ITインフラの中枢を担い、将来性や収入も高いサーバーエンジニア。
しかしインターネット上には、「 サーバーエンジニア やめとけ」「サーバーエンジニア きつい」との声も散見されます。
そこで今回はサーバーエンジニアの業務内容に着目して、サーバーエンジニアがきついと言われる理由や、反対にサーバーエンジニアの魅力も徹底解説します。
「こんな理由ならサーバーエンジニアはやめとけ」という志望動機も解説しますので、是非とも転職活動の参考にしてみてください。
なお、サーバーエンジニア以外にもインフラエンジニアの実情などが知りたい方は以下記事をどうぞ!
「インフラエンジニアはやめとけ」と言われる理由や実情を中心に解説していますので、良ければ参考にしてください。
サーバーエンジニアはやめとけ・きついと言われる理由は?
それでは早速、サーバーエンジニアはやめとけ・きついと言われる理由についてみていきましょう。
夜勤や休日出勤が多い
サーバーエンジニアは夜勤や休日出勤が多い職種です。
そのため、生活リズムや自律神経が乱れることが多く、体力面で自信がない人にとっては健康を害してしまう可能性も多いと言えるでしょう。
サーバーは常に動き続けているため、基本的には24時間365日稼働のプロジェクトが多いと言えます。
シフト制の現場がほとんどで、下請けの企業などによっては運用・監視業務しかないところもありますが、責任を問われるサーバーエンジニアは休日出勤や深夜の出勤もあり得るでしょう。
また、こうしたシフト制・24時間365日稼働の現場は、入社してすぐに経験を積むために配属されることも多く、はじめから体調を崩して苦しんでいるエンジニアも多いようです。
突発的な障害やトラブル対応がある
また、突発的な障害やトラブル対応があることも押さえておきましょう。
サーバーは、目立った前触れもなく突然トラブルが発生することも多いです。
そのためトラブルの予測もできず、サーバーエンジニアたちは常に監視し続ける集中力と注意力が必要となります。
現場によっては頻繁にこうしたトラブルが発生してしまう場合も多く、常に頭を使って、かつ残業も多い、という可能性も否めません。
突発的な対応は体力面だけでなく精神面にも支障をきたすことでしょう。
サーバーエンジニアは体力面・精神面ともに負荷のかかる職業です。
常に勉強し続ける必要がある
サーバーエンジニアは日々の業務を遂行するだけでなく、常に最新の知識を勉強し続ける必要があります。
毎日仕事をしながらも、帰宅後も勉強を続けるという生活に疲れてしまう人も多いようです。
IT業界はトレンドの流れが非常に早く、常に最新の情報をアップデートしなくてはなりません。
勉強が好きだという人にとっては何も問題がないかもしれませんが、 やはり多くの人にとっては休日もうまく体や心が休まらないことでしょう。
責任感が重い
サーバーにトラブルが発生してしまうと企業全体の活動をストップすることになるため、サーバーエンジニアは非常に責任感が重い職業です。
サーバーは、トラブルが発生しないようにあらかじめ予防しておくものであり、 システムは常に稼働していて当たり前な世の中です。
そのため失敗が許されない空気が漂っており、責任感を強く感じてしまう人も多いでしょう。
また、上流工程に携わる現場の場合、すぐにダウンしないようなサーバを作るために、顧客と話し合ってサーバーの環境構築を決めなくてはいけません。
常に慎重な行動が求められるほか、ITに疎い顧客にもわかりやすく説明しなくてはいけないため、こうした部分でプレッシャーを感じてしまう人には難しい職業といえるでしょう。
コミュニケーション能力も必須
パソコンと向き合っているイメージが強いIT業界ですが、サーバーエンジニアはコミュニケーション能力も必須な職業となります。
サーバーエンジニアは、顧客との打ち合わせやプログラマーとの対話も多い職業です。
そのため、会話が苦手な人、一人で黙々と作業をしたい人にとってはおすすめできない職種であると言えるでしょう。
未経験者のうちは給料が少ない
高収入のイメージも強いサーバーエンジニアですが、 未経験者のうちは給料が少ないことも加味しておきましょう。
最初のうちは監視するだけの業務に徹する事も多いサーバーエンジニア。
日勤・夜勤を交錯しながらも、また突発的なトラブル対応に追われながらも、よい給料をすぐにもらえるというわけではないため、最初のうちは割に合わないと感じる人も多いようです。
未経験者募集の求人の中には、長時間監視を続けるだけの企業も存在します。
IT業界でキャリアを積み、給料を上げていくにはスキルアップすることが大切ですので、企業選びの際には、しっかりとスキルが積み重なっていくところかどうかを重視するようにしましょう。
「こんな理由ならサーバーエンジニアはやめとけ」という志望動機とは?
ここからは、「こんな理由ならサーバーエンジニアはやめとけ」という志望動機について見ていきましょう。
ご自身が当てはまっていないかどうか、一度確認してみてください。
ルーティーン業務が多く楽そう
サーバーエンジニアの大切な職務として運用・保守が挙げられますが、運用・保守と聞くとルーティーンワークを想像する人も少なくないかもしれません。
しかしサーバーエンジニアは、業務の中にルーティーンが含まれることもあるものの、要件定義や設計、開発などにおいてはその限りではありません。
案件やプロジェクト、顧客によって、求めるサーバーの規模や内容は異なるので、構築作業はもちろん、運用・保守業務においてもルーティーンが効かないことがほとんどでしょう。
サーバーエンジニアはシステムの運用に重要なサーバーを責任もって取り扱う仕事です。
決して楽なルーティーンワークだけではないので、そう考えている人には「やめとけ」という意見が当てはまりそうです。
一人での作業が多く気楽そう
また、「一人での作業が多く気楽そう」という意見も誤った認識です。
実際の現場では、サーバートラブルがなく監視しているだけの状態においては、サーバールーム内で一人もしくは少人数で作業したり、リモート環境から監視したりすることもあります。
一人での作業があることは確かですが、非常事態や要件定義などの場面においては積極的に他者とコミュニケーションを図ることが求められます。
クライアントの要望を具体的にヒアリングすることや、 チームメンバーと要件のすり合わせを行う際には、こちらから話しかけていく能力も必要です。
サーバーエンジニアは、決して単独で自由に取り組める仕事ではないので、「一人で黙々と作業したい」「一人での作業が多く気楽そう」という考えを持っている人の場合、転職後に大きなギャップを感じるかもしれません。
給料が高そう
相場としてサーバーエンジニアの給料が高いのは事実ですが、やはり高収入にはそれだけの理由があります。
夜勤や長時間労働、迅速なトラブルシューティング、休日勤務といった時間外手当などがその内容です。
サーバーエンジニアは給料の分だけ激務なため、体力面・精神面に気をつけていないと長期間稼ぎ続けることは厳しい職業であることを覚えておきましょう。
また、転職後すぐに高収入が見込めるわけではないことも、認識しておきたいポイントです。
サーバーエンジニアは一般的に、あまり給与相場が高くない運用・保守メインの案件から、経験や学習を積んで給与の高い設計・開発業務へとキャリアアップしていきます。
高い給料だけを目的にサーバーエンジニアになることはあまりおすすめできない選択肢かもしれません。
サーバーエンジニアの年収についてはこちらを参考にしてください。
サーバーエンジニアの魅力・メリットは?
それではここからは、サーバーエンジニアの魅力・メリットについて見ていきます。
未経験でも挑戦できる
IT業界は右肩上がりの業界であり、人員も慢性的に不足していることから、未経験でも挑戦しやすい業界です。
その中でもサーバーエンジニアは「未経験者歓迎」の求人も目立ち、学歴・職歴についての厳しい条件無しで募集されていることも多いでしょう。
業務が多忙で難易度も高く「やめとけ」 と言われがちなサーバーエンジニアですが、未経験者がエンジニアに挑戦できるスタート地点の職種としてのメリットは十分にあります。
需要が高く将来性が大きい
また、サーバーエンジニアは需要が高く、将来性が大きい職種です。
ただでさえ人員不足が激しいIT業界ですが、クラウドやセキュリティ、仮想化の技術を身につけることで、より一層市場価値の高いサーバーエンジニアへと成長することができます。
体力・精神力面での課題や日々学習を続ける根気さえ克服できれば、安定性の高い職種であるとも言えるしょう。
IT系の仕事に転職しやすい
サーバーエンジニアとしてのスキルはエンジニアの基本であるため、一度サーバーエンジニアとして技術を培ったあとは、他のIT系の仕事に転職しやすいというメリットもあります。
例えばネットワークセキュリティの技術を身につければ、広く「インフラエンジニア」 としての市場価値が高まります。
また、サーバーのスキルをベースとして、データベースやフロントエンドのスキルを身につければ、「Webエンジニア」としても活躍できるでしょう。
さらに、これらの分野においてスペシャリストやコンサルタントを目指すことも可能であるため、キャリアの選択肢は豊富にあると言えます。
サーバーエンジニアに必要なスキルは?
続いて、サーバーエンジニアに必要なスキルについて解説します。
サーバー設計・サーバーOSのスキル
サーバー設計やサーバーOSに関するスキルは、 サーバーエンジニアに求められる基本的なスキルとなります。
特に、LinuxやUnixなどのOSはしっかりと勉強しておきましょう。
また、サーバー設計の業務においては、広くコンピューターの仕組みを理解しておく必要もあります。
適切なサーバー台数や必要なCPU・メモリを把握できるよう、コンピュータアーキテクトの知識も必須です。
クラウドサービスのスキル
現代、そしてこれからの時代は、クラウドサービスに関するスキルが重要となってきます。
クラウドサービスはコストの削減や導入スピードの速さなどのメリットがあるため、近年利用する企業はますます増加中です。
そうした動きに伴って、サーバーエンジニアがクラウドサービスを扱う機会も増えてきています。
AWSなどのクラウドサービスは今後も普及が見込まれているため、学習しておくと自身の市場価値も高まるでしょう。
セキュリティ関連の知識
また、クラウドと同じく、セキュリティ関連の知識も非常に大切です。
現代はセキュリティ攻撃の方法も多様化しており、サーバーに対する攻撃も盛んです。
そのためサーバーエンジニアは、より一層のセキュリティに関する高いスキルが求められるようになってきています。
今後はサーバーのセキュリティに留まらず、クラウドやデバイスなどのセキュリティまで考慮した設計が必要です。
なお、セキュリティに関する知識を備えておくと、今後セキュリティエンジニアとして転職できる可能性も広がります。
サーバーエンジニアに向いている人の特徴は?
継続した学習が必要で、激務ともなるサーバーエンジニアですが、サーバーエンジニアに向いている人の特徴はどのようなものが挙げられるのでしょうか。
責任感・プレッシャーに強い
第一に、責任感やプレッシャーに強い人は、サーバーエンジニアに向いていると言えるでしょう。
サーバーは、 ひとつのコマンドを間違えても動かなくなるほど繊細なものです。
そのため、慎重かつ責任感のある行動ができる人が求められています。
また、サーバーエンジニアは、障害対応が突発的に起こり、間違えられないプレッシャーの中で業務を行うことも多いです。
仕事における責任感が苦にならない人や、プレッシャーのある現場を励みにできる人にはおすすめの職業と言えるでしょう。
勉強が好きだ
また、サーバーエンジニアは継続した勉強が必要な職業です。
IT業界のトレンドの流れは凄まじく、休日も勉強を続けられる人が活躍する傾向にあります。
そのため勉強が好きだという人はキャリアを築きやすいでしょう。
また、サーバーエンジニアは他のエンジニア職よりもハードに触れることが多い職種です。
そのため機械をいじることが好きな人、ハードウェアの勉強が好きな人は楽しみややりがいを見つけられる職業であるかもしれません。
体力がある
サーバーエンジニアは、夜勤・長時間労働が多く、体力・精神力のある人におすすめの職業です。
休日出勤や緊急対応も日々生じるため、体力に自信がない人は体を壊してしまうかもしれません。
しっかりと体調を整え健康面にも配慮できることも、 サーバーエンジニアとして長く働き続けるには大切なスキルです。
サーバーエンジニアに向いている人の特徴や必要スキル・年収はこちらでも詳しく解説しているので、参考にしてください。
サーバーエンジニアを目指すには?
それでは、未経験者がサーバーエンジニアを目指すにはどうすればいいのでしょうか。
転職エージェントを利用する
はじめに、転職エージェントを利用することを強くおすすめします。
サーバーエンジニア未経験者は、しっかりと教育の行き届いている「未経験者歓迎」の優良企業に応募することが大切です。
転職エージェントは、業界のことをしっかりと把握したプロのキャリアアドバイザーが転職活動を支援してくれます。
内情を知らない未経験者にとってはこの上なく強い味方となることでしょう。
実際に転職エージェント上には未経験者歓迎の求人も数多く掲載されており、また、転職エージェントに登録しないと見れない「非公開求人」にこそ、数多くの優良求人が揃えられています。
転職エージェントは実際に転職をしなくとも、相談だけでも利用できますので、転職活動に迷った際には何かの転職エージェントサービスを利用するとよいでしょう。
「未経験からITエンジニア転職」専門の転職エージェント「活学キャリア」がおすすめです。
資格を取得する
また、転職に先立って資格を取得しておくこともおすすめします。
サーバーエンジニアとして転職をしたい場合は、特に、LinuC、AWS認定資格、基本情報技術者、ITパスポートといった資格が有益です。
また、大手通信機器メーカーであるシスコが運営しているCCNAも、実力や意欲が示せる有用な資格でしょう。
資格は、未経験者にとって興味関心や意欲を公的に伝えられる手段ですので、簡単な資格でも是非とも獲得しておきましょう。
サーバーエンジニアのおすすめ資格はこちらで解説しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、「サーバーエンジニア やめとけ」「サーバーエンジニア きつい」という声に着目して、サーバーエンジニアの業務内容やきつい理由、魅力・メリットや向いている人の特徴を解説しました。
是非とも本記事を参考にサーバーエンジニアについてしっかりと理解し、転職活動を考えてみてください。