サーバーエンジニアはITインフラの中枢を担い、将来性も高い職種です。
しかしインターネット上には「 サーバーエンジニア やめとけ」「サーバーエンジニア きつい」との声も散見されます。
本記事ではサーバーエンジニアがきついと言われる理由や、反対にサーバーエンジニアの魅力を解説します。
サーバーエンジニアが向いている人の特徴も紹介するので、ぜひ職種選びの参考にしてください。
なお未経験からサーバーエンジニアを目指すのであれば、活学ITスクールをご活用ください。
ネットワークに関する知識習得や資格取得を目指せる、「CCNA資格取得コース」をご用意しています。ネットワーク設計や構築、トラブルシューティングの技術を習得していることを証明できるので、転職活動にも役立てられます。
サーバーエンジニアはやめとけ・きついと言われる理由は?
「サーバーエンジニアはやめとけ」と言われる代表的な理由は、以下の6つです。
- 夜勤や休日出勤が多い
- サーバールームの環境が過酷
- 突発的な障害やトラブル対応がある
- 常に勉強し続ける必要がある
- サーバーを止められないプレッシャーや責任が降りかかる
- 未経験者のうちは給料が少ない
それぞれの理由を、以下にて解説します。
夜勤や休日出勤が多い
まず、サーバーエンジニアは夜勤や休日出勤が多いことが理由としてあげられます。
エンジニアが任されるサーバー監視業務は、長時間で不規則な勤務になりやすいためです。
サーバーは常に動き続ける必要があり、基本的には24時間365日稼働のプロジェクトが多くなります。
運用・監視業務専門の下請けがつくこともありますが、サーバーエンジニアが交代で監視することも少なくありません。
シフト制で夜勤や休日勤務があれば生活が不規則になり、健康に影響が出やすくなるでしょう。
入社してすぐに経験を積むためにサーバー監視業務に配属され、はじめから体調を崩して苦しむ人も多いと言われています。
サーバールームの環境が過酷
サーバーエンジニアが業務に従事するサーバールームが過酷であることも、理由にあげられています。
サーバーを正常に稼働させようとすると、人間にとっては厳しい環境になりやすいためです。
基本的に電子機器は熱で誤作動を起こしやすいため冷却が欠かせず、湿気も大敵です。
そのため、サーバールームは寒くて乾燥した状態に保たなくてはなりません。
サーバー監視業務が長時間に渡れば、風邪をひいたり体調を崩しやすくなったりするでしょう。
突発的な障害やトラブル対応がある
サーバーエンジニアの業務では、突発的な障害やトラブル対応があることも押さえておきましょう。
サーバーは、目立った前触れがなく突然トラブルが発生することも多いです。
そのためトラブルの予測もできず、サーバーエンジニアたちは常に監視し続ける集中力と注意力が必要となります。
現場によっては頻繁にこうしたトラブルが発生する場合も多く、常に頭を使わなければならず、かつ残業も多い状態になってしまう可能性も否めません。
突発的な対応は体力面だけでなく精神面にも支障をきたすことでしょう。
サーバーエンジニアは体力面・精神面ともに負荷のかかる職業です。
常に勉強し続ける必要がある
サーバーエンジニアは日々の業務を遂行するだけでなく、常に勉強し続ける必要がある点もつらいと言われています。
IT業界はトレンドの流れが速く、最新の情報をアップデートしなくてはならないためです。
サーバーエンジニアとしてキャリアアップするには、仕事が終わって帰宅した後も勉強しなくてはなりません。
IT分野が好きで勉強が苦にならないなら問題ありませんが、多くの人にとっては休日も身体・心が休まらないことでしょう。
サーバーを止められないプレッシャーや責任が降りかかる
サーバーエンジニアはプレッシャーがかかる、責任の重い職業でもあります。
トラブルが発生すると企業の活動がストップし、損失を被ることもあるためです。
サーバーは、トラブルがないように作られて常に稼働することが当たり前になっており、エンジニアは責任を持って監視しなくてはなりません。
また、サーバーの構築環境を決める際には、ITに疎い顧客にもわかりやすく説明する必要があります。
プレッシャーや責任をあまりにも重く受け止めてしまう人には難しいでしょう。
未経験者のうちは給料が少ない
サーバーエンジニアは高収入のイメージが強いかもしれませんが、 最初は給料が少ないことも加味しておく必要があります。
育成にコストがかかる一番下の階級は、給与が低く設定されていることが多いためです。
しかも入社直後にサーバールームでのきつい監視業務を任され、割にあわないと感じる人も多いのでしょう。
給与を上げるには、入社してからも知識や経験を身につけてスキルアップすることが求められます。
企業選びの際には、ちゃんとスキルが身につきそうな企業かどうか見極める必要があるでしょう。
実は楽しいところも?サーバーエンジニアの魅力・メリット
サーバーエンジニアの魅力は次の4つです。
- 未経験でも挑戦できる
- 需要が高く将来性が大きい
- IT系の仕事に転職しやすい
- 経験を積めば年収アップが見込める
それぞれのメリットについて、以下にて解説します。
未経験でも挑戦できる
サーバーエンジニアは未経験でも挑戦できることが魅力とされています。
右肩上がりでこれからも成長が期待されるIT業界では、未経験歓迎の求人も見られるためです。
とくにサーバー監視業務は、始めるにあたって特別なスキルを必要としないため、学歴・職歴が不問の求人が多く見られます。
もちろん就職してからのキャリアアップは必須ですが、エンジニアのスタート地点としては十分選択肢になりうるでしょう。
需要が高く将来性が大きい
サーバーエンジニアは需要が高く、将来性が大きいこともメリットとしてあげられます。
IT・DXに携わる人材は慢性的に人手不足で、今後も多くの働き手が求められるためです。
経済産業省の調査によると、IT人材は2015年時点で17万人が不足しており、2030年にかけて最大79万人不足すると見られています(※)。
なかでもサーバーエンジニアは、クラウドやセキュリティ、仮想化の技術を身につけると市場価値を上げやすい職業です。
このため体力があり、日々学習を続ける根気があれば将来性も十分に見込めるでしょう。
※ 参照:経済産業省「IT人材育成の状況等について」
IT系の仕事に転職しやすい
業務を通じてスキルを身につけると、他のIT系の職種に転職しやすいこともサーバーエンジニアの魅力でしょう。
サーバーエンジニアのスキルは、エンジニアの基本とされているものが多いためです。
たとえばネットワークセキュリティの技術を身につければ、インフラエンジニア としての市場価値が高まります。
サーバーのスキルをベースとして、データベースやフロントエンドのスキルを身につければ、Webエンジニアとしても活躍できるでしょう。
各分野でスキルを極めるとスペシャリストやコンサルタントも目指せるため、キャリアの選択肢はさらに広がります。
経験を積めば年収アップが見込める
サーバーエンジニアは最初の給与は低いこともありますが、経験を積めば年収アップが見込めることは魅力でしょう。
厚生労働省の調査によると、サーバーエンジニアを含むエンジニア(基盤システム)平均給与は約685万円となっています(※1)。
一方で国税庁の調査によると、日本における全国民の平均給与は458万円です(※2)。
このため、着実にキャリアを積んでゆけば平均以上の給与が得られる可能性が高いでしょう。
※1 参照:厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag「システムエンジニア(基盤システム)」
※2 参照:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査結果について」
サーバーエンジニアに向いている人の特徴は?
サーバーエンジニアで活躍できる人の特徴とされているのは、次の3つです。
- 責任感・プレッシャーに強い
- 新しい技術やハードウェアの勉強が好き
- サーバーエンジニアの業務をこなす体力がある
それぞれの特徴について、以下にて解説します。
責任感・プレッシャーに強い
第一に、責任感やプレッシャーに強い人は、サーバーエンジニアに向いていると言えるでしょう。
サーバーは、 ひとつのコマンドを間違えても動かなくなるほど繊細なものです。
そのため、慎重かつ責任感のある行動ができる人が求められています。
また、サーバーエンジニアは、障害対応が突発的に起こり、間違えられないプレッシャーの中で業務を行うことも多いです。
仕事における責任感が苦にならない人や、プレッシャーのある現場を励みにできる人にはおすすめの職業と言えるでしょう。
新しい技術やハードウェアの勉強が好き
サーバーエンジニアは継続した勉強が必要な職業です。
IT業界のトレンドの流れは凄まじく、休日も勉強を続けられる人が活躍する傾向にあります。
そのため勉強が好きで、新しい技術を習得したい人はキャリアを築きやすいでしょう。
また、サーバーエンジニアは他のエンジニア職よりもハードに触れることが多い職種です。
そのため機械をいじることが好きな人、ハードウェアの勉強が好きな人は楽しみややりがいを見つけられる職業であるかもしれません。
サーバーエンジニアの業務をこなす体力がある
サーバーエンジニアは、夜勤・長時間労働が多く、体力・精神力のある人におすすめの職業です。
休日出勤や緊急対応も日々生じるため、体力に自信がない人は体を壊してしまうかもしれません。
しっかりと体調を整え健康面にも配慮できることも、 サーバーエンジニアとして長く働き続けるには大切なスキルです。
サーバーエンジニアに向いている人の特徴や必要スキル・年収はこちらでも詳しく解説しているので、参考にしてください。
サーバーエンジニアに必要なスキルは?
サーバーエンジニアとして業務をこなすために重要とされているスキルは、次の5つです。
- サーバー設計・構築スキル
- サーバーOSのスキル
- クラウドサービスのスキル
- セキュリティ関連の知識
- コミュニケーションスキル
それぞれのスキルについて、以下にて詳しく解説します。
サーバー設計・構築スキル
まずサーバーエンジニアに欠かせないのは、サーバー設計・構築のスキルです。
キャリアアップするには、下流工程の運用・管理から、上流工程の設計・構築に回る必要があるためです。
サーバーと一言にいっても、Webサーバーとデータベースサーバーでは役割が異なります。
クライアントの要望に応じて適したマシンやOSを選択し、システムを構築するには知識と経験が求められるでしょう。
サーバーOSのスキル
サーバーを扱ううえでは、OS(オペレーションシステム)の知識・スキルも欠かせません。
OSの仕組みを理解して制御できなければ、サーバーエンジニアの業務は務まらないためです。
OSには、大きく分けるとLinuxとWindowsの2種類に分かれており、特徴やできることが異なります。
サーバーの役割や目的、連携するサービスによって選択すべきOSは変わるため、両方とも使いこなせるスキルが求められるでしょう。
クラウドサービスのスキル
現代、そしてこれからの時代は、クラウドサービスに関するスキルが重要となってきます。
クラウドサービスはコストの削減や導入スピードの速さなどのメリットがあるため、近年利用する企業はますます増加中です。
そうした動きに伴って、サーバーエンジニアがクラウドサービスを扱う機会も増えてきています。
AWSなどのクラウドサービスは今後も普及が見込まれているため、学習しておくと自身の市場価値も高まるでしょう。
セキュリティ関連の知識
また、クラウドと同じく、セキュリティ関連の知識も非常に大切です。
現代はセキュリティ攻撃の方法も多様化しており、サーバーに対する攻撃も盛んです。
そのためサーバーエンジニアは、より一層のセキュリティに関する高いスキルが求められるようになってきています。
今後はサーバーのセキュリティに留まらず、クラウドやデバイスなどのセキュリティまで考慮した設計が必要です。
なお、セキュリティに関する知識を備えておくと、今後セキュリティエンジニアとして転職できる可能性も広がります。
コミュニケーションスキル
パソコンと向き合っているイメージが強いIT業界ですが、コミュニケーション能力も必須とされています。
サーバーエンジニアは、顧客やプログラマーとの打合せでコミュニケーションを取る機会が多いためです。
とくに、何かしらの議題をもとに話し合って、物事を決定する場面が多いとされています。
単純に雑談をするだけでなく、ファシリテーション能力や仕様決定に必要な情報を引き出す能力が求められるでしょう。
未経験からサーバーエンジニアを目指すには?
未経験者がサーバーエンジニアへの転職を目指す場合、取り組むべきことは次の3つです。
- サーバー・ITの基礎を学習する
- 転職エージェントを利用する
- 資格を取得する
それぞれのポイントについて、以下にて解説します。
サーバー・ITの基礎を学習する
IT業界の経験がなく、まったくの未経験の場合、まずはサーバーやITの基礎を学習しましょう。
転職活動の選考において、IT分野に興味があることを示せるためです。
IT企業の選考では、現役のエンジニアが面接官を担当することもあります。
知識をまったく持ち合わせていないと、面接時に話が通じない恐れもあるでしょう。
PCやプログラミングに触れてこなかった人は、基本的な知識だけでもインプットしておくと無難です。
転職エージェントを利用する
未経験からサーバーエンジニアを目指す際には、転職エージェントを利用することをおすすめします。
業界未経験者は、教育がしっかり行き届いている未経験者歓迎の優良企業に就職することが大切なためです。
サーバーエンジニアに欠かせない知識を研修や業務で学ぶことで、効率よくレベルアップできます。
ただし、なかには給料の安い未経験者を安く使い倒そうと考えているブラック企業も存在するので、注意しましょう。
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資格を取得する
勉強が進んでいる人は、転職が有利になる資格を取得しておくことをおすすめします。
資格は、未経験者にとって興味関心や意欲を伝える効果的な手段のためです。
資格を持っていると、IT分野に適性があることもアピールできます。
簡単な資格でもいいので、ぜひ勉強して取得しておきましょう。
サーバーエンジニアを目指す際におすすめの資格を知りたい人は、以下の記事も参照ください。
サーバーエンジニアに転職するときになるおすすめの資格
サーバーエンジニアを目指す人におすすめの資格は、次の4つです。
- ITパスポート・基本情報技術者
- LinuC(Linux技術者認定)
- AWS認定試験
- シスコ技術者認定
それぞれの資格の内容や難易度について、以下にて解説します。
ITパスポート・基本情報技術者
ITに関する知識を身につけたい人は、ITパスポート・基本情報技術者を取得しましょう。
サーバーエンジニアに限らず、IT技術の基礎を一通り問われる国家資格です。
データベースやプログラミング、アルゴリズムから経営戦略まで幅広い出題内容となっています。
未経験者には取得しやすいITパスポートがおすすめですが、履歴書で評価してもらうには知名度のある基本情報技術者まで取得しておくとよいでしょう。
参照:独立行政法人情報処理推進機構「ITパスポート試験」
参照:独立行政法人情報処理推進機構「基本情報技術者試験」
LinuC(Linux技術者認定)
多くのサーバーOSに使われているLinuxの国内資格である、LinuC(Linux技術者認定)もおすすめです。
システムの管理・運用に関する実践的なスキルが問われます。
取得しておくと、サーバーエンジニアとして即戦力であることが証明できるでしょう。
資格のレベルは3段階用意されているので、最も簡単なLinuc-1からの取得をおすすめします。
参照:LPI-Japan「LinuCレベル1」
AWS認定試験
Amazon社が提供するクラウドサービスAWSに関する知識が問われる、AWS認定資格もおすすめです。
近年は物理的サーバーを持たない、クラウドサーバーの需要が高まっている背景があります。
なかでもAWSは最大級のシェアを占めるクラウドサーバーのため、取得しておくと今後のキャリアアップに有利に働くでしょう。
未経験者は、最も基礎的なAWSクラウドプラクティショナーがおすすめです。
参照:AWS「AWS 認定」
シスコ技術者認定
ネットワーク機器として多くの企業で使われる、シスコシステムズが認定する国際資格です。
ネットワークに関する幅広い知識が問われ、ルーティングやスイッチングなど実践的スキルの証明になります。
サーバーエンジニアからインフラエンジニアを目指したい人は、ぜひ取得しておきましょう。
なかでも、CCNAは基本的でありながら知名度の高い資格のため、未経験者におすすめです。
参照:シスコシステムズ合同会社「シスコ認定試験」
なお、活学ITスクールでは「CCNA資格取得コース」をご用意しています。アニメーションを用いた動画で学べるカリキュラムをご用意しており、実機も使いながら資格取得を目指せます。
CCNAの資格を取得し、サーバーエンジニアになりたい方はぜひご活用ください。
まとめ:サーバーエンジニアは未経験からも目指せる職種
サーバーエンジニアは、最初は給与が低く、シフト勤務がきついこともあるため「やめとけ」と言われることもありますが、スキルを積めば給与アップも見込めます。
本記事を参考にしてサーバーエンジニアのことを正しく理解し、転職活動に役立てましょう。