インフラエンジニアに夜勤があるのはなぜ?避ける方法も解説!

インフラエンジニアは夜勤で何をしてるの?

夜勤を避けて働く方法はあるの?

ITインフラの仕事に興味がある方や、これから転職を考えている方の中には、夜勤の有無や働き方について不安を感じている方もいると思います。

インフラエンジニアの仕事は、24時間止められないシステムやネットワークの裏側を支える重要な役割です。

そのため、トラブル対応や深夜のメンテナンスなど、夜間に業務が発生することもあります。

本記事では、インフラエンジニアに夜勤がある理由や、主な業務、避ける方法、メリット・デメリットまでを詳しく解説します。

できれば日勤だけで働きたかったり、夜勤経験を活かしたい方の参考になれば幸いです。

本記事を読んでわかること
  • 夜勤が必要なのは「24時間稼働」が前提のシステムを支えるため
  • 夜勤で主に担当するのは監視・保守などの運用系業務
  • 夜勤には給与アップや自由時間確保などのメリットもある
  • 夜勤の継続には体力・生活リズム・メンタル管理が重要
目次

インフラエンジニアに夜勤がある理由5つ

夜勤が必要な背景には、企業ごとの運用体制、コスト面の工夫など、さまざまな理由があります。

ここでは、夜勤が発生する主な5つの理由を解説します。

24時間稼働が求められるシステムが多いから

現代社会では、インターネットバンキングやECサイトなど、24時間365日止められないシステムが数多く存在します。

もし夜間にトラブルが発生した場合でも、すぐに対応できる体制が必要です。

そのため夜勤やシフト勤務を導入し、早急に対応できるようにしているのです。

利用者が少ない夜間にしかできない作業があるから

メンテナンスやアップデート、サーバーの再起動などは、利用者が少ない時間帯に行うのが一般的です。

中でも大規模なシステムは、日中の作業によって多くのユーザーに影響が出てしまうため、夜間や早朝にしか実施できません。

こうした夜間作業で、サービスの安定提供が実現しているのです。

障害対応は即時が基本、夜でも例外ではないから

障害は、突然発生します。

サービスが停止したまま長時間放置すると、企業は信頼を失うため、即時対応しなければなりません。

実際に、筆者が勤めていた企業では、深夜2時にECサイトがダウンし、そのまま朝まで放置されたことで、翌日の売上が前日比で30%も減少した事例がありました。

夜勤は、こうした緊急時に備える意味でも重要なのです。

一部企業では運用監視を夜勤体制で固定しているから

企業によっては、夜勤専任のチームやシフトを設けている場合があります。

勤務体制を固定することで、業務の分担が明確になり、効率的な運用やスタッフの負担軽減にもつながります。

夜間対応によりコスト最適化を図っている場合もあるから

夜間は日中より人件費が割増になる一方、システムの利用率が低下するため、効率的な人員配置やコスト削減を目的にこの体制を導入している企業もあります。

たとえば、夜間にメンテナンスすることで日中の業務を止めずに済み、全体の運用コストも抑えられます。

インフラエンジニアが夜勤で担当する主な業務5つ

インフラエンジニアが夜勤で担当する主な業務5つ
  • ネットワーク・サーバー監視
  • システムの深夜保守・パッチ作業
  • ヘルプデスク・問い合わせ対応
  • 設計・構築・導入業務
  • ドキュメント作成

インフラエンジニアが夜勤で求められる業務は多岐にわたります。

ここでは、担当する主な業務内容と可能性について一覧表でまとめました。

業務内容夜勤の可能性備考
ネットワーク・サーバー監視高い24時間体制が基本で、交代シフトが組まれている
システムの深夜保守・パッチ作業高いユーザー影響を避けるため夜間に集中することが多い
ヘルプデスク・問い合わせ対応中〜高24H受付企業では必要。社内インフラなら不要な場合も
設計・構築・導入業務低い原則日中。日勤を選びたい人向けの選択肢
ドキュメント作成低い業務の空き時間に行うことが多く、夜勤要因ではない

主に行っているのは、ネットワークやサーバーの監視、深夜の保守・パッチ作業です。

これらは24時間体制での対応が求められるため、交代制のシフトが組まれることが一般的です。

筆者も一時期、夜勤シフトでサーバー監視を担当していました。

ある夜、午前3時にアラートが鳴り、データベースサーバーのCPU使用率が異常に高くなったものの、すぐに原因を特定して対応し、朝の業務開始前に問題を解決できました。

大変ではあったものの、こういう時こそ自分が役に立っていると感じたのを覚えています。

一方、設計や構築、ドキュメント作成といった業務は日中に行われることが多く、夜勤の対象にはなりにくい傾向があります。

夜勤を行うインフラエンジニアのメリット・デメリット

夜勤を行うインフラエンジニアのメリット・デメリット
  • 給与面…深夜手当による収入アップが期待できる一方、大きな差が出るとは限らない。
  • 働き方…通勤ラッシュを避けられるなど自由度は高いが、生活リズムの乱れには注意が必要。
  • キャリア形成…トラブル対応の経験は評価されやすいが、運用中心だと上流工程への移行が難しくなることも。
  • 精神面…静かな環境で集中しやすい反面、孤独やメンタル面の負荷を感じやすい。

夜勤には、メリットとデメリットの両面があります。

ここでは、メリット・デメリットを項目別に整理しました。

項目メリットデメリット
給与面深夜手当により年収が上がる可能性がある日勤と比較しても極端な増加ではない場合もある
働き方通勤ラッシュを避けられる/日中を自由に使える生活ルーティンが乱れやすく、予定が組みにくい
キャリア形成トラブル対応経験が、即戦力として評価されやすい運用に偏ると設計や上流工程に進みにくいこともある
精神面集中できる環境がある孤独感を感じやすく、メンタル負荷が大きくなることも

最大のメリットは、深夜手当による給与アップと、通勤ラッシュを避けられること。

とくに若い時期は、経験を積むことでトラブル対応力が身につき、即戦力として評価されます。

実際に、筆者はSES企業に勤めていたとき、夜勤を2年間経験していましたが、静かな時間に集中できるのはメリットだと感じました。

一方、デメリットとして挙げられるのは、生活リズムの乱れや孤独感です。

家族や友人との時間が取りにくくなり、メンタル面での負荷が大きくなることもあります。

また、運用業務に特化しすぎると、設計やマネジメントへのステップアップが遅れる可能性もあります。

メリットの他にもインフラエンジニアの「やりがい」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

インフラエンジニアとして夜勤に適性がある人

夜勤は誰にでもできる仕事ではありません。体力や生活習慣、性格など、さまざまな要素が適性に関わってきます。

ここでは、適性がある人の特徴を4つの観点から解説します。

自分が向いているかどうかチェックしてみてください。

夜勤の適正以外に、インフラエンジニアに向いているかどうか知りたい方は、こちらの記事でチェックしてみてください。

体力があり若さに恵まれている

一般的な生活ルーティンとは異なる時間帯で働くため、体力面での負担は大きくなります。

とくに深夜の時間帯は人間の生理的な活動が低下するため、集中力や判断力の維持が困難になることがあります。

若い時期は体力に余裕があり、生活リズムの変化にも適応しやすいため、耐えられる傾向があります。

実際に25歳で夜勤を始めた筆者の友人は、「最初の3ヶ月は体調を崩しがちだったけど、半年経つと体が慣れてきた」と話していました。

しかし、30代後半になると疲労が蓄積しやすくなり、継続が困難になったと話しています。

夜型の生活が自分に合っている

適性がある人の特徴として、もともと夜型の生活を送っている人が挙げられます。

夜に集中力が高まり、作業効率が上がる人は、夜勤の環境に適応しやすい傾向があります。

また、夜の静かな時間を好み、日中よりも夜の方が作業しやすいと感じる人も向いています。

体調・メンタルの自己管理が得意

夜勤は、体調やメンタル面での管理が非常に重要になります。

生活リズムが乱れやすい環境で働くため、食事や睡眠の管理、ストレス発散の方法などを自分でコントロールできる人こそ適性があります。

また、孤独感やプレッシャーに耐えられるメンタルの強さも必要です。

実際、夜勤中の孤独感を解消するため、同僚とのコミュニケーションを大切にしたり、定期的に家族や友人と連絡を取ったりする方もいます。

自己管理能力が高い人ほど、長期的に続けられる傾向があります。

収入や自由時間を重視している

夜勤を選択する理由として、深夜手当による収入アップや、日中を自由に使える時間の確保を挙げる人が多くいます。

将来的なキャリアアップのための勉強時間を確保したい人、また、副業や趣味、家族との時間を重視する人にも適しています。

なぜなら夜勤の場合、日中に趣味や家族との時間を作れるからです。

インフラエンジニアの夜勤がキャリアに与える影響

夜勤の経験は、キャリアにどのような影響を与えるのでしょうか。

短期的には大変な面もありますが、長期的な視点で見ると、キャリアアップの重要な要素となります。

ここでは、夜勤がキャリアに与える3つの影響について詳しく解説します。

インフラエンジニア全体のキャリアパスについては、こちらを参照ください。

トラブル対応力が磨かれ、即戦力として評価されやすくなる

日中に比べて少ない人員でシステムの監視やトラブル対応をするため、一人ひとりの責任が重くなります。

加えて迅速な対応も求められるため、問題解決能力や冷静な判断力が鍛えられます。

夜勤で培ったトラブル対応力は、転職時やキャリアアップ時に大きな武器となります。

また、夜勤経験は、設計や構築業務でも活かせて、より幅広い業務に対応できるようになります。

構築や設計へのステップアップの基盤にもなる

運用業務を経験することで、システムの動作や問題点を深く理解できるようになります。

そして実際にトラブルに遭遇し、復旧作業をすることで、システムの内部構造や脆弱性について詳しく学べます。

運用業務で得た知識は、設計段階で「運用しやすいシステム」を構築する際に活かすことが可能です。

運用経験を積んだエンジニアが設計業務に移行することで、より実用的で保守性の高いシステムを構築できるようになります。

夜勤対応可能な人材は市場価値が高く転職時も評価されやすい

24時間体制でのシステム運用を必要とする企業は多く、夜勤経験者は転職市場でも高い需要があります。

夜勤経験とトラブル対応力を併せ持つ人材は、多くの企業から注目される存在となります。

転職時には、夜勤経験が「責任感の強さ」や「困難な状況での対応力」として評価されることが多いです。

また、夜勤対応可能な人材は、企業の人員配置の柔軟性を高めるため、採用側からも歓迎される傾向があります。

夜勤勤務を続けるための体調管理と習慣の工夫

長く続けるためには、体調管理と生活習慣の工夫がカギです。

まず、夜勤明けは、なるべく日光が当たらないようしっかり睡眠を取ることが大切です。

食事は消化に良いものを選び、夜勤前後の栄養バランスにも気を配りましょう。

あとは適度な運動や趣味の時間を設けてストレスを発散し、孤独感を感じやすい勤務中も同僚とのコミュニケーションを大切にすることです。

実際に夜勤を3年続けている知人は、夜勤なりに生活リズムを整えたことで体調が安定し、慣れたと話しています。

定期的な健康チェックも忘れず、無理のない生活を心がけましょう。

インフラエンジニアが夜勤を避けるための実践策

夜勤がどうしても合わない、日中だけ働きたいと考える方も少なくありません。

実は、夜勤を避けるための具体的な方法は存在します。

ここでは、日勤限定の求人選びやキャリアアップ、社内交渉、転職エージェントの活用など、実践的な回避策を紹介します。

日勤限定の求人を最初から選ぶ

最も確実なのは最初から「日勤限定」と明記された求人を選ぶことです。

求人票や企業の採用ページには、勤務時間やシフト体制が記載されていることが多いので、必ず確認しましょう。

日勤限定の職場は人気が高いため、早めの情報収集と積極的な応募がポイントです。

日勤限定で仕事探しをしてる方は、活学キャリアへお問い合わせください。

経験を活かして構築・設計職へキャリアアップ

構築や設計といった上流工程の職種は、基本的に日中勤務が中心です。

運用・監視業務で得た経験や知識を活かし、構築・設計職へキャリアアップすることで、解放されるケースが多くなります。

実際に、夜勤が体質的に合わなかった筆者の知人は、運用経験を活かして設計職へ転職しました。

「夜勤時代のトラブル対応経験が、設計段階でのリスク管理に役立っている」と話しており、キャリアアップによって働き方も大きく改善されたそうです。

現職で交渉・異動を交渉する

現在の職場で夜勤が負担になっている場合は、上司や人事担当者に相談し、日勤への異動やシフト変更を交渉する方法もあります。

企業によっては、家庭の事情や健康上の理由を考慮して、柔軟に勤務体制を調整してくれる場合もあります。

また、社内で新たなプロジェクトや日勤中心のポジションが生まれるタイミングを狙って、積極的に異動希望を出すのも有効です。

転職エージェントで夜勤なしの求人を探す

夜勤なしの職場を効率よく探したい場合は、転職エージェントの活用が非常に有効です。

エージェントは非公開求人や希望条件に合った案件を紹介してくれるため、自分一人では見つけにくい日勤限定の求人にも出会えます。

また、面接対策や書類添削、企業との交渉もサポートしてくれるので、転職活動が初めての方にも安心です。

活学キャリアでは、未経験からでもITインフラ分野への転職をサポートしており、日勤限定や働き方にこだわった求人も多数取り扱っています。

  • 「給料をもらいながら実務を学べる」
  • 「未経験求人1,200件以上」
  • 「転職成功率98.7%」

といった実績があり、ブラック企業の排除や徹底したマッチングにも力を入れています。

少しでも夜勤のない働き方に興味がある方は、ぜひ検討してみてください。

インフラエンジニアの夜間勤務に関するよくある質問

最後に、夜勤に関するよくある質問にお答えします。

女性も夜間のシフトに入ることはある?

はい、女性も夜間シフトに入ることはあります。

IT業界では性別に関係なく、スキルや経験に基づいて業務が割り振られることが一般的です。

ただ企業によっては、女性は夜勤について配慮されるケースも珍しくありません。

夜間勤務だけの募集は実際にあるの?

はい、夜間勤務専任の求人は存在します。

24時間体制でのシステム監視が必要な企業や、夜間のメンテナンス作業を専門に行う役割では、専任の募集が行われることがあります。

求人票に「夜勤専任」「夜間シフト」と明記されている場合が多いです。

夜勤は本当に大変なのでしょうか?

企業や人それぞれで差があるので一概には言えませんが、最初の1〜3ヶ月は体が慣れるまで大変です。

体調管理や生活ルーティンの調整など自己管理が課題となるので、向き不向きは分かれる仕事と言えます。

夜勤の手当はいくらくらい?

手当は企業によって異なりますが、一般的に時給の25〜30%程度の割増が適用されることが多いです。

ちなみに筆者が28歳で夜勤を始めた頃は、月額で合計1万円ほどの手当が支給されていました。

ただ企業によっては深夜手当の計算方法が異なるため、事前に詳細を確認することが重要です。

年収については、以下を参考にしてください。

まとめ:夜勤を理解すればインフラキャリアは広がる

夜勤はインフラエンジニアにつきものですが、その経験はスキルアップや市場価値向上にもつながります。

デメリットばかりに目を向けず、前向きに捉えてキャリアの幅を広げていきましょう。

夜勤の有無や働き方に悩んでいる方は、ぜひ活学キャリアをご利用ください。

活学キャリアは、未経験のITインフラ転職をサポートしており、日勤限定や希望条件に合った求人もたくさん紹介しています。

あなたの理想のキャリアを一緒に考え、実現まで徹底サポートしますので、ぜひこの機会に活用してみてください。

この記事の監修者

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エンジニア・講師

山本 忠輝

東京大学大学院において宇宙関係の研究に従事。その後はIT開発の現場に身を置き、エンジニアとしての実務経験を積みながら、人事としての採用・育成にも携わる。現在は活学ITスクールの講師としても活動中。業界歴は14年におよび、現場と人事の両視点から未経験から活躍できるエンジニアを多数輩出。

この記事の監修者

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谷川 昭雄

株式会社ラストデータ 代表取締役/元Earth Technology創業者

IT未経験者向け転職支援・エンジニア育成のプロ。
2013年に「英語×IT人材」に特化したEarth Technologyを創業し、年商18億円企業へと成長。2021年には株式会社ラストデータを設立。未経験から活躍できるエンジニアを多数輩出。累計5,000名以上のキャリア支援を行う。

IT業界歴は17年以上におよび、未経験者向け転職支援・エンジニア育成のプロ。

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