SES案件抜けたい!現役エンジニアが語る抜け方と注意点を解説

「SES案件、もう抜けたいけど“今やめても大丈夫かな…」

「次の案件や転職先って、未経験の自分にも見つかるの?」

そんな悩みを抱えるSESエンジニアに向けて、本記事では、現役エンジニアの視点からSES案件を抜けたいときに考えるべき選択肢・抜け方の注意点・転職や案件変更後のキャリアの築き方を解説します。

不安を整理し、後悔のない一歩を踏み出すための実践的な内容をお届けします。

トピックス
・SES案件を抜けたい人がやってはいけないNG行動とは?
・トラブルなく辞めるためのステップと注意点
・抜けた後のキャリアと未経験でも通用する転職先の探し方

目次

SES案件から抜けたいときに考えるべきこと

「転職するほどじゃないけど、この案件はもう限界かも…」

そう感じたとき、真っ先に考えたいのは“いまの会社に残るか、それとも環境ごと変えるか”という選択です。

ここでは、SES案件から抜けたいと思ったときにとるべき2つの行動パターンについて解説します。

社内で案件を変更してもらう

多くのSESエンジニアが直面するのが、「会社は辞めたくないけど、今の案件が合わない・きつい」という悩みです。

たとえば、
「業務レベルが自分に合っていない」
「炎上プロジェクトで残業が多すぎる」
「人間関係がしんどい」


など、精神的負担が積み重なって抜けたくなるケースは珍しくありません。

こうした場合は、まず担当の営業や上司に相談するのが第一歩です。

ここで大事なのは、「とりあえずやめたい」という感情だけではなく、
「どこが辛いのか」
「何をどう変えてほしいのか」


を具体的に伝えること。

本音をうやむやにしてしまうと、「頑張れそう」と判断されてしまい、案件ガチャが繰り返される可能性もあります。

タイミングとしておすすめなのが契約更新の直前。
SES案件は1~3か月ごとに更新されることが多く、その時期であれば、客先との契約調整や引継ぎもしやすく、トラブル回避につながります。

無理に我慢し続けるのではなく、「このタイミングで変えたい」と早めの意思表示をすることで、案件変更が現実的な選択肢になります。

転職で環境を変える

「何度相談しても、希望に合う案件に入れない」
「そもそもこの働き方が自分に合っていない」

そう感じたときは、転職によって環境を抜本的に変える選択肢も視野に入れてOKです。

特に、
「スキルアップできない」
「正当に評価されない」
「キャリアの将来が見えない」


といった不安があるなら、SESにこだわらず、自社開発企業や社内SE、学習支援がある企業への転職を考えるのも有効です。

「未経験だから…」と尻込みする必要はありません。
実際、SES出身の方が転職エージェントを通じてキャリアチェンジする例は増えています。

まずは自分の希望条件やスキルを整理し、「何が変わればもっと働きやすくなるのか?」を考えることがスタートです。

それでも不安が残るなら一人で抱え込まず、プロに相談することが大切です。

活学キャリアでは、現役エンジニア経験を持つキャリアアドバイザーが、あなたの強みや課題に寄り添いながら、最適な転職先や学習方法をご提案します。

SESから抜けたいと思った“今”が、キャリアを見直すチャンスです。

SES案件を抜ける前に注意するポイント

「もう限界だから、すぐ抜けたい」
そう思ったときこそ、一度立ち止まってトラブルにならない抜け方を確認することが大切です。

SESエンジニアとして働いていると、契約先との関係や退職時のルールなど、注意すべきポイントがいくつかあります。

客先へは勝手に相談しない

今の案件に不満があっても、クライアント(常駐先)に直接相談するのはNGです。

あくまであなたの雇用主はSES企業であり、契約上のやり取りもすべて自社を通して行う必要があります。

直接クライアントに「もう抜けたいです」などと伝えてしまうと、信頼関係の破壊や、営業担当との連携ミスに発展する可能性があり、最悪の場合“退場”という形でトラブルに発展しかねません。

まずは冷静に、営業担当や上司に相談するのが基本です。

退職は1ヶ月前に伝える

「辞めたい」と思っても、当日や数日前に伝えるのは避けましょう。
基本的に、退職の意思は1ヶ月前には伝えるのがビジネスマナーかつ業務上の常識です。

SESの場合、クライアントとの契約更新タイミングに合わせて調整が必要なため、早めに意思表示することで後任者の手配や引継ぎがスムーズに行えます。

また、契約期間中に辞める場合の対応方法は、あらかじめ就業規則や契約内容を確認しておくと安心です。

スムーズに退職する方法については、こちらで詳しく解説しています。

引継ぎは丁寧に済ませる

次のステップに進むためにも、引継ぎは丁寧に行いましょう。

これまで関わった業務内容やドキュメント、連絡先などを整理し、担当者がすぐに業務を引き継げる状態にすることが理想です。

「どうせ辞めるから」と投げやりになると、会社側との関係が悪化し、円満退職が難しくなる可能性があります。

最終日まで誠実に対応することが、後悔のない退職につながります。

損害賠償は原則発生しない

「途中で辞めたら、損害賠償を請求されるのでは?」と不安になる方も多いですが、正当な手続きのもとで退職する限り、損害賠償が発生することは原則ありません。

労働基準法第16条では、「違約金や損害賠償の予定をしてはならない」と定められています。

ただし、業務放棄や引継ぎの放置などで企業に明確な損害を与えた場合には例外もあるため、注意しましょう。

SESから自社開発などへの転職をしたい人は、こちらの記事を参考にしてください。

SES案件を抜けたい主な理由5つ

実は、多くのSESエンジニアが同じような悩みを抱えており、案件を抜けたいと思う理由には共通点があります。

ここでは、現場でよく聞く「抜けたい」と感じる主な理由を5つ紹介します。

あなたの悩みがどれに当てはまるか、ぜひ照らし合わせてみてください。

業務レベルが合わない

「仕事についていけない」
「スキル不足を感じる」

そんなとき、自信を失ったり、焦ったりしてしまうものです。

特に、急に高難度の業務を任されたり、サポートがない環境では、スキルミスマッチが原因で精神的にも追い込まれてしまいます。

また、中には実際のスキル以上の内容で経歴を盛られた状態で現場に出されてしまうケースもあり、注意が必要です。

「とにかく早く現場に出してほしい」という企業の都合で、経験していない言語や案件を“やったことがある”と見せかけられるようなことがあるなら要注意。

もし、そうした不自然な経歴のせいで現場についていけなくなっているなら、環境を変える選択肢を本気で検討しましょう。

そのような経歴詐称をするSESでの裁判事例や回避方法などこちらの記事で徹底的に解説しています。

成長できる環境がない

毎日同じような業務の繰り返しで、「このままでいいのかな…?」と不安になることはありませんか?

簡単な保守作業だけを延々とこなす案件も多く、スキルアップできないまま時間だけが過ぎていくという声もよく聞きます。

「5年後の自分が想像できない・・」そう感じたら、キャリア不安のサインかもしれません。

実際に3年以上「保守・運用」で上流工程業務に携われない場合は転職をおすすめします。

それ以上下流工程業務を続けても、年収もスキルもアップしていかないからです。
時間を無駄にしないためにも、キャリアアップしていける企業へ転職を考えましょう。

人間関係ストレス

常駐先によっては、職場の雰囲気や人間関係が合わないこともあります。

「質問しづらい」
「孤立している気がする」

など、コミュニケーションのストレスが積み重なると、精神的な負担が大きくなります。

SESの働き方は、職場環境が固定されない分、人間関係のリスクも高いのが現実です。

残業が多すぎる

「毎日終電ギリギリ」
「休日出勤が当たり前」

そういった状況に置かれている方も少なくありません。

炎上プロジェクトにアサインされると、慢性的な長時間労働が続くこともあります。
無理が続けば、体力的にも精神的にも限界が来る前に抜ける判断が必要です。

評価されない働き方

どれだけ頑張っても、「現場の成果が自社の評価に反映されない」
これもSESならではの大きな悩みです。

客先から評価されていても、自社では評価が不明瞭だったり、給与に反映されないこともあります。

「頑張りが正当に見てもらえない」と感じたとき、モチベーションの低下や将来への不信感が募るのは当然のことです。

SES案件から抜けたいと感じたらまずやること

「なんとなくこの案件合わない気がする…」

そう感じたとき、いきなり退職や転職を考える前に、自分の気持ちと向き合う時間を持つことがとても大切です。

焦って行動すると、また同じような環境に逆戻りしてしまうことも。

後悔しない選択をするために、まずはこの3つのステップを意識してみてください。

理由を言語化する

最初にやるべきことは、「なぜ抜けたいと思っているのか」を自分の言葉で整理することです。

人間関係?スキルが合わない?評価されない?残業が多すぎる?
漠然とした不満のまま動くと、原因を取り除けず、環境を変えても同じ問題に悩むことになります。

例えば、
「スキルミスマッチで仕事についていけない」
「評価制度が不透明でやる気が出ない」


など、できるだけ具体的に書き出してみましょう。

頭の中が整理されるだけで、次に進むべき方向も見えてきます。

転職 or 案件変更を決める

理由が整理できたら、次は今の会社に残って案件を変えるのか、それとも転職するのかを判断する段階です。

たとえば、案件の内容だけが問題なら「営業担当に相談して別案件に切り替える」という選択が現実的。

しかし、会社の体制や考え方そのものに不信感がある場合は、キャリアチェンジを前提とした転職のほうが長期的には安心です。

特に、
「炎上プロジェクトが続いている」
「無理な経歴を押し付けられている」

など、企業側のスタンスに問題がある場合は要注意。
どちらを選ぶにしても、“逃げ”ではなく“前進”のための選択であることが重要です。

後悔しない条件を洗い出す

最後に、次の職場や案件で大事にしたい条件を明確にしておきましょう。

たとえば、
・スキルアップできる案件に入りたい
・残業が少なく、プライベートを大切にできる
・評価制度が明確な環境で働きたい
・自社開発や社内SEのような安定した働き方に移行したい

…など、自分が何を望んでいるかが見えていれば、転職活動や営業担当への相談もブレません。
この「後悔しない条件」が言語化できているかどうかが、次のキャリアを成功させる鍵になります。

【体験談】SES案件こうして抜けた

SES案件に不満を抱えていても、「本当に抜けてもいいのかな…」と迷って動けない人は多いはずです。

ここでは、実際にSES案件を抜けた現役エンジニアの体験談を紹介します。

どんな悩みがあり、どう行動し、どう変わったのか。リアルな声からヒントを得てみてください。

抜ける前に悩んだこと

配属されたのは、データセンターでの1人常駐案件でした。

最初は「落ち着いて仕事ができそう」と前向きにとらえていたのですが、日が経つにつれ孤独感と不安が強くなっていきました。

社内メンバーは誰もおらず、相談相手がいない。業務もマニュアル通りの監視作業ばかりで、人と話さず1日が終わることも普通。

そのうち
「この仕事、誰でもできるんじゃないか?」
「スキルも上がらないし、何のために働いてるんだろう…」
と感じるようになりました。

もともと人と連携して進める仕事が好きだった私にとって、“ただ現場にいるだけ”の時間がとても苦痛でした。

ただ、転職するほどかと言われると踏み切れず、「せめて案件を変えられたら…」と思いながら日々を過ごしていました。

実際の退職手順と周囲の反応

ある日、営業担当から定例の連絡があった際に、思い切って本音を伝えました。

「業務自体に不満はないけれど、1人常駐でメンタル的にきついです」と。

すると、営業から「実は同じような声は少なくない」と返ってきて、驚いたと同時に少し安心しました。

営業も親身に話を聞いてくれて、契約更新のタイミングでの退場を前提に、次の案件を探してくれることに。

正式に案件を抜けるまでには1ヶ月ほどかかりましたが、その間も必要な引継ぎを丁寧に進めて、トラブルなく終えることができました。

抜けたあとのキャリアの変化

その後アサインされたのは、自社メンバーも複数名いるチーム型の開発案件でした。

毎朝のミーティングやコードレビューなど、コミュニケーションを取りながら進めるスタイルが自分にはとても合っていました。

業務内容も少しずつ発展的になり、先輩のサポートを受けながら実装や設計の補助に携わる機会も増えたことで、「このままエンジニアとして成長していけるかも」と前向きな気持ちになれました。

今振り返って思うのは、「1人で抱え込まず、早めに相談して本当に良かった」ということ。

“案件を変えてもらう”という選択肢があることを知らなかったら、きっと今もつらい気持ちを我慢し続けていたと思います。

SES案件を抜けたい人のよくある質問

SES案件から抜けたいと思っていても、実際に行動に移すとなると不安や疑問が出てくるものです。

ここでは、よく相談される3つの質問を取り上げ、順番に答えていきます。

「自分も同じことで悩んでる」と感じた方は、ぜひ参考にしてみてください。

上司が聞いてくれない

「案件を変えたい」と思って相談しても、「もうちょっと頑張ってみよう」と流されたり、「そんなのワガママだよ」と真剣に取り合ってもらえないこともあります。

そんなときは、“誰に・どのタイミングで・どう伝えるか”を少し工夫することがポイントです。

たとえば、契約更新の1ヶ月前に、
「具体的に〇〇のような悩みがあり、業務が継続できないと感じています」
と伝えると、対応されやすくなります。

それでも改善されない場合は、上司よりも営業担当や人事に直接相談するのも有効です。

無理して我慢することが“誠意”ではありません。
あなたの気持ちをきちんと伝えることは、正当な行動です。

次の案件決まる前でも辞めていい?

結論から言うと、次の案件が決まる前に辞めることは可能です。

ただし、注意点があります。

まず、会社によっては“待機期間(案件がない間)も在籍扱い”で給与が発生するケースもあれば、案件が切れたら契約終了になるケースもあります。

そのため、自分の雇用形態・契約内容(正社員か契約社員か)を確認しておくことが大切です。

また、契約更新の直前であれば、無理に次を決めずに一度抜けるという選択も現実的です。
引継ぎや周囲への影響を配慮しつつ、納得感のある辞め方を目指しましょう。

転職の場合のタイミングについては、こちらで解説しています。

SES経験を活かせる転職先は?

「SESって、転職に不利なんじゃないの?」と不安に思う人も多いですが、実はそんなことありません。

SESで得た経験は、たとえば以下のような転職先で活かせます:

・社内SE:社内インフラやシステムの管理・運用に関われる
・自社開発企業:開発プロセス全体に関われるチャンスが広がる
・中小SIer企業:顧客折衝や設計など、上流工程も任されやすい
・ITサポート・ヘルプデスク:コミュニケーション力を活かしやすい職場

また、SES経験者は現場慣れ・柔軟な対応力・報連相の力を評価されるケースが多く、未経験よりも転職成功率は高い傾向があります。

「何をやってきたか」よりも「どう考え、どう行動してきたか」が問われる時代です。
自信を持って次のステップを考えてみましょう。

まとめ|SES案件は抜けられる。自分に合った道を選ぼう!

「この案件、なんか違う気がする」
そう思ったとき、それはただのわがままではなく、キャリアを見直す大切なサインかもしれません。

SESで働く上では、案件内容・職場環境・評価制度など、自分の力ではどうにもならない要因に振り回されることも少なくありません。

だからこそ、「このままでいいのか?」と感じたときには、案件を変える・転職するという選択肢を冷静に検討することが大切です。

この記事では、
・SES案件を抜けたいときの選択肢(案件変更/転職)
・トラブルなく抜けるための注意点
・実際の体験談とキャリアの変化
・よくある疑問とその答え

を通して、「どう動けばいいか」が具体的にイメージできるよう解説しました。抜けることは、逃げではありません。

あなたが、自分に合った働き方を見つけるための“前向きな選択”です。

もし今、「どうすればいいかわからない」「次に進む自信がない」と感じているなら、未経験からのキャリアチェンジを支援する「活学キャリア」に相談してみてください。

現役エンジニア出身のアドバイザーが、あなたの想いや状況に寄り添いながら、案件変更や転職の選択肢を一緒に考えてくれます。

活学キャリアの転職成功者インタビュー

この記事の監修者

s

エンジニア・講師

山本 忠輝

東京大学大学院において宇宙関係の研究に従事。その後はIT開発の現場に身を置き、エンジニアとしての実務経験を積みながら、人事としての採用・育成にも携わる。現在は活学ITスクールの講師としても活動中。業界歴は14年におよび、現場と人事の両視点から未経験から活躍できるエンジニアを多数輩出。

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