェックしてみてください。

まとめ:セキュリティエンジニアの仕事内容を理解してキャリアを描こう

本記事では、セキュリティエンジニアの年収が高い理由について詳しく解説し、将来性や仕事内容についても紹介しました。

セキュリティエンジニアは、システムやデータを守る「警備員」であり、原因を探る「探偵」であり、ルールを整える「先生」のような存在です。

仕事内容を理解すると、日々の業務が企業や社会に欠かせない重要な役割であることがわかります。

未経験からでも基礎を学びながら経験を積めば成長できる職種です。
需要も高まっているため、今後のキャリアを考える上で大きなチャンスがあります。

キャリアに不安を感じる方は、活学キャリアの無料カウンセリングにてお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

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エンジニア・講師

山本 忠輝

東京大学大学院において宇宙関係の研究に従事。その後はIT開発の現場に身を置き、エンジニアとしての実務経験を積みながら、人事としての採用・育成にも携わる。現在は活学ITスクールの講師としても活動中。業界歴は14年におよび、現場と人事の両視点から未経験から活躍できるエンジニアを多数輩出。

この記事の監修者

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谷川 昭雄

株式会社ラストデータ 代表取締役/元Earth Technology創業者

IT未経験者向け転職支援・エンジニア育成のプロ。
2013年に「英語×IT人材」に特化したEarth Technologyを創業し、年商18億円企業へと成長。2021年には株式会社ラストデータを設立。未経験から活躍できるエンジニアを多数輩出。累計5,000名以上のキャリア支援を行う。

IT業界歴は17年以上におよび、未経験者向け転職支援・エンジニア育成のプロ。

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