ネットワークエンジニア キャリアパス完全ガイド|未経験20代から年収アップする道

「このままネットワーク運用だけ続けていて、将来大丈夫なのかな…?」

「ネットワークエンジニアって、実際どんなキャリアパスがあるの?」

ネットワークエンジニアとしてのキャリアに不安を感じている未経験の20代に向けて、本記事では「ネットワークエンジニア キャリアパス」の全体像をわかりやすく解説します。

SESとして働き始めたばかりでも、将来の選択肢を知ることで年収アップやキャリアアップの道が見えてきます。

トピックス3つ
・未経験20代が知っておくべきキャリアの広がり方
・クラウドや設計など、目指せる専門職のルート
・年収アップや転職成功のために今やるべきこと

目次

ネットワークエンジニアの最新トレンドについて

ネットワークエンジニアを目指すうえで、「これから求められるスキル」や「時代に合わせたキャリア形成」は外せない視点です。

ここでは、クラウド時代におけるネットワークエンジニアの進化と、雇用の変化にどう対応すべきかを解説します。

クラウドとオンプレミスを使いこなすハイブリッド人材が求められる理由

現在、ネットワークエンジニアには「クラウドもオンプレもわかる人」が強く求められています。
理由は明確で、企業のインフラ構成が大きく変化しているからです。

特に、AWSやAzureなどのクラウドサービスは、初期コストを抑えやすくスピーディーに構築できるため、多くの企業が導入を進めています。

一方で、オンプレミスには高いセキュリティ性や自社に合わせた細かなカスタマイズが可能といった利点があり、根強い需要があります。

こうした背景から、両者を組み合わせた「ハイブリッド構成」が注目されており、用途ごとに最適な環境を使い分ける運用が一般化しています。

たとえば、重要な機密情報はオンプレミスで安全に管理し、アクセスが集中する期間のみクラウドでスケールさせるといった運用が可能です。

クラウドとオンプレミスの両面に対応できるエンジニアは、設計から運用まで幅広く携われるため、キャリアの幅が大きく広がります

求められるのは成果と専門性!ジョブ型雇用にどう備えるか?

近年では、明確な業務内容とスキル条件をもとに採用が行われる「ジョブ型雇用」の動きが広がり、ネットワークエンジニアの評価軸にも変化が生まれています。

この雇用形態では、専門性や技術力が評価の中心となるため、実績やスキルがあれば年収アップも現実的です。
また、フリーランスとして独立したり、希望に合ったプロジェクトを選んだりと、働き方の選択肢も増えています。

一方で、知識や経験が乏しいエンジニアは評価されにくく、案件が限られるリスクもあるのが現実です。

こうした変化に対応するためには、自分に合ったキャリアの方向性を見極めたうえで、どの分野で力を発揮できるかを明確にしていく必要があります。

キャリアパスを理解し、強みを活かせるポジションを狙うことが、将来の安定と成長につながります。

【完全図解】ネットワークエンジニアの3つのキャリアパス

ネットワークエンジニアとして働いていると、「この先、どんな道があるのか」「どの方向に進めば後悔しないのか」と迷う場面が出てくるはずです。

キャリアの選択肢を知らないまま働き続けてしまうと、スキルも年収も思うように伸びない…なんてことも。
本章では、ネットワークエンジニアが実際に選べる以下3つのキャリアパスについて解説します。

・【スペシャリスト型】プロフェッショナルとして極める!
・【ゼネラリスト型】幅広い知識でリーダーへ!
・【フルスタック型】インフラから開発まで!

【スペシャリスト型】プロフェッショナルとして極める!

ある分野に特化して知識とスキルを深め、専門家としてキャリアを築く「スペシャリスト型」の道もネットワークエンジニアの重要な選択肢の一つです。

たとえば、ネットワークの知見を活かしてITコンサルタントとして企業の課題解決に関わる、あるいはセキュリティ領域に特化してセキュリティエンジニアとして活躍するルートがあります。

このような専門性を証明するには、ネットワークスペシャリスト試験やCCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)といった高度な資格の取得が大きな武器になります。

スペシャリストとして高いスキルを発揮できれば、最先端技術の導入支援や大規模ネットワークの課題解決といった重要な局面でリーダーシップを取ることができます。

結果として、市場での評価も高まり、年収アップやプロジェクト選択の自由度も増していくでしょう。

職種例:

■ ネットワーク系の高度専門職
ネットワークエンジニア(設計・構築)
ネットワークスペシャリスト
シニアネットワークエンジニア
ネットワークアーキテクト
CCIEエンジニア

■ セキュリティ分野に特化した職種
セキュリティエンジニア
インフラセキュリティエンジニア
SOCアナリスト(Security Operation Center)
CSIRTエンジニア
セキュリティコンサルタント

■ 技術コンサル・設計支援系
インフラコンサルタント
ITコンサルタント(ネットワーク領域)
プリセールスエンジニア(インフラ)
テクニカルスペシャリスト

【ゼネラリスト型】幅広い知識でリーダーへ!

ネットワークの知識を土台にしながら、サーバーやデータベース、セキュリティなど他分野のITスキルを身につけて、ゼネラリストとしてのキャリアを歩む選択肢もあります。

ゼネラリストは、広範な知識を活かしてシステム全体の構成や課題を俯瞰できるため、チームのまとめ役やプロジェクトの指揮を取る立場として活躍できる点が特徴です。

さらに、ITとビジネスの橋渡し役となる視点を持てば、ITコンサルタントとして経営戦略に関わるポジションを目指すこともできます。

加えて、プロジェクト管理やメンバーマネジメントのスキルを高めていけば、将来的にはマネージャーや部門責任者としてのキャリアアップも見えてきます。

職種例:

■ 中堅〜マネジメント寄り
インフラエンジニア(システム全体担当)
ITアーキテクト
プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトリーダー(PL)
ITコンサルタント(インフラ領域)
セールスエンジニア(技術営業)

■ 管理職・経営視点が求められるポジション
ITマネージャー(インフラ部門)
情報システム部門の課長/部長職
CTO補佐/技術統括責任者

【フルスタック型】インフラから開発まで!

ネットワークだけでなく、開発領域にも対応できる「フルスタック型」のキャリアは、技術の幅を広げたいエンジニアにとって魅力的な選択肢です。

このルートでは、ネットワーク設計やインフラ構築の知識に加えて、プログラミング言語(Pythonなど)やクラウド環境(AWS, GCP)、API設計やCI/CD(継続的インテグレーション/デリバリー)の知識も求められます。

フルスタックエンジニアの強みは、インフラとアプリの両面を理解しているからこそ、一貫したシステム設計と運用効率の高い開発が可能な点です。

具体的には、
・インフラの自動化ツール(Ansible、Terraformなど)の開発
・クラウドネイティブなアプリケーションの設計・構築
・システム全体のパフォーマンス改善提案

1人で複数の技術領域をまたいで活躍できるため、企業からの評価も高く、需要の高い人材として扱われます。

加えて、スタートアップや中小企業でのテックリードや技術顧問のような役割を担うこともでき、キャリアの柔軟性と将来性の両方を手に入れやすいのが特長です。

ネットワークエンジニアとしてキャリアアップするは?

「今のままで、将来本当に通用するのか…?」と感じている方も多いはず。
ネットワークエンジニアとして成長していくには、目的を持った段階的なステップアップが必要です。

ここでは、未経験〜中堅レベルの方に向けて、キャリアアップの具体的な道筋と行動のポイントを整理して解説します。

【初級】脱・「保守・運用」を目指す

IT未経験からネットワークエンジニアを目指す場合、最初は保守や運用のポジションからキャリアをスタートすることが一般的です。

ただし、こうした業務に3年以上携わっても、スキルの伸び悩みやキャリアの停滞につながる可能性があります。

保守・運用はあらかじめ決められた作業を繰り返すことが多く、応用的な技術やトラブル対応力を身につけにくいのが実情です。

また、作業が単調でモチベーションの維持が難しいと感じる方も少なくありません。

加えて、近年はAIやRPAによる業務自動化の進展により、保守・運用の仕事そのものが減少するリスクもあります。

そのため、早い段階で構築・設計といったより上流の工程にチャレンジすることが重要です。

たとえば、
・CCNA・CCNPなどの資格取得で基礎知識を証明する
・上流工程にアサインしてくれるSES企業へ転職する

こうした行動によって、より実践的なスキルを身につけるチャンスが広がります。
早期に構築・設計にステップアップできれば、将来的に安定して高度な領域へ進む選択肢も持てるようになります。

【中堅】構築でのスキルアップ戦略

構築フェーズに関われるようになると、ネットワーク設計の理解やトラブル対応の経験が増え、一気にスキルの幅が広がります。ここが、キャリアにおける「技術的飛躍ゾーン」です。

・実際のネットワーク機器(L2/L3スイッチやファイアウォール)の設定に関われる
・新しい環境を一から作る経験が、設計・提案フェーズへの布石になる
・CCNPレベルの知識を現場で活用しやすくなる

構築業務は、単なる作業ではなく
「何をどうつなぐか」
「どの順番で設定するか」

といった論理的な思考力も問われるフェーズです。

AWSやAzureなどのクラウド構築経験をプラスすれば、クラウドエンジニアへの道も開けてきます。現場での経験を増やしつつ、転職市場で評価されやすいスキルを選んで身につけていくのがポイントです。

【最上流】設計・要件定義へ

ネットワークエンジニアとして最も難易度が高く、同時に評価が上がるのが「設計」「要件定義」といった上流工程です。
クライアントやチームと連携し、最適なネットワーク構成をゼロから考えるフェーズになります。

・クライアントの要望をヒアリングし、技術要件に落とし込む力が必要
・複数の構成案を比較・検討し、将来的な拡張性も考慮して提案する
・メーカーやベンダーとの調整、提案資料作成など対外的な業務も増える

このレベルでは、高度資格(ネットワークスペシャリスト、CCIEなど)の取得が大きな武器になります。
また、技術だけでなく「言語化」「説得力」「調整力」も重要です。

ここまで来れば、ITコンサルタントやインフラアーキテクトといったキャリアの道も開け、年収レンジも大幅に変わってきます。

ネットワークエンジニアの将来性

ネットワークエンジニアは、クラウドの普及やIoT機器の増加、リモートワークの定着などにより、今後も高い需要が見込まれる職種です。

特にAWSやAzureといったクラウド環境のネットワーク構築・設計ができる人材は、企業からの引き合いも多く、年収アップやキャリアアップにつながりやすい傾向があります。

ネットワークエンジニアとして将来性を確保するには、クラウドやセキュリティ、プログラミングなど周辺領域の知識を広げ、より高度な役割を担えるようになることが重要です。

詳しくは、こちらで解説していますのでこちらを参照してください。

ネットワークエンジニアにおすすめ資格7選

未経験からネットワークエンジニアを目指すにあたって、資格取得はスキル証明や転職での評価につながる重要な手段です。

特に中途未経験の場合、「学習意欲がある」「基礎が身についている」ことを客観的に示せる資格は、キャリアの入り口を広げてくれます。

この章では、現場で評価されやすいネットワークエンジニア向け資格を目的別に紹介します。

【業界定番】CCNA・CCNP(Cisco認定資格)

ネットワークエンジニアにとって最もメジャーなのが、Cisco社が提供する「CCNA」「CCNP」といった認定資格です。
世界中で通用する標準資格であり、特に中途未経験者が保守・構築案件へ進む足がかりとして高く評価されています。

・CCNA(エントリー資格):
ルーティング、スイッチング、IPサービスなどの基礎を学べる

・CCNP(中級者向け):
設計やトラブル対応まで含む実践的スキルを証明できる

ネットワーク機器ベンダーとして業界シェアが高いCiscoの資格なので評価されやすいまずはCCNAからの取得が王道。

その後、現場経験とともにCCNPへステップアップする流れが一般的です。

【国家資格】基本情報・応用情報技術者試験

IT業界全般で幅広く通用する国家資格として、「基本情報技術者試験」と「応用情報技術者試験」があります。これらはネットワークに限らず、ITの基礎を体系的に学ぶうえで有効です。

・基本情報技術者:
ITパスポートより難易度が高く、プログラミングやネットワークの基礎知識を網羅

・応用情報技術者:
設計やセキュリティ、プロジェクト管理なども含めた中級者向け試験

IPA(情報処理推進機構)
が実施する信頼性の高い資格

未経験者が取得することで、「基本的な技術が理解できている人材」としての印象を強めることができます。
文系出身・IT初心者には、まず基本情報からの挑戦がおすすめです。

【上級者最難関】ネットワークスペシャリスト

ネットワーク分野での専門性を高めたいなら、「ネットワークスペシャリスト試験」が最難関の国家資格として位置付けられています。
高度情報処理技術者試験の一つであり、合格率は毎年10〜15%程度と低めです。

・ルーティング、VPN、BGPなど、上級ネットワーク技術が出題範囲
・午前・午後にわたる長時間の試験構成(記述式もあり)
・設計、提案、構築といった実務に近い内容が評価される

インフラ構成の最上流工程を担いたい方や、設計や要件定義に関わる仕事を目指す人には強くおすすめの資格です。

CCNPと併せて持つことで、専門性が一段と引き立ちます。

【クラウド系】AWS認定資格・Microsoft Azure認定資格

クラウド環境でのネットワーク構築・運用が増えている現在、AWSやAzureといった主要クラウドベンダーの資格も注目されています。
特にクラウドへの転職やキャリアチェンジを考えるなら、習得しておきたい領域です。

・AWS認定クラウドプラクティショナー(初級):
全体像の理解に最適

・AWS認定ソリューションアーキテクト(アソシエイト):
設計に関する中級資格

・Azure Fundamentals / Administrator:
Microsoftクラウドを扱う場合の基本認定

ネットワークエンジニアがこれらを取得することで、「クラウドとインフラをつなげられる人材」としての評価が高まり、より市場価値の高いポジションを目指せます。

オンプレとクラウドを横断できるスキルセットが、今後のキャリアの武器になります。

ネットワークエンジニア転職のリアルな悩みQ&A

「ネットワークエンジニアを目指してみたいけど、実際どうなんだろう…」と思っても、ネット上には表面的な情報しか出てこないことが多いのが現実です。

ここでは、未経験・20代の方が感じがちな疑問に対し、現場経験をもとにリアルな視点でお答えしていきます。

ネットワークエンジニアの進むべき道とは?

前述したように、ネットワークエンジニアには
「スペシャリスト」「ゼネラリスト」「フルスタック」
の3つのキャリアパスがあります。

どの道を選ぶかによって、将来の働き方や年収に大きく影響します。

「この先、どんな働き方をしたいか」
「手を動かすのが好きか、考える仕事がしたいか」

で、自分に合った方向性を考えることが大切です。

ネットワークエンジニアからクラウドエンジニアにはなれる?

クラウドエンジニアへの転身は、ネットワークエンジニアの中でも特に人気のあるキャリアチェンジです。
実際、オンプレミスのネットワークに精通していれば、クラウド環境でも活かせる知識が多くあります。

・クラウド上のネットワーク設計(VPCやサブネットなど)に関する知識が必要
・AWS認定資格(ソリューションアーキテクトなど)が転職の強い武器になる
・オンプレとの“違い”を理解し、設計思想をアップデートする意識が大切

最近では「オンプレ+クラウド」を理解している人材の需要が高く、ネットワーク経験を持つ人がクラウド領域へスムーズに移るケースも増えています。

ネットワークエンジニアの 年収はどれくらい?

ネットワークエンジニアの年収は、経験やスキルレベル、関わる業務の範囲によって大きく変動します。

未経験で運用・監視からスタートする場合は年収300〜350万円が一般的ですが、構築や設計ができるようになると年収は一気に上がります。

・保守・運用:300万〜400万円前後
構築・設計:450万〜600万円
・クラウド・セキュリティ・PMなど:600万円〜800万円以上も可能

資格(CCNA・CCNP・AWSなど)や、提案・設計といった上流経験が増えるほど、年収アップにつながります。

フリーランスになると年収1000万超えも珍しくありません。

ネットワークエンジニアに向いている人は?

ネットワークエンジニアは、単なる作業者ではなく
「問題解決が好き」
「地道な作業が苦にならない」

タイプに向いています。

華やかではないですが、仕組みを裏で支える“縁の下の力持ち”タイプが活躍しやすい職種です。

・コツコツ調べて理解するのが苦じゃない人
・ミスが許されない場面でも慎重に対応できる人
・チームでのやり取りや報連相をきちんとできる人

逆に「目に見える成果がほしい」「華やかな開発に憧れる」というタイプには、やや物足りなさを感じるかもしれません。

とはいえ、正しいキャリア選択をすれば、大きなやりがいも得られる仕事です。

ネットワークエンジニアからのキャリアアップは実際難しい?

結論から言うと、キャリアアップは「正しい努力ができれば十分に可能」です。

ただし、運用業務に長くとどまりすぎてしまうと、スキルの習得が遅れ、構築や設計に進むチャンスを逃すリスクがあります。

・資格取得や業務外での勉強で知識を補う必要がある
・「やりたい」と言うだけでなく、自発的に機会を取りに行く行動力が大事
・同じ環境で成長できないなら、早めの転職も視野に入れるべき

「経験がないから無理」ではなく、“経験をどう作るか”を考えることがキャリアアップの第一歩です。

今の環境で限界を感じるなら、環境を変えるのも立派な戦略のひとつです。

「このままでいいのかな?」と感じたら成長チャンス

今の職場で理想のキャリアが描けないと感じたら、それは転職を検討するサインです。

たとえば、
「構築や設計など上流工程に関われるチャンスがない」
「自分の目指す方向と会社の方針がずれている」

といった状況が続く場合、現状にとどまり続けるリスクのほうが大きくなります。

転職活動を通して、自分の経験やスキルが今の市場でどう評価されるかを把握することは、キャリアを見直すうえで非常に有効です。

エージェントや企業面談を通じて、想像以上に高く評価されるケースも少なくありません。

特にIT業界は変化が速く、5年後には求められる技術もポジションも大きく変わっている可能性があります。
成長機会が得られないまま時間が経つと、あとから取り戻すのが難しくなることも。

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