ITインフラを支える重要な職種・サーバーエンジニア。
その安定性や高収入が噂されることから、サーバーエンジニアへの就職・転職を考えている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、サーバーエンジニアの年収に着目して、サーバーエンジニアの仕事内容や年収事情、年収を上げる方法や将来性、向いている人の特徴などを一挙に解説します。
是非とも本記事を参考に、サーバーエンジニアの仕事内容や年収事情を把握して、サーバーエンジニアへの就職・転職を考えてみてください。
また、サーバーエンジニア以外にもインフラエンジニアに興味をお持ちの方は、こちらもよく読まれていますので合わせてチェックしてみてください!
サーバーエンジニアの仕事内容
それではまずはじめに、サーバーエンジニアの仕事内容について見ていきましょう。
なお、より詳しくサーバーエンジニアの仕事内容をまとめた記事もありますので、気になった方は下記リンクよりご覧ください。
サーバーの構築
サーバーエンジニアの主な仕事は、サーバーを構築することです。
まずはサーバーをうまく起動させるための構築設計、そして実際のサーバー構築業務、運用に必要なOSやアプリケーションのインストールといった業務がその内容です。
顧客が必要とするサーバーシステムにはどれくらいの使用容量や電源容量、通信速度、コストとのバランスが必要なのかなど、総合的にサーバーの知識が問われるため、幅広い分野をしっかりと理解しておくことが必要です。
サーバーの運用・保守
また、構築したサーバーの運用・保守を行うことも大切な仕事です。
大規模な案件では、運用・保守業務は専門の係を設けることも一般的ですが、それでも何か問題が生じた際には、サーバーエンジニアが駆けつけてすぐに直す必要があります。
また、サーバーを実際に運用してみた後で、設定の変更などが生じるケースも多いため、調整や修正作業も日常的な業務です。
サーバーがダウンしてしまっては、そのサーバーを利用しているすべてのサービスが使えなくなってしまうため、日頃のメンテナンスからしっかりと運用・保守業務を続けていく必要があります。
サーバーエンジニアの年収は?
それではここからは、サーバーエンジニアの年収についてみていきましょう。
サーバーエンジニアの年収は、dodaで467万円、マイナビAGENTで465万円と調査されていました。
全国の平均年収は441万円であることから、これらはいずれも平均を上回っている所得であると言えるでしょう。
また、IT業界では一般的に、男性の方が女性よりも多く稼いでいるという傾向がありますが、サーバーエンジニアは20代の平均年収を見てみると、男性411万円・女性438万円と女性の方が稼いでいると言える数値になりました(マイナビAGENT)。
30代になると男性503万円、女性491万円と逆転しますが、それでも性別に関係なく稼げる職種であると言えるでしょう。
また、人材の流動が激しいIT業界の中でも、サーバーエンジニアは特に転職が激しい職種でもあります。
97%の人が転職経験があるとも答えており、また、転職前後の年収では、転職経験者の52%が以前よりも年収がアップしたと答えています。
転職を通して年収を上げていく文化が一般的に浸透しているため、技術をつければ収入にしっかりと反映される職種であるとも言えるでしょう。
フリーランスサーバーエンジニアの年収は?
それでは次に、フリーランスサーバーエンジニアの年収を確認します。
レバテックフリーランスによると、月額の平均単価は64万円でした。
単価の幅は40万円〜100万円と非常に広く、また、案件自体も約1,000件ほどと豊富にあることが伺えます。
なお、平均単価は64万円ですが、最高単価は135万円、最低単価は32万円との記載も見受けられました。
経験やスキルによって、月収100万円以上も狙えるということは非常に魅力的でしょう。
また、最低単価も32万円と、最低でも生活に十分な収益を得ることが可能なようです。
しかし、一般的にフリーランスサーバーエンジニアは、一人である程度の業務が遂行できるだけの能力が必要になってきますので、これからサーバーエンジニアを目指すという人は企業に転職することをおすすめします。
サーバーエンジニアと他のエンジニアとの年収の違い
サーバーエンジニアと他のエンジニアとで、年収に違いはあるのでしょうか。
サーバーエンジニアは、ネットワークエンジニアと合わせて「インフラエンジニア」と呼ばれており、同じインフラ分野を担っている職業です。
ネットワークエンジニアの平均年収は450万円程度となっています。
両者の給与はほぼ同じ水準ですが、若干サーバーエンジニアの方が高所得だと言えるようです。
また、フリーランスの求人数を見ると、ネットワークエンジニアよりもサーバーエンジニアの方が案件が多く見受けられました。
そのため、独立した場合には、サーバーエンジニアの方が稼ぎやすいとも言えるでしょう。
ネットワークエンジニアとサーバーエンジニアの違いについては、こちらで紹介していますのでご覧ください。
サーバーエンジニアで年収1,000万円は可能?
また、サーバーエンジニアで年収1,000万円は可能かどうかについても見ていきましょう。
結論から言うと、サーバーエンジニアで年収1,000万円を狙うことは十分に可能です。
その場合には、大手企業で、自社内にシステムを持っている企業に転職することを目指すと良いでしょう。
大手企業の場合はITインフラにも注力しているところが多いことから、サーバーエンジニアに支払う報酬も高くなる傾向があります。
さらに外資や最大手企業では、PMやPLになることで1,500万円台も目指せるでしょう。
また、フリーランスで1,000万円を目指す場合は案件の単価を意識することが大切です。
フリーランスの場合においても、ITインフラに注力している大手企業の案件が狙い目です。
サーバーエンジニアが高年収を目指す方法は?
それではここからは、サーバエンジニアが高年収を目指す方法について解説していきます。
年収を上げるために、以下の5点を確認してみてください。
サーバーに関する知識やスキルを高める
サーバーエンジニアは、LinuxやUNIX、Windows Serverといったサーバーの操作スキルやミドルウェアの知識など、幅広くサーバーに関する知識が必要となる職種です。
また、扱うサーバーも、Webサーバーやデータベースサーバー、ファイルサーバー、メールサーバーなどそれぞれ種類があるため、基本的・全般的なサーバースキルを保有しておくことをおすすめします。
そこからさらに高収入を目指したい場合は、それぞれを深掘りして学習を進めていくとよいでしょう。
セキュリティやクラウドに関する経験を積む
サーバーには企業秘密や顧客の個人情報が収められているため、セキュリティに関する知識も欠かせません。
万全にセキュリティ対策が図れるよう、セキュリティマネジメントやセキュリティソフトなどの基本的な知識を身につけておく事をおすすめします。
また、これからの時代は、ますますクラウドの文化が広がっていくことが予想されます。
クラウドに関する知識やスキルの有無が、そのままサーバーエンジニアとしての評価につながっていくことが予想されるため、しっかりと学習しておく事をおすすめします。
特に、クラウドサービスを利用した仮想化の知識や、仮想化を考慮したシステム設計のスキルなどは年収アップに直結するものとなるでしょう。
コミュニケーション能力を高める
また、サーバー設計の際には、顧客が求めるサービスの内容やサーバーの使用容量、コスト面などのバランスをプログラマーと相談しながら設定していくことが大切となります。
コミュニケーション能力が高いと円滑に業務を進められるようになるため、年収アップにも繋がりやすくなるでしょう。
論理的思考力を高める
また、論理的思考力は、サーバーエンジニアのみならず広くIT業界で必要となるスキルです。
特にサーバーエンジニアにおいては、物事の筋道を立ててサーバーを構築していく能力が必須になるため、必ず持っておきたい能力となります。
論理的思考力は、サーバーに仕様変更が発生した場合にも活躍します。
できるだけ影響を出さず工数も少なく変更するためには、欠かせないスキルです。
転職する
さらに、転職することも年収を上げる一つの方法です。
IT業界において、転職で年収を上げることはひとつの文化として成立しており、他の業界よりも転職について寛容です。
転職する際には、 中小企業のPM・PLを募集しているという求人に注意しておきましょう。
急いで募集している求人では、PM・PLがいない状態でプロジェクトが進行されている場合もあり、働き方に難がある可能性が高いと言えます。
通常であれば、PM・PLといったリーダー職は、社内に在籍しているエンジニアが持ち上がっていくことが多いでしょう。
それができないということは、大幅な人員不足だったり、会社がプロジェクトを抱え込みすぎているということが想定されます。
なお、PM・PL「候補」の求人であれば、こうした疑いを持つ必要はありません。
新たにプロジェクトを始める場合などにおいては、経験・スキルを持った外部の人材を新たに雇うといったこともごく普通のことです。
また、転職する際には、前述した通り自社システムを保有しているような大手企業を狙うことがおすすめです。
インフラ面を重要視している企業では、サーバーエンジニアに支払う報酬も多くなってきます。
サーバーエンジニアの年収アップに有利な資格
サーバーエンジニアの年収アップには資格取得も非常におすすめです。
特に以下の3つの資格はニーズも高いため、是非とも資格取得を目指してみてください。
なお、サーバーエンジニアの年収アップに必要な資格については下記記事でも詳しく解説しています。
シスコ技術者認定
シスコ技術者認定は、アメリカの大手ネットワーク機器メーカー「シスコシステムズ」が主催する認定資格です。
シスコはネットワーク業界で欠かせない機器で、ほとんどのネットワーク・サーバーエンジニアが触ったことのあるメーカーとも言えるでしょう。
そんなシスコが運営している「シスコ技術者認定」では、レベルごとに「エントリー」「アソシエイト」「スペシャリスト」「プロフェッショナル」「エキスパート」の5つの認定プログラムが用意されています。
その中でも、アソシエイトレベルの「CCNA」は、非常に知名度・実用性ともに高い資格です。
インフラエンジニアが保有する資格として非常にメジャーなものとなっているため、まずはCCNAの取得を目指すと間違いないでしょう。
Linux技術者認定試験
Linux技術者認定試験は、LPI-JAPANが認定している「Linux技術者」としての技術を認定する試験です。
こちらは難易度別に3段階の試験が用意されており、クラウドや仮想化技術といった最先端のスキル取得も目指すことのできる資格となっています。
LinuxはサーバーOSとして使用されるケースが多い技術です。
取得することで、 サーバーエンジニアとしての評価に直結してくる技術となりますので、是非とも獲得しておきたい資格となります。
ORACLE MASTER
ORACLE MASTERは、オラクル社が主催しているOracle Databaseの管理スキルを認定する資格です。
試験は難易度別にBronze、Silver、Gold、Platinumの4段階のグレードが用意されています。
Oracle Databaseは、データベース系の製品の中でも突出してシェア率が高い製品です。
サーバーエンジニアの中でも、特にデータベースを扱う人には第一に取得をおすすめしたい資格です。
サーバーエンジニアの将来性は?
それではここからは、サーバーエンジニアの将来性について見ていきましょう。
サーバーエンジニアは全体として、将来性が非常に明るい職種と言えます。
近年の傾向としては、 物理的なサーバーを自社で保有する企業は減少し、クラウド型へ移行していることが挙げられます。
そのため、クラウドに関する知識を保有しているサーバーエンジニアの市場価値はこれからますます高まっていくことでしょう。
また、 最近ではビッグデータの活用やSaaS、PaaS、IaaSなどもIT業界のトレンドとして挙げられます。
時代とともにサーバーエンジニアの在り方や求められるスキルは変わっていきますが、 少子高齢化や人材不足などの影響もあって、サーバーエンジニアに対する需要がなくなることはないでしょう。
サーバーエンジニアの将来性は明るいとは言ったとしても、大変なところや必要なスキルなども知っておくとより理解が深まります。
詳しくは以下の記事で紹介していますので、ご参考ください。
サーバーエンジニアに向いている人の特徴は?
それでは最後に、サーバーエンジニアに向いている人の特徴を解説していきます。
ご自身がそうした特徴に当てはまっているかどうか、是非とも確認してみてください。
緻密な作業が好きな人
サーバーエンジニアは、緻密な作業が好きな人にオススメの職種です。
サーバーエンジニアの業務における特徴として、 例えばコマンドラインで一文字間違えただけで重大なトラブルを引き起こす場合など、緻密な作業が求められることが挙げられます。
細かい違いを的確に見分け、正確な手順で業務を遂行できる能力は、サーバーエンジニアに欠かせないスキルです。
コミュニケーション能力がある人
一般的にIT業界といえば、パソコンに向き合っている印象が強いですが、サーバーエンジニアとして活躍するにはコミュニケーション能力が必須です。
サーバーエンジニアは、顧客やプログラマーとの連携作業が必須となる職業です。
ITに疎い顧客に対してもわかりやすく説明できる能力や、反対に専門的なプログラマーとも対等に話せるだけの論理的思考力が問われます。
コミュニケーション能力は、ITスキルと同等に大切な能力です。
体力がある人
また、サーバーエンジニアは、シフト勤務や緊急のトラブルにも対応できる体力・精神力が必須となる職業です。
日勤・夜勤が交錯する現場も多く、生活リズムや自律神経は常に乱れがちな職業であるとも言えるでしょう。
不規則な勤務にも耐えられる体力や精神力は、長くサーバーエンジニアとして活躍するために必要な能力となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、サーバーエンジニアの年収に着目して、サーバーエンジニアの仕事内容や年収事情、年収を上げる方法や将来性、向いている人の特徴などを一挙に解説しました。
是非とも本記事を参考に、サーバーエンジニアへの転職を考えてみてはいかがでしょうか。