最近、インフラエンジニアは未経験でも誰でもなれるという広告が多く見られます。しかし、インフラエンジニアになった方の中には、入社前後のギャップにより早期退職をする人もいます。
今回は、インフラエンジニアになることを検討されている方向けに、「インフラエンジニアがやめてしまう理由」を解説します。
また、未経験からインフラエンジニアを目指す場合は、資格の取得がおすすめです。「活学ITスクール」では、未経験からインフラエンジニアを目指す方のために「CCNA資格取得コース」を提供しています。
プロのキャリアアドバイザーによる就職・転職支援もあるので、スキルを身につけて転職も成功させたい方は、ぜひ活学ITスクールをご活用ください。
なお、入社前のギャップを減らし後悔ないキャリアを築くためには、こちらも参考にしてください。
インフラエンジニアが仕事についていけないといわれる理由
インフラエンジニアについて仕事についていけない理由として考えられるのは、以下の6点です。
- トラブルを解決するまで仕事が終わらない
- 突発のトラブル対応が多い
- 休日出勤が多い
- 継続的な勉強が必要
- 仕事の専門性が高い
- 仕事の成果が見えにくい
インフラエンジニアは「きつい」「やめたい」といった噂を時々耳にしますが、その理由を具体的に解説します。
トラブル解決するまで仕事を終われない
インフラエンジニアは、サーバーやネットワークなどのシステム問題が解決するまで仕事を終えられないことが珍しくありません。
電力会社が停電の直後に問題を解決して電力を復旧できるように、ITインフラに問題が発生した場合にも迅速に対応する必要があります。
たとえば、社内のシステムを動かしているサーバーが停止してしまうと、日々の業務に支障をきたし、多大な損失を被る可能性が否定できません。
ECサイトの閲覧に問題が生じた場合、購入を検討している方を長時間待たせしてしまうことで、売上に影響を与える可能性があるでしょう。
トラブルの再発を防ぐためには、トラブルが解決した後も顧客向け報告書の作成があり、残業が発生することもあります。
突発のトラブル対応が多い
設計段階では、スムーズに動作することを確認するために多くのテストが行われますが、それでも突発的な問題が発生することがあります。
もし問題が発生すれば、たとえ業務時間外であっても対処しなければなりません。
対応に時間がかかることもあるため、仕事終了後の予定が立てにくいことが精神的にきつくなる要因の一つとなっています。
休日出勤が多い
24時間365日の対応を強いられるインフラエンジニアは、基本的に交代制で勤務するため、毎週末休めるわけではありません。
とくに大規模なシステムで大規模な構成変更やインストールを行う場合、土日や連休をはさんで作業を行うことがあります。
友人や家族の休日に合わせて外出や旅行の計画を立てられず、プライベートを楽しめないと感じることも、ストレスの一因となりがちです。
継続的な勉強が必要
IT業界全体に言えることですが、技術革新は非常に早く、毎年トレンドが変化します。
勉強を続けないと時代についていけなくなり、時代のニーズにあったシステムやサービスを提供できなくなる可能性があります。
たとえば、これまではサーバー機器を自社内に設置する「オンプレミス型」のサーバー運用が主流でしたが、現在はクラウドサービスを用いた「クラウド型」の運用が主流です。
このように、常に新しい技術に対応できる知識が求められます。学習に時間を費やさなければならない点が「きつい」と思わせる一因となっています。
「インフラエンジニアはきつい」といわれる理由を、以下の記事でさらに詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。
仕事の専門性が高い
インフラエンジニアの仕事をこなすためには、OS・ネットワーク・ハードウェアなど幅広い知識が必要です。
専門性が高いため、勉強不足になることが原因で「実務についていけない」と感じる人もいます。
また、インフラエンジニアの仕事は設計・構築・システム運用など多岐にわたります。
設計・構築・システム運用のうちどの仕事を担当しているかなど、業務の全体像が明確になっていない場合も仕事についていけなくなるでしょう。
仕事の成果が見えにくい
インフラエンジニアは、システムが正常に動作し続けるように努力し、エラー修正やバージョンアップに尽力します。
しかし、頑張ってインフラを順調に機能させたとしても、ユーザーは「普通に動いていることが当たり前」と錯覚しています。
なかには、インフラエンジニアが毎日管理してくれていることすら知らないユーザーもいるでしょう。
インフラエンジニアは頑張りが評価されにくく仕事の成果が見えにくいため、モチベーションが低下して「ついていけない」と感じる人もいます。
インフラエンジニアが仕事についていけないときにすべきこと
インフラエンジニアの仕事についていけないときの対処法は、次の3つです。
- 仕事についていけない理由を明確にする
- スキルアップを図る
- 転職を考える
以下、それぞれの対処法を詳しく解説します。
仕事についていけない理由を明確にする
インフラエンジニアが仕事についていけない場合、まずは「なぜ仕事についていけないのか」を明確にすることが大切です。
何に悩んでいるのかを把握しなければ、不安や焦りが大きくなるだけで、具体的な解決策にはつながりません。
反対に、悩みや問題が明確になることで、次に取るべき行動や対処法が見えてきます。
例えば、休日出勤が多く疲れが溜まっていることが原因で「仕事についていけない」と感じる場合、有給を使ってリフレッシュするといいでしょう。
気持ちが一新して「ついていけない」という気持ちから抜け出せるかもしれません。
インフラエンジニアの仕事についていけないと感じる理由を紙に書き出すなどして、まずは状況全体を俯瞰して考えてみましょう。
スキルアップを図る
2つ目は継続を目指しスキルアップを図る方法です。
インフラエンジニアの仕事はさまざまありますが、家庭のパソコンを扱えるような単純な業務もあります。
知識や経験が足りない方は、自ら勉強してスキルアップを図っていくことで少しずつ業務レベルを上げていきましょう。
技術力が向上し、それによりすこしずつ大きなプロジェクトに参画できるようになれば、やりがいも感じやすくなります。
転職を考える
どうしてもきつければ同業他社への転職を検討するのも1つの方法です。
現在の会社ですでに経験を積んでいれば、実績を活かして条件面を交渉できます。
転職エージェントに頼めば、求人情報だけではわからない仕事の裏側を教えてくれるので便利です。
インフラエンジニアとしての業務そのものが苦しいのであれば、思い切って別の業界に挑戦してみるのも選択肢の一つでしょう。
業界で数年頑張ってきた人なら、豊富なIT知識をアピールできます。
インフラエンジニアとして働くメリット
インフラエンジニアの仕事は「ついていけない」「きつい」などの意見も多々ありますが、当然メリットもあります。
- 将来性が高い
- 年収が高い
- 社会貢献度の高さ
ここからは、インフラエンジニアのメリットについて、それぞれ詳しく解説します。
将来性が高い
インフラエンジニアとして働くメリットとして、将来性が高い点も挙げられます。
経済産業省が発表した「DXレポート」によれば、デジタル技術を活用したビジネスモデルが多種多様な産業に登場し、デジタル化が進行※しています。
今後も、多くの企業がデジタル技術を取り入れることが予想されます。
デジタル技術の普及を考えると、インフラの基盤を整備して安定的な運用を支える役割を果たすインフラエンジニアの需要は、今後も高まると予想できるでしょう。
さらに、最近ではクラウド上でのインフラ構築が一般的となっており、クラウドITインフラに移行する企業も増えています。
クラウドに関する知識をもつインフラエンジニアはとくに重宝され、高い将来性が期待できるでしょう。
インフラエンジニアの将来性については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。ぜひチェックしてみてください。
※参照:DXレポート
年収が高い
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag※1」によると、ITインフラなどの基盤システムを構築するシステムエンジニアの平均年収は、約660万円です。
2022年度の日本の全職業の平均年収が443万円※2と発表されたことを考慮すると、インフラエンジニアはかなり高い水準であるといえます。
年収1,000万円以上を実現しているインフラエンジニアもおり、エンジニアのなかでも高い水準が狙える職業です。
平均年収については、こちらでインフラエンジニアになるメリットも交えて詳しく解説しているので、合わせてチェックしてみてください。
※1.参照:厚生労働省「job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」
※2.参照:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」
社会貢献度の高さ
インフラエンジニアは、社会貢献度が高い職種です。
ITインフラは現在、世界中のあらゆるシーンで使用されています。
情報化社会と呼ばれる現代において、インフラエンジニアは企業のみならず社会からも求められる職業となっているのです。
仕事のなかで、「自分が社会に貢献している」ということを強く意識したい方は、インフラエンジニアとしての業務に高いモチベーションをもって臨めるでしょう。
インフラエンジニアに向いている人の特徴
インフラエンジニアとして働くなら知的好奇心を持ち合わせているかが重要です。
知的好奇心が旺盛な人は、新しい知識や技術に対して興味を持ち、積極的に自己学習ができるからです。
また、機械に触れて作業することが好きな人にも向いています。
なぜなら、インフラエンジニアは機械やシステムに関わる仕事が多く、機械を操作してトラブルシューティングを行うのが主な業務だからです。
機械に触れることに抵抗がなければ、業務に対して苦痛に感じることもないでしょう。
障害に迅速に対応するための課題解決力や、チームで仕事をするためのコミュニケーションスキルに優れた人も、インフラエンジニアへの適性がある人材です。
小さなミスが大きな障害に発展してしまう恐れもあるため、細かい部分まで配慮できる人も、インフラエンジニアに向いています。
以下の記事では、インフラエンジニアに向いている人の特徴をさらに詳しく解説しています。
ぜひチェックしてみてください。
インフラエンジニアに必要なスキル
インフラエンジニアに必要な4つのスキルについて解説します。
- インフラ設計スキル
- インフラに関する知識
- 提案能力
- プロジェクトマネジメントスキル
必要なスキルを理解して、自分に足りないものは何かをチェックしましょう。
インフラ設計スキル
システムの安定運用には適切な設計が不可欠です。
障害が発生してもシステムがダウンしない高可用性の構成と、性能を考慮した構成を実現するには、高レベルなスキルが求められます。
設計が悪いと構築に影響が出るだけでなく、大きな障害が発生したり、リソースが冗長になったりして、システムの可用性が低くなるリスクは否定できません。
設計スキルを向上させるために、書籍やセミナーから情報を入手したり、ベンダー提供のドキュメントやベストプラクティスを参考にしたりしましょう。
インフラに関する知識
インフラに関する幅広い知識も、インフラエンジニアには欠かせません。
ネットワークやサーバーはもちろん、近年のトレンドになりつつあるクラウド環境についての知識も必要です。
近年はクラウドサーバーを利用した構築が主流となっています。そのため、クラウドサーバーの運用・保守案件が増加しています。
オンプレミスが主流だった時代は、WindowsやLinuxの知識やスキルがあれば問題ありませんでしたが、近年はAzureやAWSなどの主要なクラウドサービスのスキルが必要となっています。
提案能力
インフラエンジニアは、ヒアリング力と提案力が非常に重要な職種です。
とくに上流工程に携わるインフラエンジニアは、顧客の要望をヒアリングし、要件に沿ったインフラを提案する必要があります。
簡単に身につくスキルではないため、経験を積むなかで養っていかなければなりません。
プロジェクトマネジメントスキル
プロジェクトマネジメントスキルがあると、インフラエンジニアとして一歩ステップアップできます。
プロジェクトマネジメントは、リーダー以上のインフラエンジニアを目指す上で必須のスキルです。
上流工程で必要となることが多いスキルですが、運用・保守でもトラブル対応や顧客への報告、チームマネジメントなども発生するため、どの工程でも必要となります。
以下の記事では、仕事内容や必要なスキルをわかりやすく解説していますので、気になる方はぜひご覧ください。
インフラエンジニアになって後悔しないためにしておくべきこと
今から目指す人は、インフラエンジニアになって後悔しないために次のポイントを押さえましょう。
- 仕事内容をしっかり理解する
- 自分に向いている企業を選定する
- スクールで技術を習得する
以下、それぞれのポイントについて具体的に解説します。
仕事内容をしっかり理解する
インフラエンジニアになって後悔しないためには、まず職務内容を理解する必要があります。
職務内容を理解していないと、就職後に思い描いていたイメージと実際の職務内容のギャップに苦しみ、後悔することになります。
インターネットでインフラエンジニアについて調べたり、実際にエンジニアをしている方に話を聞いたりして、インフラエンジニアの現状を確認しましょう。
自分に向いている企業を選定する
インフラエンジニアになりたいなら、自分に向いている企業を探す必要があります。
企業によって環境は大きく異なるため、自分に合わない環境の企業の場合、後々つらくなる可能性がでてきます。
向いている企業かどうかを確認するため、インターネット上の転職サイトの情報や転職者の口コミなどを確認するとよいでしょう。
転職エージェントなどに聞いてみるとネットには載っていない情報などを得られる可能性もあるため、有効に活用してみてください。
スクールで技術を習得する
インフラエンジニアになって後悔したくないなら、スクールで技術を習得することも検討してみてください。
なぜなら、インフラエンジニアになって後悔する人の中には、「スキル不足により仕事についていけない」と感じるケースも多いからです。
インフラエンジニアには特定の技術や知識が求められるため、事前に学ぶことで仕事への理解を深め、即戦力として活躍できるでしょう。
活学ITスクールなら、インフラエンジニアを目指す際にぜひ取得しておきたい資格「CCNA」の取得が可能です。
未経験者でも最短1ヶ月でCCNAを取得できるため、効率的に学習を進めたい人はぜひチェックしてみてください。
プロのキャリアアドバイザーによる転職・就職支援も提供しており、インフラエンジニアへのキャリアチェンジを徹底してサポートいたします。
まとめ:インフラエンジニアになって後悔しないためにスキルを身につけよう
インフラエンジニアはITエンジニアの中でもハードな業務であり、ついていけない、きつい職業といわれることがあります。
また、ITエンジニアの中でも短期間で辞める人が多い業界でもあります。しかしながら給与が高いなど、その分メリットも多くあるのも事実です。
インフラエンジニアに向いているかどうか、働く企業があなたにあっているかを就職する前にしっかり確認してください。
よりよい環境で働けるようにスキルを身につける準備もしましょう。